シャッター速度と露出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 05:03 UTC 版)
「シャッター速度」の記事における「シャッター速度と露出」の解説
「露出 (写真)」も参照 ある被写体の適正露出はISO感度、絞り、シャッター速度の適切な組み合わせにより実現される。シャッター速度が適正露出に相当するものより速い(露出時間が短い)と露出アンダーとなり、遅い(露出時間が長い)と露出オーバーになる。 適正露出とシャッター速度の関係は以下の通りである。 レンズの絞り値(F値)が一定で、かつ、フィルムや撮像素子の感度が一定であれば、被写体が明るいほど適正露出を実現するシャッター速度は速く、暗いほど遅くなる。 被写体の明るさと感度が一定であれば、絞りが開いている(F値が小さい)ほど適正露出のシャッター速度は速くなり、絞り込む(F値が大きい)ほど遅くなる。この関係を'相反則といい、フィルム撮影の元で長時間露出するなどによる、この関係の崩れを相反則不規‘(露出アンダーになったりやカラーバランスが崩れたりする。)という。デジタルカメラでは長時間露出をすると長秒ノイズが発生し、これを除く処理が行われる。なお、絞りのF値の大きさは被写界深度や小絞りボケと関係する。 被写体の明るさと、絞り値が一定であれば、感度が高いほど適正露出のシャッター速度は速く、感度が低いほどシャッター速度は遅くなる。ただし、一般にフィルムでもデジタルカメラでも感度が上がるほど画質は粗くなる。 ND(減光)フィルターやPL(偏光)フィルター、C-PL(円偏光)フィルターなど減光作用のあるフィルターをレンズに装着すると、適正露出に必要なシャッター速度は遅くなる。このため明るいところでスローシャッターを切ったり、明るすぎてシャッターが下りないときなど、NDフィルターを使用することが適当である。絞りによってもシャッター速度は調節できるが、被写界深度が変化したり、光の回折による小絞りボケなどを考慮に入れる必要がある。なおPLフィルターは回転することにより減光の程度が変化し、また反射に影響するなど特殊な効果を生じるので、この目的に使用するにあたっては考慮する必要がある。 AE(自動露出)カメラにはシャッター速度優先AE、絞り優先AE、プログラムAEなどのモードがある。シャッター速度をコントロールして撮影する場合、シャッター速度優先AEを用いると便利である。希望するシャッター速度に合わせて絞りが自動的に決定され、適正露出で撮影できる。また絞り優先AEで撮影する場合、光量が一定であるとすると、絞りを開く(F値が小さい)ほどシャッター速度は速く、絞り込む(F値が大きい)ほど遅くなる。特に深い被写界深度(パンフォーカス)を狙って大きく絞り込むときは、シャッター速度が遅くなるので、ブレが生じる可能性がある。
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