テルナ_(イタリアの企業)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > テルナ_(イタリアの企業)の意味・解説 

テルナ (イタリアの企業)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 13:33 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
テルナ
Terna S.p.A.
ファイル:Terna logo.jpeg
ローマの本社
種類 公開会社
市場情報 BITTRN
本社所在地 イタリア
00156
Viale Egidio Galbani 70, ローマ
設立 1999年5月 (22年前) (1999-05)
事業内容 送電施設の管理
代表者 ルイジ・フェラーリス(CEO
外部リンク コーポレートサイト(英語)(イタリア語)
テンプレートを表示

テルナ: Terna S.p.A.Trasmissione Elettricità Rete Nazionale)は、イタリアローマに本拠を置き、イタリア全域の送電網を管理する送電事業者イタリア証券取引所上場企業(BITTRN)。

沿革

イタリアの電力事業は1962年以来、国有企業のエネルによる独占体制が続いていたが、1990年代にEUが各国の電力事業の規制緩和を推進する中、特に他の電力関連企業から影響を受けない送電網管理会社設立の必要性がEUの指令を通じて促進され、テルナは1999年5月、エネルの送電資産管理子会社として設立された[1]。発足時はエネルが全ての株式を保有していたが、2004年6月、株式の半分がイタリア証券取引所に上場された[1]。テルナの設立当初は、送電網の所有・管理のみを担当し運用はイタリアの経済財務省が保有するGRTN[注釈 1]が行う方式が採られていたが、送電業務を円滑・安全に進めるには設備の所有と運用の一体化が不可欠とする考えから、2005年11月、テルナが送電線の保有・管理および運用を行う方式に変更された[2]

2012年にエネルがテルナの保有株式を全て売却し、エネルとの資本関係が解消されたのち[3]、テルナの株式の約3割は、イタリア政府の政策投資銀行であるCassa Depositi e Prestitiと中国の国家電網のジョイント事業であるCDP Reti S.p.A.が保有している[4]

2012年に組織再編が行われ、新たに国内の規制に基づき送電事業を担当するTerna Rete Italia S.p.A.と、国内外で各種事業を行うTerna Plus Srlなどのグループ企業が設けられた[1]。イタリア国外のグループ企業としては、モンテネグロTerna Crna Gora d.o.o.ウルグアイDifebal S.A.チリTerna Chile SpAなどがある[5]

2011年サルデーニャ島と本土間を結ぶ送電線が完成、2016年シチリア島と本土間を結ぶ高圧線が稼働を開始し、テルナはイタリア国内の送電網の98%以上を保有・管理している[1]2019年11月、モンテネグロとイタリアを結ぶ海底電力ケーブルの運用を開始し、イタリアとモンテネグロ、セルビアボスニア・ヘルツェゴビナルーマニアの送電網が統合された[6](ケーブル製造は住友電気工業プリズミアンから受注した[7])。

日本との関連

2012年東芝がモンテネグロの発電施設からイタリア東部に送電するシステムをテルナから受注[8]2013年5月、日本ガイシが電力貯蔵用の大規模電池システム設備をテルナから受注した[9]

脚注

注釈

  1. ^ Gestore della Rete di Trasmissione Nazionale。テルナに事業譲渡した2005年11月以降はGestore dei servizi energetici(GSE)S.p.A.として再生可能エネルギー分野を担当。

出典

  1. ^ a b c d Our Story” (英語). Terna S.p.A.. 2018年12月15日閲覧。
  2. ^ イタリアの電気事情”. 電気事情連合会. 2018年12月15日閲覧。
  3. ^ Enel sells Terna stake for 178 million euros gain” (英語). ロイター (2012年2月2日). 2018年12月15日閲覧。
  4. ^ Main Shareholders” (英語). Terna S.p.A.. 2018年12月15日閲覧。
  5. ^ Corporate Structure” (英語). Terna S.p.A.. 2018年12月15日閲覧。
  6. ^ アドリア海の海底電力ケーブルが稼働”. FBC Business Consulting (2019年11月20日). 2020年10月16日閲覧。
  7. ^ 海底ケーブルプロジェクト”. 住友電気工業 (2014年6月). 2020年10月16日閲覧。
  8. ^ 東芝、イタリア送電システム変換設備・工事を200億円で受注”. ロイター (2012年12月8日). 2018年12月15日閲覧。
  9. ^ 日本ガイシがイタリアの大手送電会社に大容量蓄電池システムを供給”. エキサイトニュース (2013年5月20日). 2018年12月15日閲覧。

外部リンク


「テルナ (イタリアの企業)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「テルナ_(イタリアの企業)」の関連用語

テルナ_(イタリアの企業)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



テルナ_(イタリアの企業)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのテルナ (イタリアの企業) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS