カロリー理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 14:59 UTC 版)
身体が1日に消費するエネルギー量は、その人の体格や運動量によってひとりひとり異なっており、その量は《基礎代謝量》と《身体活動レベル》を用いて概算できる。 自分の《基礎代謝量》に関しては「基礎代謝」を参照。 《身体活動レベル》については、次の表の右側を見て、左側から該当の数値を見つける。 身体活動レベル活動レベル身体活動レベル生活パターン低い 1.50 生活の大部分で座っており(=座位)、(静的な活動が中心の場合 普通 1.75 座位中心の生活だが、仕事で立ったりすることもあり、あるいは通勤、買い物、家事、軽いスポーツをすることが含まれる場合 高い 2.00 仕事で移動することや立っていることが多い場合。あるいは日常的にスポーツや活発な活動を行う習慣がある場合。 次の式が成り立つ。 一日の基礎代謝量(kcal) × 身体活動レベル = 一日に消費されるカロリー 例えば年齢が30代で基礎代謝量が1,140kcalの女性で、通勤してデスクワーク中心の仕事をしている人(=身体活動レベルが普通、つまり数値が1.75)の女性ならば 一日に身体が消費するカロリーは、1,140(kcal) x 1.75 = 1995(kcal) となる。 口から入るカロリー < 身体が消費するカロリー この不等式を成立させるためのポイントは「食事の制限」と「運動の実行」である。左辺を小さくするために「食事の制限」を行い、右辺を大きくするために「運動を実行」する。 食事の制限:ビタミンやミネラルは摂取し食品のバランスは保ち健康に配慮しつつ、総カロリーを抑える食事制限(ダイエット)を行い、口から入るカロリーを制限する。 運動の実行:運動(散歩、家事、身体を使った仕事、エクササイズ、筋力トレーニング 等々等々)を実行することによって消費カロリーを増やす。 と、されるが、実際のところ、このカロリー理論には何の根拠も無い。後述のとおり、「『食べる量を減らして運動量を増やす』は、「体重を減らす」という点においても、「病気を防ぐ」という点においても、「何の効果も無い」という結果が次々に出ている。 「カロリー」を体重の増減に絡めて初めて提唱したのはドイツ人の内科医カール・フォン・ノールデン(Carl von Noorden)であり、彼が1907年に英語で発表した『Metabolism and Practical Medicine』(『代謝と実践医療』)の第3章『Obesity』(『肥満』)の中で、 「The ingestion of a quantity of food greater than that required by the body leads to an accumulation of fat, and to obesity should the disproportion continued over a considerable period.」(「身体が必要としている以上の量の食べ物を摂取することが脂肪の蓄積をもたらし、その不均衡が長期に亘って続くと、肥満になるはずである」) と記述している。その後、このノールデンの主張は、体重を制御する方法やダイエットについて伝授する人間がほぼ必ずと言っていいほど口にするようになった。ノールデンによるこの著作物は、インターネットでも読むことが可能。 「ヒトは消費する以上に多くのカロリーを摂取するから太るのである」という考え方を概念や理論として広めた人物の元祖はノールデンということになる。
※この「カロリー理論」の解説は、「痩身」の解説の一部です。
「カロリー理論」を含む「痩身」の記事については、「痩身」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書からカロリー理論を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- カロリー理論のページへのリンク