ソフト供給形態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 08:19 UTC 版)
「CPシステムIII」の記事における「ソフト供給形態」の解説
本機CPS-3が他機種とは大きく異なる特徴には、ソフトの供給形態とセキュリティに関する仕様にある。CPS-3の構成とゲームの導入手順は以下通り。 ゲームCD-ROM・CD-ROMドライブ CD-ROMにはゲーム本体の内容が暗号化されて格納されている。特殊フォーマットではないので普通にパーソナルコンピュータ (PC) でも読み込むことが可能で、中にはゲームデータや書き替え用画面のビットマップ画像が入っている。CD-ROMドライブは松下寿電子工業製の当時流通していた普通のSCSI対応型でありPCへの流用も可能。 セキュリティ・カートリッジ ゲーム内容を復号するためのチップと、ゲームBIOSが納められている。復号チップはSRAMにバッテリーバックアップで復号鍵を保持する仕様。このCPS-3のセキュリティ・カートリッジは各ゲームごとに用意されており、いかなる種類の改竄にも非常に敏感に反応し、もし試みれば復号鍵は消去されカートリッジは用をなさなくなる。 フラッシュメモリへのゲームデータの書き込み 初期状態のCPS-3へ電源が入れられると、画面中央にCAPCOMのロゴが表示され接続のCD-ROMドライブにCD-ROMをセットするように促される。ドライブ側にCD-ROMをセット後、1Pのショット1を押すと書き込むゲームのタイトルが表示され、CD-ROM側よりゲームデータがSIMMフラッシュメモリへの書き込み作業が始まる。 この間、画面にはデータの書き込みの進行状況のバーが表示され、データの書き込み作業が終わるまでは何もできないが、データ書き込みの進行状況に応じてだんだん画面がモノクロからカラーへと色が付くといった演出がある。なお、データの書き込み時間はゲームによって異なり、『ストリートファイターIII』のデータ書き込みの場合は約20数分の時間を要する。 ゲームの起動 データの書き込み終了後は、書き込まれたデータがセキュリティ・カートリッジ内のチップで復号されゲームが起動する。前述のデータの書き込みは導入時のみ必要な作業であり、SIMM側に書き込まれたデータはそのまま記録され次回の起動時はすぐにゲームが立ち上がり稼働状態となる。なお、SIMM側に書き込まれたデータとセットされたセキュリティ・カートリッジのゲームが違う場合は自動的に書き替えモードへ移行する。 リリース後の評価 CPS-3は人気タイトルはあったものの商業的には成功した部類のシステム基板とは言えず、このシステム用のゲームは全部で6タイトルが制作されただけである。CPS-3には、機械的・電気的な衝撃に弱く故障しやすいという欠点があり、オペレータたちは特にこれを敬遠した。また、セキュリティ・カートリッジ内の電池が切れるとゲームが動作しなくなるうえ、その交換費用を所有者側で負担しなければならなかった。さらに高性能とはいえ2Dグラフィックのみにしか対応しておらず、当時は多くのゲームが3Dポリゴン対応のハードウェアを念頭に開発されていたという背景もあったことからこのような評価になった。また、他のシステム基板と比べても高価であり、CPS-3用のプログラミングはかなり難しかったとも噂されている[要出典]。 サポートの終了 部品調達難に伴い、2015年3月31日(カプコンサービスセンター2015年3月14日到着分)をもって基板自体の修理サポートが終了した。継続されていたセキュリティ・カートリッジの電池交換も、カプコンサービスセンターからセガ・ロジスティクスサービスへのアーケードゲームの修理サポート業務移管に伴い、2019年2月28日(カプコンサービスセンター2019年2月27日到着分)をもって終了した。これに伴い、基板自体が故障したり、セキュリティ・カートリッジの電池が切れた場合は完全に稼働不可となった(セガ・ロジスティクスサービスによるメーカーサポートも受けられない)。
※この「ソフト供給形態」の解説は、「CPシステムIII」の解説の一部です。
「ソフト供給形態」を含む「CPシステムIII」の記事については、「CPシステムIII」の概要を参照ください。
- ソフト供給形態のページへのリンク