モーツァルト:ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モーツァルト:ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 | Konzert für Klavier und Orchester Nr.24 c-Moll K.491 | 作曲年: 1786年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 13分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Larghetto | 7分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Allegretto | 8分30秒 | No Image |
作品解説
モーツァルトのピアノ協奏曲中、第20番ニ短調と並ぶふたつきりの短調作品である。どちらもこのジャンルに付随する社交的な雰囲気を裏切っているが、第24番は、より激しい一面をもつ。オーボエに代わってクラリネットが導入された前2作とは異なり、第24番はその両方を併用することによって、より幅広い音響を手に入れているのである。ピアノも幅広い音域で主題を彩っている。それは技巧的ではあるが、単なる音の羅列では決してなく作品の要求に応えた動きをしており、管弦楽との調和が見事である。
作品は1786年3月24日に完成し、4月7日の予約演奏会で初演された。自筆譜では、ピアノ声部は何度も書き直されており、おそらく演奏の直前に加えたのであろう即興的なパッセージも見られる。もしかするとモーツァルト本人による初演では、楽譜に書かれた以上の音が響いたかもしれない。
第1楽章の作曲家自身によるカデンツァは残されていない。
第1楽章:アレグロ、ハ短調、3/4拍子。協奏的ソナタ形式。冒頭の弦とファゴットのユニゾンが減七音や半音を多用した異様な緊張感をもって始まるのに対し、独奏ピアノの主題はむしろ哀調を帯びている。楽章を通してピアノはこうした性格を受け持つが、一方で管弦楽を背景として華麗なパッセージを展開することも多い。
第2楽章:[ラルゲット]、変ホ長調、2/2拍子。ロンド形式。穏やかなアリアのような主題の間に、やや緊張感のあるエピソードが2つ挟まる。そこでは、木管の充実した響きがピアノ(および弦)と対話している。
第3楽章:[アレグレット]、ハ短調、2/2拍子。変奏形式。主題と8つの変奏から成る。この楽章ではピアノはシンフォニックな響きも有する。
ピアノ協奏曲第24番 (モーツァルト)
(ピアノ協奏曲 第24番 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/12 15:56 UTC 版)
ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K. 491 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1786年に作曲したピアノ協奏曲。モーツァルトのピアノ協奏曲の中で、短調の作品は本作と『第20番 ニ短調』(K. 466)だけである。
概要

音楽・音声外部リンク | |
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モーツァルト自身が記した作品目録によれば、本作は1786年3月24日にウィーンで作曲され、初演は同年4月7日、ウィーンのブルグ劇場で開かれたモーツァルト自身の予約音楽会で行われた。翌月の5月1日にはオペラ『フィガロの結婚』(K. 492)が初演されている。
暗く情熱的な作品であり、ニ短調のピアノ協奏曲とは違い、唯一短調で始まり短調で終わる構成となっている。アルフレート・アインシュタインによれば、ベートーヴェンはモーツァルトの曲に感嘆し、自分の曲の中で「2、3の貢物を捧げている」と述べている[1]。
モーツァルトの弟子であるヨハン・ネポムク・フンメルは本作のカデンツァを作曲しただけでなく、ピアノ・フルート・ヴァイオリン・チェロ用の編曲を残しており、白神典子らが録音している。
楽器編成
独奏ピアノ、フルート、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦五部。
モーツァルトのピアノ協奏曲の中では最大の編成である。オーボエとクラリネットの両方を採用しており、木管楽器が活躍する場面の多い曲になっている。第2、第3楽章の一部には、これら管楽器だけによる、ハルモニームジークの書法を用いた部分もある。
曲の構成
全3楽章、演奏時間は約30分。第1楽章のカデンツァや第2、第3楽章のアインガングは、モーツァルト自身のものは残されていない。そのほかにもピアノのパートを完成させていない部分がいくつかある。これらは、モーツァルト自身が演奏会で即興演奏した部分と思われる。現在では、特に表記されていない場合はもっぱらフンメルが作曲したカデンツァで演奏されることが多い。
- 第1楽章 アレグロ
- 第2楽章 ラルゲット
- 第3楽章 アレグレット
- ハ短調、2分の2拍子(アラ・ブレーヴェ)、変奏曲形式。
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- 主題と8つの変奏からなる変奏曲。アルフレート・アインシュタインは「革命的なぶきみな急速行進曲」と呼んでいる。第4変奏と第6変奏では、第2楽章に似た木管とピアノの楽しい応答がある。最後には8分の6拍子に変わり、同主長調に転調して明るく終わるニ短調の協奏曲とは違い、悲劇的なハ短調のまま締めくくられる。
脚注
- ^ アインシュタイン(1961, pp. 422)
参考文献
- アルフレート・アインシュタイン『モーツァルト-その人間と作品』 浅井真男訳、白水社、1961年。
外部リンク
- ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K. 491の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491 - Mozart con grazia
- 『新モーツァルト全集』におけるKonzert für Klavier und Orchester in c KV 491の楽譜及び校訂報告
- Mozart Piano Concerto K491 - BBC Discovering Music (from Internet archive)
「ピアノ協奏曲 第24番」の例文・使い方・用例・文例
- ピアノ協奏曲
- その曲はピアノ協奏曲に編集された。
- 6月21日の本選で,上原さんはチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」とラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を演奏した。
- そのとき,彼女は偶然,ラヴェルのピアノ協奏曲を聞き,自分と千秋(玉(たま)木(き)宏(ひろし))が舞台でその曲を一緒に演奏している姿を想像する。
- 千秋は彼女がショパンのピアノ協奏曲を演奏するのを見るためにはるばるプラハまで行く。
- 内田さんはクリーブランド管弦楽団と共演したモーツァルトのピアノ協奏曲の演奏で最優秀器楽ソリスト演奏(オーケストラとの共演)賞を受賞した。
- 浅田選手は,ショートプログラムではショパンのノクターンのうちの1曲,フリーではラフマニノフのピアノ協奏曲第2番に合わせて演技すると述べた。
- フリーについて,浅田選手は「私はラフマニノフのピアノ協奏曲がとても好きです。」と述べた。
- 翌日のフリーでは浅田選手はラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」に合わせて滑った。
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