キロボ
東京大学、ロボ・ガレージ、電通、トヨタなどのグループにより開発された、世界初の「ロボット宇宙飛行士」。身長は約34センチメートル、体重は約1キログラムである。
キロボには、人間と会話するために必要な音声認識、顔認識、人工音声合成などの機能が備わっており、無重力環境で正常に動作するように設計されている。キロボのようなロボット宇宙飛行士には、人間の宇宙飛行士とコミュニケーションをとって精神面をサポートする役割や、管制室と通信を行い作業手順を説明するなどして、人間の宇宙飛行士の作業の正確性や効率性を高める役割などが期待されている。
キロボは、2013年8月に「こうのとり」4号に「搭乗」して国際宇宙ステーションに向かい、12月には宇宙飛行士の若田光一と会話実験を行った。
なお、「キロボ」の名称は公募によって決定された。キロボと同型の地上で活動を行うロボットは、同じく公募により、「ミラタ(MIRATA)」と命名されている。
関連サイト:
きぼうロボットプロジェクト
キロボ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/01 02:05 UTC 版)
キロボ(KIROBO)とは、東京大学先端科学技術研究センターとロボ・ガレージ(高橋智隆)、トヨタ自動車、電通が中心となって開発された、日本語で会話が可能な小型の人型ロボットである。
概要
2013年8月4日に、人類初[1]のロボット宇宙飛行士としてH-IIBロケット4号機で打ち上げられたこうのとり4号機に積載されて国際宇宙ステーション (ISS) に運ばれ、ISS内で若田光一飛行士との会話を行う[2]。
2013年8月10日にISSへ到着し、同年8月21日には日本実験棟「きぼう」で起動と発声に成功した[3]。第1声はニール・アームストロングを真似て、「2013年8月21日、未来の希望へ、ロボットの第1歩です」(日本語)だった[4][5]。同年12月6日には、若田飛行士と会話実験を行った[6]。
実験終了後しばらく保管されていたが、2015年2月11日にドラゴン宇宙船の5号機(SpX-5)で回収され、地球に帰還した[7]。 2015年3月27日付けで、「地上から一番高い場所で対話をしたロボット」(高度414.2km)と「初めて宇宙に行った寄り添いロボット」として、2つのギネス世界記録に認定された[3]。「キロボ」という名前は、「ミラタ」とともに公募されて決まった。
諸元
以下は「ROBO GARAGE」内の紹介ページ[8]より。
- 大きさ:身長約34cm×全幅約18cm×奥行き約15cm
- 重量:約1,000g
- 発話言語:日本語
関連製品
- 「KIROBO mini」(キロボミニ)
- トヨタの会話ロボット。座高10cm、体重183g。脚にはサーボは無く二足歩行はできないが、首や腕は動くようになっている[9]。
関連項目
- ISSで活動したロボット
- Int-Ball(正式名称:JEM自律移動型船内カメラ)
- サイモン (ロボット) - 国際宇宙ステーション(ISS)で使用される頭部型のAIロボット。宇宙飛行士のストレス軽減と作業効率向上を目的としている[10]。
- ロボノート2
脚注
- ^ 人類初は日本の報道での表現。ISSには他にロボノート(NASA)もある
- ^ 日本生まれ、人類初のロボット宇宙飛行士「キロボ」に世界が注目 | NewSphere(ニュースフィア)
- ^ a b “ロボット・キロボが宇宙空間で達成したギネス世界記録By guinnessworldrecordsnews発行済み 2015年3月27日”. ギネスワールドレコーズジャパン. 2015年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月16日閲覧。
- ^ 「キロボ」が宇宙で第一声 - 社会ニュース : nikkansports.com[リンク切れ]
- ^ ロボット宇宙飛行士「KIROBO」、ISSから第一声 AFPBB 2013-9-5配信
- ^ 若田さんと宇宙ロボット「キロボ」、ISSで会話実験に成功 ロイター 2013年12月20日
- ^ “ロボット宇宙飛行士「KIROBO」、地球帰還へ”. 電通. (2015年2月10日) 2015年2月11日閲覧。
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: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ “ROBO GARAGE|ロボ・ガレージ|KIROBO/MIRATA キロボ/ミラタ”. ロボ・ガレージ. 2013年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月16日閲覧。
- ^ “トヨタの会話ロボット「KIROBO mini」(キロボ ミニ)の秘密 ~じっくり見てきた~特長としくみ、技術仕様のまとめ”. ロボットスタート (2016年10月11日). 2016年12月23日閲覧。
- ^ “宇宙飛行士の作業をサポートし話し相手にもなってくれる球形ロボット「Cimon」のISSでのデモはこんな感じ”. GIGAZINE (2018年12月3日). 2025年6月30日閲覧。
外部リンク
- きぼうロボットプロジェクト
- “ROBO GARAGE|ロボ・ガレージ|KIROBO/MIRATA キロボ/ミラタ”. ロボ・ガレージ. 2013年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月16日閲覧。
キロボ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/04 04:14 UTC 版)
キロボは2013年8月10日にISSへ到着し、同年8月21日には日本実験棟「きぼう」で起動(日本・トヨタ自動車/東京大学先端科学技術研究センター)。人類初のロボット宇宙飛行士としてこうのとり4号機に積載されて国際宇宙ステーション(ISS)に運ばれ、ISS内で若田光一飛行士との会話を行った。 実験終了後しばらく保管されていたが、2015年2月11日にドラゴン宇宙船の5号機(SpX-5)で回収され、地球に帰還した。 「地上から一番高い場所で対話をしたロボット」と「初めて宇宙に行った寄り添いロボット」として、2つのギネス世界記録に認定された。
※この「キロボ」の解説は、「ロボノート」の解説の一部です。
「キロボ」を含む「ロボノート」の記事については、「ロボノート」の概要を参照ください。
「キロボ」の例文・使い方・用例・文例
- キロボルトという,電圧および電位の単位
- キロボルトアンペアという,皮相電力の単位
- 今年,2メガワットの風力発電機1基と66キロボルトの変電所1基が福島沿岸の20~40キロ沖に設置される予定だ。
- このロボット「キロボ」は,広告代理店の電(でん)通(つう),東京大学先端科学技術研究センター,ロボット開発企業のロボ・ガレージとトヨタ自動車により共同開発された。
- 実験では,キロボは若田さんの質問に対して流(りゅう)暢(ちょう)に答えた。
- 「キロボくん,もう無重力に慣れたかな?」「もう慣れたよ。全然平気。」
- 若田さんが,キロボは世界で初めて宇宙で会話したロボット宇宙飛行士だと言うと,キロボは「ボクにとっては小さな一歩だけど,ロボットにとっては大きな一歩なのです!」と応じた。
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