タキ8350形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/05 23:49 UTC 版)
「国鉄タキ8300形貨車」の記事における「タキ8350形」の解説
タキ8350形は、ラテックス専用の30t 積タンク車として1966年(昭和41年)10月1日から1980年(昭和55年)9月19日にかけて14両(コタキ8350 - コタキ8357、コタキ8359 - コタキ8364)が東急車輛製造、富士重工業の2社で製作された。1973年(昭和48年)8月3日に富士重工業にてタキ3700形より1両(タキ3748)の専用種別がラテックスに変更されタキ8350形(コタキ8358)へ編入された。 記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。 落成時の所有者は、ダウ・ケミカル・インターナショナル・リミテッド(その後社名は「旭ダウ」、「旭化成工業」、「旭化成」、「旭化成ケミカルズ」と変遷を重ねた)、ダイセル化学工業、旭ダウの3社であった。 1980年(昭和55年)8月13日にダイセル化学工業所有車1両(コタキ8358)が旭ダウへ名義変更された。 タンク体材質はステンレス鋼製でありこの点がタキ8300形と大きく異なる。ステンレス鋼は普通鋼に比べて強度が高い為各部材の厚さを薄くすることができ、その結果自重が1割程度軽減された。厚さ100mmのグラスウール断熱材を巻き鋼板製又はステンレス鋼製の外板(キセ)を装備している。 荷役方式は、タンク上部のマンホールからの上入れ、吐出管を用いた下出し方式である。この際タキ8300形には装備されなかった空気流入弁が追加装備された。 車体色はコタキ8350 - コタキ8362が黒色、コタキ8363以降が銀色であり、寸法関係は全長は12,100mm、全幅は2,570mm、全高は3,880mm、台車中心間距離は8,000mm、実容積は29.8m3、自重は18.0t-19.0t、換算両数は積車5.0、空車1.8であり、台車はコタキ8350 - コタキ8358は当初、平軸受・板ばね式のベッテンドルフ台車TR41Cであったが、後にコイルばね式のTR41DS-12に改造されている。コタキ8359 - コタキ8362は平軸受・コイルばね式のTR41E-12、コタキ8363以降はコロ軸受・コイルばね式のTR213Cであった。 1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車がJR貨物に継承され、1995年(平成7年)度末時点では全車健在であったが、2006年(平成18年)6月に最後まで在籍した12両(コタキ8350 - コタキ8359 ,コタキ8361 - コタキ8362)が廃車となり同時に形式消滅となった。
※この「タキ8350形」の解説は、「国鉄タキ8300形貨車」の解説の一部です。
「タキ8350形」を含む「国鉄タキ8300形貨車」の記事については、「国鉄タキ8300形貨車」の概要を参照ください。
- タキ8350形のページへのリンク