ベルリン国立美術館所蔵作
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「月を眺める二人の男」の記事における「ベルリン国立美術館所蔵作」の解説
『月を眺める男と女』(つきをながめるおとことおんな、独: Mann und Frau in Betrachtung des Mondes、英: Man and Woman Contemplating the Moon)は、ベルリン国立美術館に所蔵されている。英語でのタイトルは Man and Woman Observing The Moon とも表記される。キャンバスに油彩で描かれた作品である。縦34センチメートル、横44センチメートルの大きさをもつ。かつては1830年から1835年の間に製作されたとするベルシュ=ズーパンの説が有力であったが、後年になってベルリン国立美術館のキュレーターが1824年ごろに製作されたものとする説を唱え、現在ではこれが通説となっている。 1922年にベルリンの美術商、サロモンの所有となる。1932年に開催された、ベルリンのパウル・カッシーラーの展示会で展示される。1936年9月8日までザンクト・ガレンのフリッツ・ネイサン(英語版)の展示会で展示される。同年、ベルリン国立美術館の所有するところとなる。 この作品では、月を眺めているのが一組の男女になっている。ノイエ・マイスター絵画館所蔵作やメトロポリタン美術館所蔵作と比べて、2人が頭を接近させておらず、胴体はまっすぐに保たれている。1922年以降、この男女は、フリードリヒとその妻、カロリーネ(ドイツ語版)がモデルとなっているのではないかとの指摘がなされている。1991年、デンマークの美術史家カスパー・モンラッド(デンマーク語版)は、この作品に描かれている月は月食が始まった状態の月であるとの旨を述べている。 夕暮れ時の空は薔薇色がかった藤色をしており、前景は全体的に暗い。ノイエ・マイスター絵画館所蔵作と比べて空が明るくなったために、月がそれほど目立たなくなった一方で、オークの木のシルエットが際立っている。月の光は、青みを帯びている。オークの木の根は苔で覆われている。後景のドイツトウヒが、画面右側の岩塊の上やオークの木の根のすき間から覗いている。画面の左上のドイツトウヒの枝は、2人がいる辺りまで伸びている。画面前景の小道は、ノイエ・マイスター絵画館所蔵作と比べて、幅員が広くなっている。男性は杖を持っていない。
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