ドライブ底面の大きさ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 01:36 UTC 版)
「ハードディスクドライブ」の記事における「ドライブ底面の大きさ」の解説
底面の大きさにはいくつかの標準があり、それぞれで一般的なプラッタの直径をもとに名前がつけられている。HDDの物理的なサイズという場合、これを指すことが多い。 現在、市場に出回るHDDの大半が3.5インチや2.5インチサイズのプラッタを採用している。過去には、コンパクトフラッシュサイズのマイクロドライブ、iVDR (Information Versatile Disk For Removable Usage) 等の小型のドライブも販売されていたが、急速に大容量・低価格化したフラッシュメモリ系のストレージに押され徐々に生産終了となった。 8インチ 大型汎用コンピュータ用途。1980年代まではパーソナルコンピュータ用途でもあった。2016年現在は生産されていない。 5.25インチ 大型汎用コンピュータ、1990年代半ばまでのパーソナルコンピュータ用途。2016年現在は生産されていない。 3.5インチ 1990年代以降、デスクトップパソコンやサーバ用途で主流となっているサイズ。インターフェースは、サーバー用途ではSCSIやSASが中心で、一般市場向け製品ではシリアルATAが中心である。駆動に必要な電圧は、モーター用が12V、データ用が5Vと電圧が別々になっている。また、NAS対応機器ではこのサイズに合わせて設計されているものが多い。回転数は最大で15,000 rpmのものがある。 2.5インチ ノートパソコン用の主流。3.5インチに比べ容量あたりの価格は高い傾向があるものの、小型の製品に適している。省スペース型のデスクトップパソコン、カーナビ、HDDレコーダー、ゲーム機などでも利用されている。また、サーバー向けの製品もあり、消費電力を抑えることを重視しているデータセンターなどで用いられている。回転数は一般的向けには5400 rpmないし7,200 rpmで、サーバー向けやハイエンドデスクトップ向けに10,000 rpm以上の物もある。カーナビ向けにはさらに高耐衝撃、高耐振動性、そして耐高温性にすぐれたモデルも存在する。駆動に必要な電圧は、モーター用とデータ用で5 V共用であり、外付タイプの製品ではUSBバスパワー対応の製品が多い。 2022年現在、生産・販売こそ継続しているものの、新製品の開発はどのメーカーも手を出していない状態にある。 1.8インチ 大部分の小型軽量タイプのノートパソコン用、iPod(現 iPod Classicシリーズ)に代表される携帯型音楽プレーヤ、携帯型ビデオプレーヤ用。ハードディスクPCカードのモバイルディスクという単体商品もあった。1.89インチと扱われる場合もある。ノートパソコン用としては2.5インチと接続コネクタ形状が同じ日立GSTタイプとPCカード型(ただしモバイルディスクとは異なりPCカードスロットには対応していない)の東芝タイプがある。東芝タイプには、特殊な50ピンコネクタを持つパラレルATAタイプと、SATAマイクロコネクタを持つタイプがある。また、携帯音楽プレーヤーなどの組み込み向けにフィルム線を直接接続するZIF(英語版)コネクタタイプとLIF(英語版)コネクタタイプ(いずれもパラレルATA)が存在する。このタイプは東芝が最後まで生産を続けていたが、2011年1月発表の製品を最後に生産は終了された。 1.3インチ HP製キティホークなどの例があったが、基本的に採用例の少ないサイズ。2008年時点でサムスン電子のみ生産していたが、フラッシュメモリに押されて生産中止となった。 1インチ 単体ではマイクロドライブと呼ばれる商標のものが一般的に知られている。高性能デジタルカメラや小型携帯型音楽プレーヤー、PDAにも採用された。フラッシュメモリとの競合で、2008年頃にはほぼ完全に廃れている。 0.85インチ 東芝が2003年に開発した。同社製デジタルビデオカメラや、au向け携帯電話 MUSIC-HDD W41Tにも搭載されている。内部のプラッタは0.85インチ=21.6mmで、これは五円硬貨とほぼ同じサイズ。2007年以降から同サイズでの新製品が発表されていない。
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