クリーチャーデザイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 08:15 UTC 版)
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の記事における「クリーチャーデザイン」の解説
コンセプトとして、この世界は彼ら(怪獣)が所有しているのです。どちらかといえば、私たちは外来種であり、私たちは常にそこにいた何者かを再認識しただけに過ぎません。そして、彼らはある意味で古代の神々なのです。最初の神々であり、私たちはクリーチャーの背景により神話的で聖書に近いものを持ち込もうと試みたのです。 マイケル・ドハティ - 怪獣へのアプローチ 本作品では登場する怪獣の総称を「ムートー(英語版)」から「タイタン(巨神)」に変更している。ドハティは怪獣のデザインが神聖な存在感を放ち、崇拝の意識を呼び起こすことを求めていた。彼はデザイナーに各年代の怪獣のオリジナルデザインを見せ、「シルエットと特徴を現代的なものにする」ように指示した。彼は怪獣が単なるモンスターではなく「明確な思考プロセスを持つ巨大生物」であることに重要な意味を見出していた。 ドハティはゴジラを「神であるゴジラ」に描こうとした。彼は『GODZILLA ゴジラ』でエドワーズとマット・アルソップがデザインしたゴジラを気に入っていたものの、本作のゴジラのデザインでは背びれを1954年版のものに変更し、さらにゴジラがより強大な捕食者に見えるように爪と足を大きくデザインした。サウンドチームに対してはゴジラの咆哮を1954年版の咆哮に近付けるように指示しており、「最初の映画で、彼らはゴジラの咆哮について素晴らしい仕事をしたと思っています。私はそれを1954年版のオリジナルに近付けるためにもう少し推し進めたのです」と語っている。 ラドンは火山の内部で生息できるように、火山岩の要素が皮膚のデザインに追加されている。ドハティはラドンのデザインについて、「母なる自然が創造したもの」に似せることを望んでいた。デザイナーにはプテラノドンの他にハゲタカ、ワシ、タカなどの鳥を研究するように指示している。彼はラドンを「スピードと獰猛さ」を持つ「巨大な原子爆弾」と表現している。ラドンのデザインはトム・ウッドラフ・Jr(英語版)とアマルガメティッド・ダイナミクス(英語版)が手掛けている。 モスラのデザインについて、ドハティは「美しく女性的、エレガントで真の女神のように見えるが、危険な存在にも見える」ことを望んでいた。また、彼は1961年版のデザインに忠実であろうとし、羽の眼状紋を維持しようとした。この眼状紋はモスラとゴジラを関連付けるため、ゴジラの目に似せてデザインされている。一方、本作品のモスラは本物の蛾を意識しており、別の属性を持つ他の怪獣から身を守るための長い鎌足がデザインされている。彼は様々な蛾を研究した結果、その外見が「恐怖」と「捕食性」の要素があることを発見し、モスラはリアリズムに徹したデザインにすることを決めた。彼はモスラが最もデザインに難航したと語っており、デザインはレガシー・エフェクツが手掛けている。 キングギドラのデザインについて、ドハティは「ユニーク」なデザインにすることを望み、本作品のキングギドラが過去作をリスペクトするデザインにするため、東宝と密接に連絡を取り合った。3つの頭部にはそれぞれ個性が与えられ、中央の頭部がリーダーであり、他の2つの頭部を従えている。ドハティはリアリズムを追求するため様々な動物の動きを研究し、特にキングコブラの動きを参考にしている。彼はデザインチームに対して、キングギドラは東洋の龍のイメージを維持し、西洋のドラゴンの影響を排除するように指示しており、「彼ら(キングギドラ)は、伝統的な西洋のドラゴンではありません。初めからそのように指示を出していました……私たちは『ゲーム・オブ・スローンズ』のドラゴンのように見えることは望んでいませんでした」と語っている。キングギドラのデザインはレガシー・エフェクツが手掛けており、アレックス・ガルシアはキングギドラについて「自然の摂理に従った存在ではない」と語っている。 ドハティは東宝怪獣以外の新怪獣が登場することを明かしており、2019年3月に新怪獣の名称が「バフォメット」「タイフーン」「アバドン」「バニップ」「メトシェラ」であることが発表された。 東宝怪獣の鳴き声はオリジナルの音源や蛇、トカゲ、蜘蛛などの鳴き声を録音して「現代の作風に合うような音」に作られている。キャストが怪獣から逃げ回ったり反応するシーンでは、撮影セットに巨大なスピーカーを設置し、昭和時代の怪獣の咆哮を流して撮影を行った。
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