ステファヌス版
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中世までの写本に代わり、15世紀-16世紀に西欧で活版印刷が確立・普及すると、ルネサンスの時代背景を追い風に、プラトンの著作も含め、古代・中世の著作物が文献考証を伴いながら様々な印刷工房によって編纂・出版されるようになった。 そんな中で、近代における「プラトン全集」の標準的な底本の地位を獲得したのが、ジュネーヴのアンリ・エティエンヌ(ラテン語名ヘンリクス・ステファヌス)の印刷工房によって、1578年に出版された「プラトン全集」である。これは各ページの左右にギリシア語原文とラテン語訳文の対訳が印刷され、その狭間に10行ごとにA, B, C... とアルファベットが付記されている様式の叢書である。これ以降、プラトンの著作を翻訳する際には、この「ステファヌス版」のページ数と行数(A,B,C...)を付記して対応関係を示すのが約束事になった。この数字は「ステファヌス数」(Stephanus numbers)、「ステファヌス頁付け」(Stephanus pagination)等と呼ばれる。 順番は崩れているが、トラシュロス版の36篇を網羅し、更に、トラシュロスも含め古代の学者たちですら偽作扱いしてきたプラトン名義作品の内、ディオゲネス・ラエルティオスが偽作として名指しした4作品を含む7作品も併せて収録している。 第1部 【2a–16a】『エウテュプロン』(古希: Εὐθύφρων) 【17a–42a】『ソクラテスの弁明』(古希: Ἀπολογία Σωκράτους) 【43a–54e】『クリトン』(古希: Κρίτων) 【57a–118a】『パイドン』(古希: Φαίδων) 【121a–131a】※『テアゲス』 【132a–139a】※『恋敵』 【142a–210d】『テアイテトス』(古希: Θεαίτητος) 【216a–268b】『ソピステス』(古希: Σοφιστής) 【271a–307c】『エウテュデモス』(古希: Εὐθύδημος) 【309a–362a】『プロタゴラス』(古希: Πρωταγόρας) 【363a–376c】『ヒッピアス (小)』(古希: Ιππίας Ελάττων) 【383a–440e】『クラテュロス』(古希: Κρατύλος) 【447a–527e】『ゴルギアス』(古希: Γοργάς) 【530a–542b】『イオン』(古希: Ἴων) 第2部 【11a–67b】『ピレボス』(古希: Φίληβος) 【70a–100b】『メノン』(古希: Mένων) 【103a–135e】※『アルキビアデスI』 【138a–151c】※『アルキビアデスII』 【153a–176d】『カルミデス』(古希: Χαρμίδης) 【178a–201c】『ラケス』(古希: Λάχης) 【203a–223b】『リュシス』(古希: Λύσις) 【225a–232c】※『ヒッパルコス』 【234a–249e】『メネクセノス』(古希: Μενέξενоς) 【257a–311c】『政治家』(古希: Πολιτικός - ポリティコス) 【313a–321d】※『ミノス』 【327a–621d】『国家』(古希: Πολιτεία - ポリテイア)【327a–354c】第1巻 【357a–383c】第2巻 【386a–417b】第3巻 【419a–445e】第4巻 【449a–480a】第5巻 【484a–511e】第6巻 【514a–541b】第7巻 【543a–569c】第8巻 【571a–592b】第9巻 【595a–621d】第10巻 【624a–969d】『法律』(古希: Νόμοι - ノモイ)【624a–650b】第1巻 【652a–674c】第2巻 【676a–702e】第3巻 【704a–724b】第4巻 【726a–747e】第5巻 【751a–785b】第6巻 【788a–824a】第7巻 【828a–850c】第8巻 【853a–882c】第9巻 【884a–910d】第10巻 【913a–938c】第11巻 【941a–969d】第12巻 【973a–992e】※『エピノミス』 第3部 【17a–92c】『ティマイオス』(古希: Τίμαιος περὶ φύσεως) 【106a–121c】『クリティアス』(古希: Κριτίας) 【126a–166c】『パルメニデス』(古希: Παρμενίδης) 【172a–223d】『饗宴』(古希: Συμπόσιον - シュンポシオン) 【227a–279c】『パイドロス』(古希: Φαῖδρος) 【281a–304e】『ヒッピアス (大)』(古希: Ιππίας Μείζων) 【309a–363e】※『書簡集』【309a–310b】第一書簡 【310b–315a】第二書簡 【315a–319e】第三書館 【320a–321c】第四書簡 【321c–322c】第五書簡 【322c–323d】第六書簡 【323d–352a】第七書簡 【352b–357d】第八書簡 【357d–358b】第九書簡 【358b–358c】第十書簡 【358d–359c】第十一書簡 【359c–359e】第十二書簡 【360a–363e】第十三書簡 【364a–372a】※『アクシオコス』 【372a–375d】※『正しさについて』 【376a–379d】※『徳について』 【380a–386b】※『デモドコス』 【387b–391d】※『シシュポス』 【392a–406a】※『エリュクシアス』 【406a–410e】※『クレイトポン』 【411a–416a】※『定義集』 ※偽書、あるいは今日においては真作性に疑義が呈されているもの。
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