ガンプラの種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 01:33 UTC 版)
通常プラモデルはプラスチック用接着剤でパーツを接着し塗料で塗装して組み立てるが、ガンプラでは1988年以降、基本的に接着や塗装をせずに組み立てても設定色に彩られた完成イメージになるよう設計されている。接着剤を用いずに組み立てられる「スナップフィット」や、色分け済みパーツ「いろプラ」などの採用で、プラモデルの組み立てに慣れていないユーザーや若年層への浸透を図り、古くからのファンにはマスターグレード(MG)等の高価格帯の製品を用意する販売戦略をとっている。高価格帯モデルにもスナップフィットは採用されており、接着剤や塗料などを利用してより高度な仕上げを行うことも可能。『逆襲のシャア』以降のシリーズでは関節の一部にビスを使って固定する方式が採用された。塗装用として、各キットごとに必要な調色を施した「ガンダムカラー」や、低年齢層・部分塗装向けのペン型「ガンダムマーカー」といった塗料がGSIクレオスより発売されている。 ガンプラの主な縮尺は3つで、設定上の頭頂高が18メートルのRX-78ガンダムの場合、以下のように換算される。 1/144 - 約12.5センチメートル 1/100 - 約18センチメートル 1/600 - 約30センチメートル 前述の通り、最初に登場した1/144の縮尺は、第1弾のガンダムがパッケージに合わせて計算したら偶然にも国際スケールと合致していたため採用されたもの。『機動戦士ガンダム』当時のアニメモデルは、パッケージの大きさに合わせてスケールが前後し統一されていなかったが、スケールの統一はガンプラのヒットの要因の一つとなった。またこれらのサイズの分類にはその後それぞれ、HGUC(ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー)、MG(マスターグレード)、PG(パーフェクトグレード)シリーズという高価格バージョンも商品化されることとなった。 架空の存在であるモビルスーツには実物が存在しないため、縮尺またはシリーズごとに部分ごとのデザインの解釈が異なるケースがある。多くの種類のキットが発売されているRX-78-2 ガンダムの場合、通常発売されているキットだけでも下記の種類がある。 旧キット - 1/144、1/100、1/60、1/72メカニックモデル。 MSV(モビルスーツバリエーション) - ガンダムフルアーマータイプとパーフェクトガンダムの増加装甲を未装着にしたもの HG(ハイグレード)(絶版) MG(マスターグレード) - Ver1.0、Ver1.5、Ver.Ka、パーフェクトガンダムの素体、Ver.ONE YEAR WAR 0079、Ver2.0、Ver3.0、GUNDAM THE ORIGIN版 PG(パーフェクトグレード) FG(ファーストグレード) HGUC(ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー)No.021、-REVIVE-No.191、エコプラ スピードグレードコレクション HG Ver.G30th メガサイズモデル RG(リアルグレード) HG 1/144 ガンダム G40(Industrial Design Ver.) HG RX-78-2ガンダム[BEYOND GLOBAL] PG UNLEASHED RX-78-2 ガンダム EG RX-78-2 ガンダム また、RX-78の場合はMG(マスターグレード)以降のモデルでそれぞれ細部のデザインが異なっている。もともとアニメの作画において、アニメーターはモビルスーツの関節をまるでゴムでできた部品が柔軟に変形するようにデフォルメして描いていた。そのため、モデラーが名シーンのジオラマを作る際には、プラ板やパテなどを用いて関節部をアニメの描写に合わせて改造しポーズの固定を行う。しかしプラモデルを動かして遊ぶ上でそうもいかない場合もあり、まして3DCGを用いたゲームソフトにモビルスーツが登場するようになると、ポリゴンモデル化したモビルスーツが「金属で出来た機械として」自然に動くようにしなければならない。こういった事情によって、RX-78-2 ガンダムなど初期の作品に登場したモビルスーツのデザインには、一体型だった腰パーツが6つに分割される等、大幅なアレンジが施されるようになっている。MGアッガイのように、イラストの中だけであったいわゆる「体育座り」を実現させるために、立った状態を一見しただけではわからない様々な仕掛けを関節部に隠しているものもある。
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