スペリー製ボールターレットとは? わかりやすく解説

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スペリー製ボールターレット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/03 01:21 UTC 版)

ボールターレット」の記事における「スペリー製ボールターレット」の解説

スペリー社とエマソン・エレクトリック社は各々ボールターレット開発したが、機首武装用の銃塔では類似の設計であったエマソン製の球状銃塔開発中止されスペリー製の機首銃塔試験され好評得たが、後の航空機まで実装遅れたスペリー設計胴体下面銃塔広く使用され遠隔人力操作胴体下面銃塔不評であることが判明すると数機種防御武装要求高まりに応じて数社のメーカー製造されるようになった。このボールターレットは、主にB-17 フライングフォートレスとB-24 リベレーターと共にアメリカ海軍リベレーター機PB4Y-1で使用された。B-24の後継機であるコンヴェア B-32では、この胴体下面銃塔タンデム使用され、B-24の最終型機首同じよう機首と機尾にボールターレット装着されていた。 スペリー製ボールターレットは、抗力低減するために非常に小型に作られており、通常搭乗員の中で最も身長の低い者がこれを操作したターレット内部に入るためには銃身直下に向くまでターレット回転させて扉を開け銃手は足をヒールレストに乗せてから身体縮めて所定位置につき、安全ベルト締めてターレットの扉を閉じてロックをかけた。ターレット内部にはパラシュートを置く余地無く、これはターレット上部機内置かれた。少数銃手座面パラシュート装着したターレット内で所定位置についた銃手は、背中と頭を後部隔壁、尻を底部につけ、足を中空上げて前部隔壁にあるフットレスト乗せていた。この姿勢では銃手視線は、銃手両側にほぼターレット全長貫いて設置されている2丁のライトバレル仕様ブローニング AN/M2機関銃とほぼ同じ高さとなった。銃本体のコッキング・レバーは銃手に近すぎる位置にあって容易に操作できなかったので、コッキング・レバーに繋がったケーブルプーリーを介してターレット前部にあるハンドル取り付けられていた。機銃に関するもう一つ重要な要素は、全ての発射不能単なる装填だけで解消できるわけではないという事であった。たいていの場合機銃不発であった時は銃手薬室に手を伸ばして再装填」する必要があったが、狭いターレット内に設置され機銃位置からしてこの動作は非常に制限されていた。通常であれば銃手機銃カバー固定ラッチ外してカバーを垂直位置まで跳ね上げるという動作をしたが、これはボールターレット内では不可であった。これを解決するために機銃カバー前端には「切欠き」が付いており、銃手薬室に手を伸ばして不発解消するために、ラッチ外して機銃カバー薬室の上で数インチだけ動かすことができた。小型弾薬箱キャビン内のターレット上方設置され精巧な給弾装置により残り弾帯ターレット送り込まれた。光像式照準器ターレット天井から銃手両脚の間辺り吊り下がっていた。 ターレット方向制御は、射撃ボタン組み込まれ2つのグリップハンドルで行った左足では光像式照準器射撃距離レティクル調整し右足ではプッシュ・トゥ・トークインターコムスイッチ操作した。このターレット通常電動方向昇降制御行っていたが、緊急の場合ターレット所定位置戻せるようにキャビン内に手動クランクハンドル取り付けられていた。電源供給停止した場合別の搭乗員がこのクランクハンドル使用して銃手出られるようにターレットを垂直位置戻した離着陸時のクリアランス十分に確保されていたがB-17爆撃機A-2型ターレット地上高低く降着装置故障場合考慮して銃手十分な高度に上がるまでターレット内には入らなかった。離着陸時にはターレットの銃は後方向けて水平に上げておかねばならなかった。ターレット銃手出入り時には垂直位置にする必要があり、このため無人状態のターレット位置戻せるように外部制御装置取り付けられていた。 B-24はその首車輪降着装置のためにスペリーA-13ボールターレットの完全引き込み式マウント必須であり、そのため機体接地している状態では収納状態でのクリアランス確保するためにこのターレットは常に機体下面引き込まれていた。

※この「スペリー製ボールターレット」の解説は、「ボールターレット」の解説の一部です。
「スペリー製ボールターレット」を含む「ボールターレット」の記事については、「ボールターレット」の概要を参照ください。

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