デビュー作・日本狂詩曲とは? わかりやすく解説

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デビュー作・日本狂詩曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 17:51 UTC 版)

伊福部昭」の記事における「デビュー作・日本狂詩曲」の解説

1935年昭和10年)、21歳大学卒業後、北海道庁地方課の厚岸森林事務所勤務アメリカ指揮者フェビアン・セヴィツキー(クーセヴィツキーの甥)の依頼により『日本狂詩曲』(当初全3楽章)を作曲しボストンへ送る。 同年パリアレクサンドル・チェレプニン賞が催されると、審査員中にモーリス・ラヴェルの名を見つけ、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}ラヴェル見てもらいたいという一心で[要出典]、『日本狂詩曲』を賞の規定合わせ第1楽章「じょんがら舞曲」をカットして応募する結局ラヴェル病気のため審査員降りたが、チェレプニン初めジャック・イベールアルベール・ルーセルといったフランス近代音楽代表する作曲家たちが審査あたった。このコンクール日本人に対して開かれたコンクールだが、審査会場はパリであったパリへ楽譜を送る際、東京からまとめて送る規定になっていたため伊福部楽譜東京へ届けられたが、東京音楽関係者はその楽譜見て、 平行五度などの西洋音楽和声禁則無視しその場日本人にとって下衆見えた日本の伝統音楽のような節回しが多いこと 当時としては極端な大編成である編入楽器多数の(打楽器奏者だけで9人を要する三管編成オーケストラ要求されていたこと 北海道厚岸町から応募してきたこと との理由から、相当の驚き困惑があったと言う。とくに1.理由により「正統的な西洋音楽学んできた日本中央楽壇にとって恥だから、伊福部の曲を応募からはずしてしまおう」という意見出たが、大木正夫の「審査をするのは東京の我々(その場にいた日本人ではなくパリ面々だし、応募規程満たしているのに審査をはずす理由もなく、せっかく応募してきたのだから」という意見通り伊福部の曲も無事パリ審査会場へ届けられた。 結果伊福部が第1位に入賞し世界的評価を得ることとなった賞金300であった。この時の第2位は、伊福部同じくほぼ独学作曲学んだ松平頼則であった。後に松平伊福部はともに新作曲派協会結成することになる。同曲は翌1936年昭和11年)、セヴィツキー指揮、ボストン・ピープルス交響楽団によりアメリカで初演された。なお初演の際、チェレプニン賞への応募合わせて第1楽章カットして演奏され、そのカットした部分楽譜現存しないため、永遠にとなった。なお、この幻の日本狂詩曲第一楽章「じょんがら舞曲」は、日本狂詩曲スコア浄書手伝った次兄・勲の追悼のために書かれた『交響譚詩』の第二譚詩第二楽章)にその一部組み込まれている。 これを機に初演年来日したチェレプニン短期間師事する日本狂詩曲大編成の大作だが、何度も演奏されすいよう編成考えて書くべきというチェレプニン意見従い次作として14編成全員ソロ小管弦楽曲土俗的三連画』を書いたチェレプニン伊福部ニコライ・リムスキー=コルサコフの『スペイン奇想曲』のスコア渡し筆写して学ぶことを勧めた。 なお、『日本狂詩曲』は、1936年龍吟社からチェレプニン・コレクションとして楽譜出版されている。表紙のデザインは、美術にも関心深かった伊福部自身が手がけた。この楽譜は、日本国内では僅か9冊しか売れなかったが、海外での購入者中にはモーリス・ラヴェルジャン・フランチェスコ・マリピエロらの名前もあったという。

※この「デビュー作・日本狂詩曲」の解説は、「伊福部昭」の解説の一部です。
「デビュー作・日本狂詩曲」を含む「伊福部昭」の記事については、「伊福部昭」の概要を参照ください。

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