フクシンとは? わかりやすく解説

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フクシン【fuchsine】

読み方:ふくしん

塩基性染料の一。緑色金属光沢のある結晶温水溶けて赤色エタノール溶けて赤色呈する木綿・麻・絹・羊毛などの染色のほか、分析試薬としても用いられるマゼンタ。ローザニリン。唐紅(とうべに)。


ふく‐しん【副審】

読み方:ふくしん

競技ゲームで、主審補佐する審判員。⇔主審

副審の画像
旗を上げサッカーの副審

ふく‐しん【復申】

読み方:ふくしん

返答申し述べること。また、その返答

命令されたことについて、その結果報告すること。復命


ふく‐しん【腹心】

読み方:ふくしん

と胸また、転じて心の奥底。「—を打ち明ける

《「詩経周南・兔罝から》どんなことでも打ち明けて相談できること。また、その人。「—の部下


ふく‐しん【覆審】

読み方:ふくしん

上級審で、下級審とは無関係に訴訟資料集め、これに基づいて事件審理やりなおすこと。また、その審級。→事後審続審


フクシン

分子式C20H19N3 ClH
その他の名称Fuchsine、Rosaniline、フクシン、ロサニリン、Magentaマゼンタマジェンタ、マゼンタパウダーN、Magenta I、Magenta PNMagenta DPMagenta S、Magenta G、Magenta E、Fuchsine RTNFuchsine HOFuchsine CSFuchsine Y、Fuchsine N、Fuchsine A、フクシンSBP、フクシンベーシック、ベーシックフクシン、ロサニリウムクロリド、C.I.ベーシックバイオレット14、ベーシックマジェンタ、ベーシックマゼンタ、ロサニリン塩酸塩C.I.ベーシックバイオレット14一塩酸塩、ロサニリンクロリド、Fuchsine G、オリエントベーシックマジェンタ、オリエントベーシックマゼンタ、マジェンタスーパーファイン、マゼンタスーパーファイン、マジェンタパウダーN、C-WR Violet 8、Basic Violet 14C.I. 42510、Fuchsine SBPBasic fuchsin、Fuchsin basicBasic Fuchsine、Rosanilium chlorideC.I. Basic Violet 14Basic MagentaC.I. Basic Violet 14 monohydrochloride、Rosaniline hydrochloride、Rosaniline chlorideOrient Basic MagentaMagenta superfine、Magenta Powder N、フクシンG、C-WRバイオレット8、ベーシックバイオレット14、12418レッド、Fuchsin、Diamond Fuchsine、Diabasic Magenta、Cerise B、Calcozine Magenta XX、Calcozine Magenta RTN、Calcozine Fuchsine HOBasic Magenta E-200、Astra Fuchsine B、Aizen Magenta、12418 RedマゼンタE、フクシンRTN、フクシンHO、フクシンCS、フクシンY、フクシンN、フクシンA、ダイアモンドフクシン、ジアベーシックマジェンタ、ジアベーシックマゼンタ、セリスB、カルコジンマジェンタXX、カルコジンマゼンタXX、ベーシックマジェンタE-200、カルコジンマジェンタRTN、カルコジンマゼンタRTN、カルコジンフクシンHO、ベーシックマゼンタE-200、アストラフクシンB、アイゼンマジェンタ、アイゼンマゼンタ、塩基性フクシン
体系名:4-[(4-アミノフェニル)(4-イミノ-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)メチル]-2-メチルアニリン・塩酸塩、4-[(4-アミノフェニル)(4-イミノ-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)メチル]-2-メチルベンゼンアミン・塩酸塩


副進

読み方:ソエマイラス(soemairasu), フクシン(fukushin)

寺社などの費用備え進める意。

別名 備進(びしん)


覆審

読み方:フクシン(fukushin)

平安時代下級官庁からの申請に関して上級官庁内容吟味確認すること。

別名 覆勘(ふくかん)


フクシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 20:25 UTC 版)

フクシン
識別情報
CAS登録番号 632-99-5 
ChemSpider 21106314 
UNII 8UUC89LHB2 
RTECS番号 8053-09-6
特性
化学式 C20H20N3·HCl
モル質量 337.86 g/mol (塩酸塩)
融点

200°C

への溶解度 2650 mg/L (25°C)
log POW 2.920
蒸気圧 7.49E-10 mm Hg (25°C)
kH 2.28E-15 atm-m3/mole (25°C)
Atmospheric OH rate constant 4.75E-10 cm3/molecule-sec (25°C)
危険性
主な危険性 Ingestion, inhalation, skin and eye contact, combustible at high temperature, slightly explosive around open flames and sparks.
NFPA 704
1
2
0
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
塩基性フクシン構成物質の1つ CI 42500

フクシン(Fuchsine)またはローズアニリン塩酸塩は、化学式C20H19N3·HClで表される紅紫色染料である[1][2]。実際には類似する化合物の混合物であり、その構成物質は様々な名で呼ばれる[1]

固体では暗緑色結晶だが、に溶けて紅紫色になる。織物を染める他、細菌染色消毒に用いられる。

沿革

フクシンは1858年、アウグスト・ヴィルヘルム・フォン・ホフマンによってアニリン四塩化炭素から合成された[3][4]。François-Emmanuel Verguinはホフマンと同年、独立にこの物質を発見し特許を取った[5]。"フクシン"という名はその製造業者Renard frères et Franc[6]によって付けられた。由来は諸説あるが、植物学者レオンハルト・フックスに献名された植物フクシア(花の色が似る)に因むという説[7]、自身の名Renard(キツネ)をドイツ語にしたFuchsに由来するという説がある[8]。1861年のRépertoire de Pharmacieによると、双方の理由で命名したようである[9][10]

酸性フクシン

酸性フクシンは塩基性フクシンをスルホン化したものである。スルホン化によって12の異性体が得られるが、化学的性質はどれもそれほど違わない。

塩基性フクシン

塩基性フクシンはローズアニリン・パラローズアニリン・ニューフクシン・マゼンタ2などの混合物である[11]。実際の組成・性質は製法により微妙に異なる。シッフ試薬を作る場合は、純粋なパラローズアニリンが最も適する[12]

細胞核の染色に広く用いられる。フェノール溶液は石炭酸フクシンと呼ばれ、結核菌の染色に用いられる[13]

化学構造

この化合物は2つの一級アミン、1つの二級アミンを持つ。二級アミンがプロトン化されると、共鳴構造の寄与により正電荷は分子全体に非局在化される。このためこの化合物は強塩基性を示し、これを塩酸で中和し塩化物とすることで安定な結晶として得ることができる。

参照

出典

  1. ^ a b "Basic chemical data". Discovery Series online database, Developmental Therapeutics Program, U.S. National Institutes of Health. Retrieved on 2007-10-08.
  2. ^ Goyal, S.K. "Use of rosaniline hydrochloride dye for atmospheric SO2 determination and method sensitivity analysis". Journal of Environmental Monitoring, 3, 666-670, DOI: 10.1039/b106209n. Retrieved on 2007-10-08.
  3. ^ von Hofmann, August Wilhelm (1859). “Einwirkung des Chlorkohlenstoffs auf Anilin. Cyantriphenyldiamin”. Journal für Praktische Chemie 77: 190. doi:10.1002/prac.18590770130. 
  4. ^ von Hofmann, August Wilhelm (1858). “Action of Bichloride of Carbon on Aniline”. Philosophical Magazine: 131–142. http://zs.thulb.uni-jena.de/receive/jportal_jpvolume_00057523?XSL.view.objectmetadata=false&jumpback=true&maximized=true&page=PMS_1859_Bd17_%200089.tif. 
  5. ^ . https://books.google.de/books?id=z-MEAAAAQAAJ&pg=PA42&hl=de 
  6. ^ Béchamp, M. A. (January–June 1860.) "Comptes rendus hebdomadaires des séances de l'Académie des sciences. 1860. (T. 50)." French Academy of Sciences, Mallet-Bachelier: Paris, tome 50, page 861. Retrieved on 2007-09-25.
  7. ^ (2004.) "Fuchsin" The American Heritage Dictionary of the English Language, Fourth Edition, Houghton Mifflin Company英語版, via dictionary.com. Retrieved on 2007-09-20
  8. ^ "Fuchsine." Archived 2007年9月28日, at the Wayback Machine. (Website.) ARTFL Project: 1913 Webster's Revised Unabridged Dictionary. Retrieved on 2007-09-25
  9. ^ Chevreul, M. E. (July 1860). "Note sur les étoffes de soie teintes avec la fuchsine, et réflexions sur le commerce des étoffes de couleur." Répertoire de Pharmacie, tome XVII, p. 62. Retrieved on 2007-09-25.
  10. ^ Belt, H. V. D.; Hornix, Willem J.; Bud, Robert; Van Den Belt, Henk (1992). “Why Monopoly Failed: The Rise and Fall of Société La Fuchsine”. The British Journal for the History of Science 25 (1): 45–63. doi:10.1017/S0007087400045325. JSTOR 4027004. 
  11. ^ Horobin RW & Kiernan JA 20002. Conn's Biological Stains, 10th ed. Oxford: BIOS, p.184-191
  12. ^ Schulte E, Wittekind D. Standardization of the Feulgen-Schiff technique. 91. pp. 321-331. doi:10.1007/BF00493008. 
  13. ^ Clark G 1973 Staining Procedures Used by the Biological Stain Commission英語版, 3rd ed. Baltimore: Williams & Wilkins, pp. 252-254

フクシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:31 UTC 版)

染色 (生物学)」の記事における「フクシン」の解説

フクシン (fuchsine) はコラーゲン平滑筋ミトコンドリアなどの染色へ使う事ができる。これはよくマッソン・トリクローム一部として使用される。フクシンは塩基性酸性存在しPAS反応には塩基性フクシン用いられる

※この「フクシン」の解説は、「染色 (生物学)」の解説の一部です。
「フクシン」を含む「染色 (生物学)」の記事については、「染色 (生物学)」の概要を参照ください。


フクシン (fuchsin, fuchsine)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 02:05 UTC 版)

「紫」記事における「フクシン (fuchsin, fuchsine)」の解説

モーブ続いて1859年発明発表され色素である。フランス実業家ルナール・フレール (Renard Frères) の専属化学者ヴェルガンにより発明された。このアニリン色素固形では緑色をしているが、熱湯エタノール溶解させると赤紫色変化する。さらに少量アルデヒド加えると紫色になる。マゼンタ染料顔料使われる。 現在ではこの色素による赤紫紫色染色が行われるほか、印刷インクや、実験観察のための細胞染色アルデヒドなどの分析試薬にも用いられる。 この鮮やかな赤紫色発色する色素は、フクシアの花の鮮やかな赤紫色見立ててフクシンと名づけられた。これは、フクシア命名のもととなったドイツ植物学者フックス (en:Leonhart Fuchs) の単語の意味ドイツ語で「キツネ」 (Fuchs) であることと、実業家ルナールフランス語での意味もまたキツネ (renard) であることをなぞらえた命名でもある。 フクシンによって発色される色はフクシャとも、マゼンタとも呼ばれる。この色素による染色発売され1859年イタリアフランス連合軍オーストリア=ハンガリー帝国軍を破る戦争起きていた(マジェンタの戦い)。色名は、この戦い最後戦勝マジェンタ (Magenta) を記念して名づけられたものである。 なお、この年とほぼ同じくイギリスドイツ化学者ホフマンにより同系統のアニリン赤色素・ローズアニリン (rosaniline) が発明されている。この色素も、マゼンタ色として使用される

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