フィリップ・オットー・ルンゲとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 美術家 > 美術家・芸術家 > 美術家 > フィリップ・オットー・ルンゲの意味・解説 

ルンゲ【Philipp Otto Runge】

読み方:るんげ

[1777〜1810]ドイツ画家フリードリヒとともにドイツ‐ロマン主義絵画を代表。「朝」などの神秘的象徴的作品のほか、肖像画にもすぐれた


フィリップ・オットー・ルンゲ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/23 15:13 UTC 版)

フィリップ・オットー・ルンゲ
Philipp Otto Runge
自画像(1802年頃)
生誕 (1777-07-23) 1777年7月23日
 スウェーデン領ポンメルン・ヴォルガスト
死没 1810年12月2日(1810-12-02)(33歳没)
ドイツハンブルク
国籍 ドイツ
教育 コペンハーゲン美術学校
著名な実績 絵画
代表作
運動・動向 ロマン派
テンプレートを表示


ヴォルガストの位置
ヴォルガストの市内

フィリップ・オットー・ルンゲPhilipp Otto Runge, 1777年7月23日 - 1810年12月2日)は、ドイツロマン主義を代表する画家の1人。

家族と生い立ち

スウェーデンポンメルンヴォルガストの生まれ。ドイツの東北端に位置し、ポーランド語名のヴォウォゴシチ Wołogoszcz という名前もある。

親の仕事を継いで当初商人になったが、画家になりたいとの希望を捨てきれず、コペンハーゲンデンマーク王立美術院(1799年-1801年)でイエンス・ユールに学び、その後ドレスデン(1801年-1804年)に移り、ドイツのロマン主義絵画を代表する画家のカスパー・ダーヴィト・フリードリヒや詩人のルートヴィヒ・ティークと知り合った。

ティークを通してそのほかのロマン主義者の仲間と面識をえ、またヤーコプ・ベーメの著作に親しんだ。1804年、彼はドレスデンの商人の娘、パウリーナ・バセンゲと結婚。彼女はしばしば彼の絵のモデルを勤めた。結婚後、夫婦はハンブルクに移る。

作品とその特徴

ルンゲは、アカデミーの画家たちと対抗し、北方ロマン主義の最も重要な画家であったカスパー・ダーヴィト・フリードリヒと並び称された。フリードリヒからはドレスデン絡みの人脈で、好感を持って接してもらっていたらしい。彼はフリードリヒと違って人物描写に積極的に取り組み、なかでも子どもの肖像画にかけては名声を博した。

ティークのフランツ・シュテルンバルトの放浪遍歴をテーマにした芸術家小説から着想を得て、彼は、「風景」を巨大な神聖文字(ヒエログリフ)、つまり隠喩や象徴として描くという構想を生み出し、その作品化されたものが、たとえば、「朝」についての二つの作品、「アリオンの航海」、「さまざまな時間」などになった

功績と影響

彼は色の球体によって、芸術論にも貢献を果たしている。それについて彼は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテとも手紙のやり取りを残している。彼が、初めての三次元の色彩の体系を作り出したのである。1810年に「色球体」(Farben-Kugel/Color sphere)に関する著書を出版した[1]。ルンゲの風景と彼の、人間の環境世界を芸術的に描き出すという構想は、彼を総合芸術の先駆者としている。

またドイツ文学にとっては、彼は自ら若干の詩歌を創作していることもあり、重要な意味合いをもっている。彼は、ヴァン・デン・マンデルブルームとヴァン・デン・フィッシャーと彼の妻のメルヒェンを活字にとどめ、のちにそれをグリム兄弟に提供した。また彼自身、ギュンター・グラスの小説『ひらめ』(Der Butt)の登場人物になっている。 クレメンス・ブレンターノとも彼は文通をする間柄にあり、往復書簡はコンラート・ファイルヒェンフェルトの編纂で刊行されている。

ギャラリー

脚注

  1. ^ Runge, P. O. 1810, Die Farben-Kugel, oder Construction des Verhaeltnisses aller Farben zueinander, Hamburg: Perthes.



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フィリップ・オットー・ルンゲ」の関連用語

フィリップ・オットー・ルンゲのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フィリップ・オットー・ルンゲのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフィリップ・オットー・ルンゲ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS