ベルリン国際映画祭での「国辱映画」事件とは? わかりやすく解説

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ベルリン国際映画祭での「国辱映画」事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 07:12 UTC 版)

壁の中の秘事」の記事における「ベルリン国際映画祭での「国辱映画」事件」の解説

ベルリン国際映画祭主催では、第14回ベルリン国際映画祭での映画の質の低さ問題となり、選考基準厳しくなった。それとともに諮問委員会には、映画産業界からだけでなく、ドイツ政府代表、州政役人ボンから国会議員ベルリン代議士労働組合ベルリン芸術アカデミーから選任された。また、映画祭第三セクションのフィルムマーケットでは、これまで各国代表機関推薦作品のみで、日本では日本映画製作者連盟(映連)からの推薦作品のみだったが、映画祭側が却下できるようになった日本映連第15回ベルリン国際映画祭のために山本薩夫にっぽん泥棒物語」と増村保造兵隊やくざ」を推薦する予選落ちした。 ドイツ配給会社ハンザ・フィルムが、自社買い付けた「壁の中の秘事」を推薦した審議では、評論家フィードラーが「唾棄すべき人間社会的な目で描くように見せかけ質の悪い作品」と酷評したが、パタラスや市議会選出シェレンベルク夫人推薦したベルリンから「壁の中の秘事」の正式参加通達され映連驚愕し、これは映連の正式選出作品ではなく遺憾だ抗議した映連会長永田雅一は、東京西ドイツ大使館に、日独文化交流支障となる懸念があるので善処要請し映連日本外務省にも働きかけ上映されたら映連今後映画祭への参加取りやめると通告した日本映画ペンクラブも、若松映画は「性的行動描写をなす映画のみを上映する映画館」のために製作されたもので、この映画日本代表扱われることに甚だしく不満であり、ベルリン映画祭歴史を傷つけ、日本ドイツ国民感情考慮して上映されるべきではないと抗議したベルリン国際映画祭はこうした日本映画界の抗議無視して上映した上映がはじまると、激し口笛罵声飛び交い上映後の記者会見では若松監督には通訳がつかず、反論できないほどであったドイツ新聞各紙非難くりひろげ、アーベンドツァイトゥングは「こんな下品な駄作上映されるような馬鹿げたことは二度とあってはならない」と報じ、モルゲンポストは「この映画いんちき芸術的に亜流」であると非難したディ・ヴェルト紙で映画評論家フリードリッヒ・ルフトは、この映画監督は「頭脳薄弱」で、「無意味で不愉快」な映画で、この愚劣映画へのヤジだけが救いだったと非難した外務省都倉栄二国際映画祭主催者国民感情を傷つけることのないように、またその国の間違ったイメージ普及させることのないよう配慮すべしと声明出し毎日新聞映画評論家映画祭審査員でもあった草壁四郎は、若松映画は「まったく救いようがない三流以下の映画非難したまた、作家倉橋由美子若松映画を「にせ芸術」と非難し東宝専務藤本真澄は、若松ベルリン恥をかくのは自由だが、日本国恥をかくのでは問題だと語った他方佐藤重臣小川徹有馬弘純は若松映画擁護した。 なお、若松以外でもビルゴット・シェーマン、ロマン・ポランスキー(ただし銀熊賞受賞)、ボー・ヴィーデルベリなどもドイツマスコミから非難された。金熊賞ゴダールの『アルファヴィル』だった。 ローランド・ドメーニクは、若松日本国家の批判者として国家恥部描いたので、日本国辱として受け取るのも無理もないことだったと述べる。

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