シャッターそくどゆうせん‐エーイー〔‐ソクドイウセン‐〕【シャッター速度優先AE】
シャッター速度優先AE
別名:シャッター優先AE,シャッタースピード優先AE
【英】shutter priority AE
シャッター速度優先AEとは、カメラの自動露出(AE)に関するモードのうち、撮影者のシャッター速度に合わせて、カメラが自動的に露出の絞り値を設定するモードのことである。
シャッター速度優先AEで撮影すると、撮影者が撮影対象に合わせてシャッター速度を任意に決定することができる。例えば、高速に移動する物体を撮影する場合にはシャッター速度を速くすれば、対象の輪郭を鮮明に写すことができる。あるいは、水流に対してはシャッター速度を遅くすれば、連続した水の流れを表現することが可能となる。絞り値はシャッター速度に合わせて自動的に調節されるので、適切な露出が保たれる。
なお、通常のカメラでは、シャッタースピードと絞り(レンズを通り抜けてくる光の量)の両方カメラ側で自動的に調整し、最適な状態で撮影されるような仕組みになっている。これによってシャッターボタンを押すだけでも綺麗な写真が撮影できる。プログラムオートと呼ばれる機能も同様の働きをする。
通常、カメラのモードダイヤルにおいてシャッター速度優先AEは「T」や「Tv」の記号で示されている。シャッターボタンを半押しにすると、カメラが適切な絞りを決定する。
シャッター速度優先AE
AEカメラ
(シャッター速度優先AE から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/29 10:16 UTC 版)
AEカメラ(エーイーカメラ)は、露出を自動で行なう機能(英語: Automatic Exposure)をもつ写真機である[1]。絞りやシャッター速度(シャッタースピード)を自動的に制御し、被写体の明度に応じた露光が得られるようにする機能をAE機能(エーイーきのう)と呼ぶ[1]。この種の写真機については、ほかにも、自動露光調節式カメラ(じどうろこうちょうせつしきカメラ)、自動露出カメラ(じどうろしゅつカメラ)とも呼ぶ[1]。当初は、EEカメラ(英語: Electric Eye の略、「電気の眼」の意)と呼ばれた[2]。
- 1 AEカメラとは
- 2 AEカメラの概要
- 3 歴史
- 4 脚注
シャッター速度優先AE
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 17:44 UTC 版)
「AEカメラ」の記事における「シャッター速度優先AE」の解説
世界で初めて実用的なAEを搭載したカメラは1960年(昭和35年)に発売されたオリンパスの24×36mm(ライカ)判レンズシャッター式距離計連動カメラ「オートアイ」である。このカメラはセレン光電池を使用した受光部とシャッター速度リング、フィルム感度ダイヤルに連動した擦動可変抵抗によって露出計を駆動する。レリーズボタンを半押しすると、その力で露出計の針を針押さえと鋸刃状の段カムで挟み込んでメーターの針の位置を読み取る。さらにレリーズボタンを押し込むと絞りが絞り込まれていくが、このとき先述の段カムの位置によって制御される絞りストッパーが動き、適正露出になったところで絞込みにストップをかけ適正露出を得るという仕組みである。1961年(昭和36年)に圧倒的な低価格で販売され一大ブームを巻き起こしたキヤノンの「キヤノネット」も同じ仕組みのシャッター速度優先AEを装備しており、この方式は一般ユーザーの間で瞬く間に普及した。この方式は全機械式連動でシャッター速度優先AEを可能にするほぼ唯一の方法であり、その後あらゆるカメラメーカーで10年以上に渡ってAEカメラ設計の常套手段であり続けた。 シャッターの半押しで自動制御の状態がロック、というユーザインタフェースはまさにこのメカニズムにより自然発生したものであるが、こんにちまで使われている。 後にプログラムAEが普及していくと、シャッター速度優先AEはレンズシャッターカメラ用AEの主役を明け渡したが、いくつかのシャッター速度優先AEのコンパクトカメラが、仕組みもほとんど1960年当時から変えないまま販売され続けた。しかし、1980年代後半に入るとコンパクトカメラのシャッターは電子プログラムAEが常識となり、シャッター速度優先AEはコストや小型化の競争についていけなくなりほぼ姿を消した。
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