パナウェーブ研究所とメディア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 08:14 UTC 版)
「パナウェーブ研究所」の記事における「パナウェーブ研究所とメディア」の解説
「週刊文春」2003年4月23日号は、多摩川に出現したアゴヒゲアザラシのタマちゃんを捕獲して自然に返すことを意図する「タマちゃんのことを想う会」と千乃正法会=パナウェーブ研究所について報道した。4月25日、フジテレビ『スーパーニュース』で「謎の白装束集団・タマちゃん移送計画」という4分42秒のニュースが流れる。白装束の一団が移動するという現象はテレビ的にもたいへん見栄えのする映像だったということもあり、連日のようにその一団の移動の様子が報じられた。これまではあまり知られていなかった団体であったためマスコミも状況を把握しておらず「白装束集団」「白ずくめ集団」と報道していた。集団が福井県大野市九頭竜湖周辺や鳥取県岩美郡国府町(現・鳥取市)などに居座っている事や団体の過去の行動が報道されるにつれてテレビ報道が過熱化、5月1日に佐藤英彦警察庁長官が「彼らの装束や行動は異様だ。オウム真理教の初期に似ている。」と指摘した。5月11日に集団は福井市五太子町のパナウェーブ研究所に到着した。5月14日、警視庁公安部、福井県警、山梨県警などは、パナウェーブ研究所の関係者が虚偽の自動車登録をしていたとして、電磁的公正証書原本不実記録の疑いで団体施設・関連会社全国12ヶ所を捜索した(この件で、東京簡易裁判所は9月2日までに、千乃正法会の元経理責任者に対し、電磁的公正証書原本不実記録・供用の罪で、罰金50万円の略式命令を出した)。6月になると物珍しさが薄れ、教団の危険性も少ないと判断されて報道は沈静化した。宗教学者石井研士は「振り返ってみると、報道は明らかに根拠のない過剰なもので、集中報道しなければならなかった理由は見当たらない」としてオウム事件当時のTV報道と対比している。 ワイドショーに取り上げられ一躍有名になったのは、「惑星ニビル星が地球に落下してくる天変地異」の危険を訴え、福井県に向けて大移動を行ったためである(鳥取県を中心とする日本海側での移動も取り上げられた)。ただ、パナウェーブ研究所の関係者が「我々は反共団体だ」とコメントしたのを、誤って「環境団体」とテロップをつけて報道した事もあった。右翼団体が抗議におしかけるが、パナウェーブ研究所側の反共団体という説明に、むしろ納得して引き下がるといった場面もあった。また、月光仮面の格好をしてプラカードを掲げた辻山清が抗議に詰め寄る一幕もあった。 結果として、研究所が主張していたような天変地異は起こらなかった。
※この「パナウェーブ研究所とメディア」の解説は、「パナウェーブ研究所」の解説の一部です。
「パナウェーブ研究所とメディア」を含む「パナウェーブ研究所」の記事については、「パナウェーブ研究所」の概要を参照ください。
- パナウェーブ研究所とメディアのページへのリンク