フタトゲチマダニ
各種のマダニ類は全国に分布している。フタトゲチマダニは朝鮮半島、ロシア、中国西部、ニュージーランド、オーストラリアなどに分布し、日本では全国に分布する。単為生殖系と両性生殖系があり、前者は屋久島以北において全国的に分布し、後者は関東以南に分布する。
人間に取り付くとわきの下や腹部など、比較的皮膚の柔らかな部分に両刃ノコギリ状の口器を刺し込み、そのまま離れずに数週間の吸血を続ける。一度取り付かれてしまったら皮膚から離すことは困難で、無理に取ろうとすると口器のみが皮膚の中に残り、化膿してしまうことがある。まれに野兎病、ライム病、後半熱を伝播することがある。
フタトゲチマダニはウシの病原体ピロプラズマ伝搬者としても知られている。
全国の野山に広く分布し、シカやクマなどの大型野生哺乳類や放牧牛に多数寄生するほか、多くの小型哺乳類や鳥類にも各種が寄生する。大型野生哺乳類が濃密に生息する地域では、生息密度も非常に多くなる。温血動物に取り付いて吸血し、満腹になったら離れて産卵する。4~10月に被害が発生し、特に7月に多くなる傾向がある。
マダニ類は若虫期が1期しかなく、卵、幼虫若虫、成虫の4期の発育期を持つ。卵を除く各期が吸血し、幼虫は3~7日、若虫はそれよりやや長く、成虫は7~20日くらい吸着して吸血を続ける。十分に吸血すると、自発的に寄主から離れて地表に落ち、光を避けて石の下などに潜み、静止期を経た後、次の期に脱皮する。飽血したものは、その期のうちに再吸血することはない。 脱皮後体表が硬化すると、草の上の先端近くに登り、寄主の接近を待つ。
このような3回の吸着・離脱を繰り返すものを3宿主性と呼び、日本ではオウシマダニ以外のマダニ類は、すべてこのタイプである。
フタトゲチマダニと同じ種類の言葉
固有名詞の分類
Weblioに収録されているすべての辞書からフタトゲチマダニを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- フタトゲチマダニのページへのリンク