バージニア、北軍の木造艦に大損害を与える
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「ハンプトン・ローズ海戦」の記事における「バージニア、北軍の木造艦に大損害を与える」の解説
戦闘が始まったのは1862年3月8日の朝、連合国海軍の大きくやや扱いづらいバージニアがハンプトン・ローズに動力航行して来て、北軍の封鎖を打ち破ろうと行動を開始した時であった。 フランクリン・ブキャナン艦長に指揮されたバージニアは、ローリー (CSS Raleigh) とビューフォート (CSS Beaufort) に援護され、なおかつパトリック・ヘンリー (CSS Patrick Henry)、ジェイムズタウン (CSS Jamestown)、そしてティーザー (CSS Teaser) に随伴されていた。 バージニアは北軍の戦隊へとまっすぐに向かった。距離がカンバーランド (USS Cumberland) から1マイルを切り、封鎖船と陸上砲台の全てが砲火を開いたとき、攻撃を開始した。バージニアはカンバーランドの吃水線下に衝角攻撃を加え、同艦を即座に撃沈した。「水上にある限り、その砲座は雄々しく撃ち続けた」とブキャナンは勇敢な敵を称賛して報告している。 ブキャナンは次に艦をコングレス (USS Congress) の方へ転じた。カンバーランドに起きたことを見て、コングレスの艦長は艦を浅瀬に座礁させるように命令した(※?)。この時までには、ジェイムズ川の戦隊(ジョン・ランドルフ・タッカーの指揮下にあった)が到着し、コングレスを攻撃するバージニアと合流していた。この状態が1時間続いた。その後、ひどく損傷を受けたコングレスは降伏した。コングレスの乗務員の生き残りが艦から退去する間、北岸にある合衆国の砲台はバージニアに対して砲撃を開始した。報復として、バージニアの艦長はコングレスにred-hot shotと焼夷弾で砲撃を加えるよう命令した。コングレスは南軍の装甲艦による砲火が弾薬庫を爆発させたことにより、爆沈した。バージニアもまた損傷した。カンバーランド、コングレス、そして沿岸砲台による砲撃が煙突を穴だらけにしたため、元来の遅かった速度がより落ちたのである。二門の砲が使用不能になり、装甲板は数枚が剥落した。 一方、ジェイムズ川小艦隊は、戦闘に参加するべくモンロー砦を出て座礁していた(※?)ミネソタ (USS Minnesota)に注意を転じていた。バージニアは、コングレスの降伏に対処した後、損傷にも関わらずジェイムズ川小艦隊と合流した。なぜならばその深い吃水のため、バージニアは深刻と言えるほどの損傷を受けることがなく、そして暗闇が砲撃を効果的に行うことを妨げていたからである(※?)。バージニアは翌日に再来して北軍の艦隊を全滅させることを目論みつつ引き揚げた。夜の間は南軍が制海権を持つ水域に退いたのである。 この一日は、まさしくバージニアの独擅場であった。とは言え損失がないわけではなかった。衝角の一部がもぎ取られて、傷ついたカンバーランドの横腹に刺さったまま失われた。バージニアが沿岸砲台から撃たれている間、ブキャナン艦長はマスケット弾によって大腿骨を折った。彼はこの負傷によりケイツビー・R・ジョーンズ副長へと艦の指揮権を移譲することを余儀なくされた。ブキャナンの脚は後に切断された。 連合国海軍長官スティーヴン・マロリーは連合国大統領ジェファーソン・デイヴィスへの手紙で、この戦闘のことを以下のように書いている。 「 艦隊の士官たちと兵たちの行いは……彼ら自身と連合国海軍に不滅の栄光をもたらしました。報告はとても興味深いもので、その詳細は必ずや熱情を掻き立て、我が軍の勇敢な水兵たちの士気を高めるでしょう。またこの報告はバージニアがかつて水に浮かんだいかなる船とも全く異なり、造船学上の新機軸だったことを思い出させるでしょう。本艦の最も重い砲は火器中の新機軸に等しいこと……その動力および操舵特性は未だかつて試みられた事がなく、将兵は船にも互いにもほとんど初対面だったこと……これら全ての不利な要素の下で、意思力の権化たる士官ブキャナンの活発な勇気および完全無欠な玄人の手腕、そして彼の部下たちの協力は、海戦史上で最もめざましい勝利を達成したのです。 」 合衆国海軍にとっては恐ろしい、そして士気を挫かれる一日だった。夜遅くに、ジョン・L・ウォーデン大尉が指揮をとるモニターがハンプトン・ローズに到着した。こちらの装甲艦は味方の艦隊を保護し、バージニアが北部の都市を脅かすのを防ぐために急がされて来たのだった。 「戦いの趨勢は、新造艦モニターのかつて無い労苦と時を得た到着にかかっている」ジョン・A・ダールグレンはそう評している。
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