書き込み時間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 09:45 UTC 版)
フラッシュメモリはMOSトランジスタのフローティングゲートに電子を出し入れすることによって情報を保持することができる。フローティングゲート内に電子を注入することで、トランジスタの閾値電圧をシフトすることができ、ビットとして記録することができる。例えば、閾値電圧が高い状態か低い状態かを、ビットの0と1に対応することができる。 ビットの状態を変える際には、フローティングゲートに溜まった電荷を一旦排出する必要があり、これは比較的高電圧をゲートに印加することによって行われる。この高電圧は出力までにやや時間のかかるチャージポンプ回路によって供給されている。したがって、通常のフラッシュメモリの(1ブロックの)書き込み時間はおおよそ100 µs程度であり、非常に遅い。例えば、SRAMの(1バイトの)読み込み時間10 nsと比較するとこれは10,000倍の遅さである。 一方、PCMは高速な書き込みが必要な場合にはフラッシュよりもずっと高い性能を示す。これは、メモリの要素がより早くスイッチングし、またフラッシュメモリと異なり1ビットを書き変える前に全てのブロックのデータを消す必要がないからである。PCMは通常のハードディスクの数千倍高速であるので、現在メモリアクセス時間によって性能が制限されている不揮発性メモリの役割を興味深いものに変えるかもしれない。 相変化メモリ(PCM)のスイッチング時間とそのスケーラビリティは非常に魅力的である。最も顕著な欠点は、PCMが温度変化の影響を受けやすいことである。実際に大量生産ラインに組み込む際には、生産プロセスを改良する必要があるだろう。
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