ハリウッド進出と挫折とは? わかりやすく解説

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ハリウッド進出と挫折

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 12:19 UTC 版)

黒澤明」の記事における「ハリウッド進出と挫折」の解説

赤ひげ公開後黒澤東宝に対して巨額借金抱えていた。黒澤プロダクション東宝との契約で5本の作品作り、その配給で4億円前後高収入をあげていたが、東宝交わした利益配分制だと黒澤利益上げられず、芸術的良心忠実な作品目指し時間予算をかけるほど、東宝搾取されて損をする仕組みになっていた。1966年7月黒澤東宝との専属契約解消して完全独立し黒澤プロダクション東京都港区東京プリンスホテル4階事務所構えたこの頃黒澤日本権威的みなされそれ故批判誹謗中傷を受けることが目立った孤立心を深めた黒澤は、日本映画産業斜陽化していたこともあり、より自由な立場新たな自己表現段階挑戦するため、それだけの製作費が負担できる海外活動の場求めようになった。すでに黒澤欧米かいくつもオファー受けていた。 1966年6月黒澤アメリカのエンバシー・ピクチャーズ(英語版)と共同製作で『暴走機関車』を監督することを発表した。この企画ライフ誌掲載された、ニューヨーク州北部機関車暴走したという実話元にしており、出演者全員アメリカ人にすることが決定していた。しかし、英語脚本担当のシドニー・キャロル(英語版)と意見合わずプロデューサージョーゼフ・E・レヴィーンとも製作方針をめぐり食い違い生じた例えば、黒澤70ミリフィルムカラー映画想定していたのに対しアメリカ側スタンダードサイズモノクロ映画作ろう考えていた。黒澤130人ものスタッフ編成し本物鉄道使用して撮影する準備をしていたが、アメリカ側との意思疎通欠き同年11月黒澤から撮影延期提案し事実上の製作頓挫となった。この企画1985年アンドレイ・コンチャロフスキー監督映画化されたが、内容大きく改変された。 1967年4月真珠湾攻撃題材戦争映画『トラ・トラ・トラ!』20世紀フォックス共同製作し、黒澤日本部分監督することが発表された。黒澤東映京都撮影所撮影始めたが、軍人役に演技経験のない財界人起用したことや、黒澤演出方法馴染めないスタッフとの間に軋轢生じたことから、スケジュール大幅に遅れた黒澤映画作り方法ハリウッド映画作り方法はうまく合わず、ついに遅延無視できなくなった20世紀フォックスにより事実上解任決定し1968年12月表向きは健康問題理由監督降板することが発表された。 1969年6月24日三船などが発起人になり「黒澤明映画作れの会」が赤坂プリンスホテル開かれ、関係スタッフ淀川長治など黒澤応援する人たちが集まった。その翌月には木下惠介市川崑小林正樹とともに四騎の会」を結成し日本映画斜陽化が進む中、若手監督負けないような映画を作ろう狼煙上げた。その第1作として4人の共同脚本・監督で『どら平太』を企画する頓挫した結局黒澤単独で『どですかでん』(1970年)を監督することになり、自宅担保にして製作費を負担するが、興行的に失敗してさらなる借金抱えた黒澤以外の四騎の会監督テレビ番組を手がけていたが、黒澤テレビと関係を持つようになり、1971年8月名馬雄姿紹介する日本テレビドキュメンタリー番組『馬の詩』を監修し同局で『夏目漱石シリーズ』『山本周五郎シリーズ』を監修する計画もあった。同年12月22日早朝黒澤自宅風呂場カミソリで首と手首切って自殺を図るが、命に別状はなかった。

※この「ハリウッド進出と挫折」の解説は、「黒澤明」の解説の一部です。
「ハリウッド進出と挫折」を含む「黒澤明」の記事については、「黒澤明」の概要を参照ください。

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