フクシン【fuchsine】
読み方:ふくしん
塩基性染料の一。緑色の金属光沢のある結晶。温水に溶けて紫赤色、エタノールに溶けて赤色を呈する。木綿・麻・絹・羊毛などの染色のほか、分析試薬としても用いられる。マゼンタ。ローザニリン。唐紅(とうべに)。
ふく‐しん【副審】
ふく‐しん【復申】
ふく‐しん【腹心】
読み方:ふくしん
ふく‐しん【覆審】
フクシン
分子式: | C20H19N3 ClH |
その他の名称: | Fuchsine、Rosaniline、フクシン、ロサニリン、Magenta、マゼンタ、マジェンタ、マゼンタパウダーN、Magenta I、Magenta PN、Magenta DP、Magenta S、Magenta G、Magenta E、Fuchsine RTN、Fuchsine HO、Fuchsine CS、Fuchsine Y、Fuchsine N、Fuchsine A、フクシンSBP、フクシンベーシック、ベーシックフクシン、ロサニリウムクロリド、C.I.ベーシックバイオレット14、ベーシックマジェンタ、ベーシックマゼンタ、ロサニリン塩酸塩、C.I.ベーシックバイオレット14一塩酸塩、ロサニリンクロリド、Fuchsine G、オリエントベーシックマジェンタ、オリエントベーシックマゼンタ、マジェンタスーパーファイン、マゼンタスーパーファイン、マジェンタパウダーN、C-WR Violet 8、Basic Violet 14、C.I. 42510、Fuchsine SBP、Basic fuchsin、Fuchsin basic、Basic Fuchsine、Rosanilium chloride、C.I. Basic Violet 14、Basic Magenta、C.I. Basic Violet 14 monohydrochloride、Rosaniline hydrochloride、Rosaniline chloride、Orient Basic Magenta、Magenta superfine、Magenta Powder N、フクシンG、C-WRバイオレット8、ベーシックバイオレット14、12418レッド、Fuchsin、Diamond Fuchsine、Diabasic Magenta、Cerise B、Calcozine Magenta XX、Calcozine Magenta RTN、Calcozine Fuchsine HO、Basic Magenta E-200、Astra Fuchsine B、Aizen Magenta、12418 Red、マゼンタE、フクシンRTN、フクシンHO、フクシンCS、フクシンY、フクシンN、フクシンA、ダイアモンドフクシン、ジアベーシックマジェンタ、ジアベーシックマゼンタ、セリスB、カルコジンマジェンタXX、カルコジンマゼンタXX、ベーシックマジェンタE-200、カルコジンマジェンタRTN、カルコジンマゼンタRTN、カルコジンフクシンHO、ベーシックマゼンタE-200、アストラフクシンB、アイゼンマジェンタ、アイゼンマゼンタ、塩基性フクシン |
体系名: | 4-[(4-アミノフェニル)(4-イミノ-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)メチル]-2-メチルアニリン・塩酸塩、4-[(4-アミノフェニル)(4-イミノ-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)メチル]-2-メチルベンゼンアミン・塩酸塩 |
副進
覆審
フクシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 20:25 UTC 版)
フクシン | |
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4-[(4-Aminophenyl)-(4-imino-1-cyclohexa-2,5-dienylidene)methyl]aniline hydrochloride | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 632-99-5 |
ChemSpider | 21106314 |
UNII | 8UUC89LHB2 |
RTECS番号 | 8053-09-6 |
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特性 | |
化学式 | C20H20N3·HCl |
モル質量 | 337.86 g/mol (塩酸塩) |
融点 | 200°C |
水への溶解度 | 2650 mg/L (25°C) |
log POW | 2.920 |
蒸気圧 | 7.49E-10 mm Hg (25°C) |
kH | 2.28E-15 atm-m3/mole (25°C) |
Atmospheric OH rate constant | 4.75E-10 cm3/molecule-sec (25°C) |
危険性 | |
主な危険性 | Ingestion, inhalation, skin and eye contact, combustible at high temperature, slightly explosive around open flames and sparks. |
NFPA 704 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
フクシン(Fuchsine)またはローズアニリン塩酸塩は、化学式C20H19N3·HClで表される紅紫色染料である[1][2]。実際には類似する化合物の混合物であり、その構成物質は様々な名で呼ばれる[1]。
固体では暗緑色結晶だが、水に溶けて紅紫色になる。織物を染める他、細菌の染色、消毒に用いられる。
沿革
フクシンは1858年、アウグスト・ヴィルヘルム・フォン・ホフマンによってアニリンと四塩化炭素から合成された[3][4]。François-Emmanuel Verguinはホフマンと同年、独立にこの物質を発見し特許を取った[5]。"フクシン"という名はその製造業者Renard frères et Franc[6]によって付けられた。由来は諸説あるが、植物学者レオンハルト・フックスに献名された植物フクシア(花の色が似る)に因むという説[7]、自身の名Renard(キツネ)をドイツ語にしたFuchsに由来するという説がある[8]。1861年のRépertoire de Pharmacieによると、双方の理由で命名したようである[9][10]。
酸性フクシン
酸性フクシンは塩基性フクシンをスルホン化したものである。スルホン化によって12の異性体が得られるが、化学的性質はどれもそれほど違わない。
塩基性フクシン
塩基性フクシンはローズアニリン・パラローズアニリン・ニューフクシン・マゼンタ2などの混合物である[11]。実際の組成・性質は製法により微妙に異なる。シッフ試薬を作る場合は、純粋なパラローズアニリンが最も適する[12]。
細胞核の染色に広く用いられる。フェノール溶液は石炭酸フクシンと呼ばれ、結核菌の染色に用いられる[13]。
化学構造
この化合物は2つの一級アミン、1つの二級アミンを持つ。二級アミンがプロトン化されると、共鳴構造の寄与により正電荷は分子全体に非局在化される。このためこの化合物は強塩基性を示し、これを塩酸で中和し塩化物とすることで安定な結晶として得ることができる。
参照
- ニューフクシン・フクシン酸
- シッフ試験
- グラム染色
出典
- ^ a b "Basic chemical data". Discovery Series online database, Developmental Therapeutics Program, U.S. National Institutes of Health. Retrieved on 2007-10-08.
- ^ Goyal, S.K. "Use of rosaniline hydrochloride dye for atmospheric SO2 determination and method sensitivity analysis". Journal of Environmental Monitoring, 3, 666-670, DOI: 10.1039/b106209n. Retrieved on 2007-10-08.
- ^ von Hofmann, August Wilhelm (1859). “Einwirkung des Chlorkohlenstoffs auf Anilin. Cyantriphenyldiamin”. Journal für Praktische Chemie 77: 190. doi:10.1002/prac.18590770130.
- ^ von Hofmann, August Wilhelm (1858). “Action of Bichloride of Carbon on Aniline”. Philosophical Magazine: 131–142 .
- ^ . https://books.google.de/books?id=z-MEAAAAQAAJ&pg=PA42&hl=de
- ^ Béchamp, M. A. (January–June 1860.) "Comptes rendus hebdomadaires des séances de l'Académie des sciences. 1860. (T. 50)." French Academy of Sciences, Mallet-Bachelier: Paris, tome 50, page 861. Retrieved on 2007-09-25.
- ^ (2004.) "Fuchsin" The American Heritage Dictionary of the English Language, Fourth Edition, Houghton Mifflin Company, via dictionary.com. Retrieved on 2007-09-20
- ^ "Fuchsine." Archived 2007年9月28日, at the Wayback Machine. (Website.) ARTFL Project: 1913 Webster's Revised Unabridged Dictionary. Retrieved on 2007-09-25
- ^ Chevreul, M. E. (July 1860). "Note sur les étoffes de soie teintes avec la fuchsine, et réflexions sur le commerce des étoffes de couleur." Répertoire de Pharmacie, tome XVII, p. 62. Retrieved on 2007-09-25.
- ^ Belt, H. V. D.; Hornix, Willem J.; Bud, Robert; Van Den Belt, Henk (1992). “Why Monopoly Failed: The Rise and Fall of Société La Fuchsine”. The British Journal for the History of Science 25 (1): 45–63. doi:10.1017/S0007087400045325. JSTOR 4027004.
- ^ Horobin RW & Kiernan JA 20002. Conn's Biological Stains, 10th ed. Oxford: BIOS, p.184-191
- ^ Schulte E, Wittekind D. Standardization of the Feulgen-Schiff technique. 91. pp. 321-331. doi:10.1007/BF00493008.
- ^ Clark G 1973 Staining Procedures Used by the Biological Stain Commission, 3rd ed. Baltimore: Williams & Wilkins, pp. 252-254
フクシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:31 UTC 版)
フクシン (fuchsine) はコラーゲン、平滑筋、ミトコンドリアなどの染色へ使う事ができる。これはよくマッソン・トリクロームの一部として使用される。フクシンは塩基性と酸性が存在し、PAS反応には塩基性フクシンが用いられる。
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フクシン (fuchsin, fuchsine)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 02:05 UTC 版)
「紫」の記事における「フクシン (fuchsin, fuchsine)」の解説
モーブに続いて、1859年に発明・発表された色素である。フランスの実業家ルナール・フレール (Renard Frères) の専属化学者ヴェルガンにより発明された。このアニリン系色素は固形では緑色をしているが、熱湯やエタノールに溶解させると赤紫色に変化する。さらに少量のアルデヒドを加えると紫色になる。マゼンタの染料・顔料に使われる。 現在ではこの色素による赤紫や紫色の染色が行われるほか、印刷インクや、実験観察のための細胞の染色やアルデヒドなどの分析試薬にも用いられる。 この鮮やかな赤紫色を発色する色素は、フクシアの花の鮮やかな赤紫色に見立ててフクシンと名づけられた。これは、フクシアの命名のもととなったドイツの植物学者フックス (en:Leonhart Fuchs) の単語の意味がドイツ語で「キツネ」 (Fuchs) であることと、実業家ルナールのフランス語での意味もまたキツネ (renard) であることをなぞらえた命名でもある。 フクシンによって発色される色はフクシャとも、マゼンタとも呼ばれる。この色素による染色が発売された1859年、イタリアとフランスの連合軍がオーストリア=ハンガリー帝国軍を破る戦争が起きていた(マジェンタの戦い)。色名は、この戦いの最後の戦勝地マジェンタ (Magenta) を記念して名づけられたものである。 なお、この年とほぼ同じく、イギリスでドイツの化学者ホフマンにより同系統のアニリン赤色素・ローズアニリン (rosaniline) が発明されている。この色素も、マゼンタ色として使用される。
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