寄生の様式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 18:42 UTC 版)
マダニの吸血は吸血昆虫のそれとはまったく異なる。吸血昆虫の吸血は「刺す」ことによる。つまり、口吻が針状であり、これを血管に直接刺し入れることで吸血を行うのである。対してマダニの吸血は「噛む」ことによる。マダニの口器は鋏のような形状をしており、これにより皮膚を切り裂く。さらに、口下片と呼ばれるギザギザの歯を刺し入れて、宿主と連結し、皮下に形成された血液プールから血液を摂取する。 この時、マダニは口下片から様々な生理的効果のある因子を含む余剰体液を宿主体内に分泌し、吸血を維持している。また、フタトゲチマダニ等をはじめとした、マダニ属、キララマダニ属以外のマダニは、口下片を唾液に含まれるセメントの様な物質で包むことで連結を強固にしている。 このような吸血方式の違いのためマダニの吸血時間は極めて長く、雌成虫の場合は6 - 10日に達する。この間に約1mlに及ぶ大量の血液を吸血することができる。
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