ペルティエを巡る論争と釈放要求
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/14 01:21 UTC 版)
「レナード・ペルティエ」の記事における「ペルティエを巡る論争と釈放要求」の解説
現在、ペルティエは、ペンシルベニア州ルイスバーグ刑務所で連邦管理下に置かれている。レナード・ペルティエの終身刑収監は、世界的な論争を集めており、彼がAIMであることから逮捕された政治犯であるとして、多数の釈放嘆願状を集めている。アメリカインディアンはミズーリ州カンザスシティに「レナード・ペルティエ防衛委員会」(Leonard Peltier Defense Committee)を設置。米国とカナダの議会にはそれぞれ50人余りの支持者がいる。他にペルティエを支持する個人・団体には、次のような名が挙げられる。 ネルソン・マンデラ、リゴベルタ・メンチュウ、アムネスティ・インターナショナル、国際連合人権高等弁務官事務所、サパティスタ民族解放軍、ダライ・ラマ14世、欧州議会、ベルギー議会、イタリア議会、ロバート・F・ケネディ人権センター、デズモンド・ムピロ・ツツ大司教、カンタベリー大司教、ジェシー・ジャクソン、他多数 レナード・ペルティエの支持者たちは、有罪判決を覆すために、2つの主張を行っている。その1つは、「ペルティエが殺人を犯しておらず、現場に関わっておらず、殺人そのものを知らなかった、また彼がそばにいたとして、レナードがいたというAIMがFBI捜査官を検査した際には、FBIは殺されていない」、というものである。今一つは、「たとえ殺人に関わったとしても、当時の保留地が、FBI捜査官がウーンデッド・ニー占拠に関連してインディアンたちを脅迫し続けていた内戦状態だったことを考慮すべきだ」というものである。 ドキュメント映画『Incident at Oglala』で、無罪となったAIMメンバーのロバート・ロビデューは、真犯人の「X氏」が誰であるか知っていると語っている。一方、ディノ・バトラーは『News from Indian Country 』のE・K・コールドウェルとのインタビューで、「X氏」はペルティエ釈放のための架空の人物だと語っている。1995年6月24日付の『カンザスシティースター』紙のインタビュー記事は、マシュー・ショフィールド記者が「私はかつて、やつらを殺すと言ったことを承知している」とのペルティエの言を報じている。またロナルド・レーガンは合衆国大統領現職時に、ミハイル・ゴルバチョフから米国の人権問題に関する取り組みについてペルティエに言及され、「人権問題である」と答えて物議を醸している。 2000年12月にビル・クリントン合衆国大統領がクリスマス恩赦をペルティエに与えるのではないかとの噂が広まり、これに抗議して元FBI捜査官やその家族約500人がホワイトハウス前で抗議デモを行った。結局クリントンはこの決定を取り下げ、釈放への準備を進めていたペルティエは「クリントンは残酷である」と公式コメントを行っている。 2001年、クリントンは米国の禁輸措置違反、有線通信不正行為、恐喝、脱税などの罪で1983年に起訴されたのち、スイスに逃亡したマーク・リッチに恩赦を与えた。ペルティエはこうコメントしている。「我々は、なぜ彼が温情を与えられたか見ることができる。大統領選への献金は、我々に得ることのできない正義を買うことが出来たのだ」 1980年代初頭に情報公開されたFBIの内部文書は、ペルティエに有利な弾道検査結果を、彼の弁護士たちに対して隠していた事実を明らかにした。ペルティエについての6000ページに及ぶFBIの内部文書は封印されたままであり、ペルティエの弁護団はこれらを全面公開するよう米国政府に圧力をかけ続けている。 2004年の大統領選挙で、ペルティエはカリフォルニア州の政治集団PFPの候補者として獄中から立候補し、同州で27,607票を集めた。 2009年1月、恩赦を拒否したジョージ・W・ブッシュ合衆国大統領に対し、ペルティエは2000年にクリントン大統領に対して恩赦反対抗議を行ったFBI関係者のリストとともに米国地方裁判所で市民権訴訟を起こし、彼らが「誤報と偽情報のもと、公に組織的キャンペーンを行った」と主張した。 ペルティエの刑期満了による釈放日時は、2040年10月11日と予定されている。2009年7月28日に、米国仮釈放委員会はペルティエについて最大級公聴会を開いたが、8月21日に、米連邦検事ドルー・リグレイは、ペルティエの仮釈放要請が却下されたと発表した。ペルティエの次回公聴会は、2024年7月に予定されている。
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