シシャク王のパレスティナ遠征とは? わかりやすく解説

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シシャク王のパレスティナ遠征

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 14:12 UTC 版)

シェションク1世」の記事における「シシャク王のパレスティナ遠征」の解説

国内安定させたシェションク1世治世後半から、エジプト隣接する中東地域積極的な外交政策展開し同地におけるエジプト威信回復させることに尽力した新王国時代末期エジプト支配下から脱したシリア・パレスティナ地域では、多数新勢力台頭しており、中でも11世紀頃からダビデ・ソロモン両王の下で勢力伸ばしたイスラエル権勢著しかった。だがソロモン専制的統治には不満を抱く者が多くユダヤ民族構成する12部族間でも対立深まっていた。 旧約聖書の記述によればイスラエルの王になると予言を受けソロモン追われるとなったヤロブアムエジプト逃れシシャクという王の庇護受けたシシャク聖書の中で初め個人名記述されパロ(ファラオ)で、研究者多くはこの王をシェションク1世比定している。 ソロモン死後エルサレム王位息子レハブアム渡ったが、12部族内の10部族ダビデ王家の統治に異を唱えて王国から離反しイスラエル南北分裂した。北イスラエル割拠する10部族帰国したヤブロアムを王に擁立し、ここに予言成就された。一連の内紛好機得たシシャクは、イスラエル再度エジプト支配下に置くべく遠征敢行した。 レハブアム治世5年目シシャクユダ王国ベニヤミン族領地侵攻したエルサレム包囲されレハブアム財宝を送ることで市街地への侵入免れた。だがソロモン神殿王宮蹂躙され契約の箱を除く財宝の殆どが略奪された(列王記上1426)。次にシシャクは北イスラエル矛先を向け、ヤロブアムヨルダン地方追いやった。略奪した373トン財宝は、次代オソルコン1世治世最初4年間に、エジプト各地神殿奉納されと言われるシェションク1世ユダヤ侵攻事実は、エジプト側が残した複数史料から確認されている。メギドから出土した石碑断片には、王のカルトゥーシュと共にイスラエル要塞幾つか征服地として記されており、一連の遠征成功裏に終わらせた王が同地建立した記念碑だと見られている。メギドはかつてトトメス3世大勝収めた地であり、そこに碑文残した事には、古の偉大な王の功績にあやかろうとする意図伺える。 カルナック神殿敷地内建立されブバスティス門には、征服した諸外国リストアメン神に捧げるシェションク1世の姿が彫られており、そのリストにはシリア、フィリスティア、フェニキアネゲヴおよびユダヤ北部及び南部地域列挙されている。 最大戦果である筈のエルサレム征服地として言及されていないことから、一部研究者は、聖書シシャク王とシェションク1世別人であるか、エルサレムへの攻撃実際に行われなかったと主張する。しかし、リスト大部分風化によって欠損しており、失われた部位エルサレム記されていた可能性残っている。また、この矛盾解消するための説として、レハブアム都市破壊しないように嘆願した結果征服地のリストから除外されたとする説や、エジプトによる占領一時的なもので、征服地のリスト過去の王たちの征服地域複写した形式的なものに過ぎないとする説などがある。 シェションク1世国内だけでなく、ヌビアパレスティナ地域にも、外交政策補遺として、征服地域詳細なリストを含む記録刻んだ。これらは数世紀ぶりに公式に記録されエジプト国外で軍事行動であり.、カナン地域について言及した唯一の鉄器時代末期文書である。 シェションク1世遠征から帰還した直後或いは数年後没し息子オソルコン1世王位継承した。その墓所未発見だが、出土した葬祭具からタニスブバスティス等、複数候補地挙げられている。

※この「シシャク王のパレスティナ遠征」の解説は、「シェションク1世」の解説の一部です。
「シシャク王のパレスティナ遠征」を含む「シェションク1世」の記事については、「シェションク1世」の概要を参照ください。

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