アロステリック調節
酵素において、活性部位以外の別の場所に、特異的に物質を結合する機能を持ち、この部位に物質の結合が行われると構造変化が起こって機能が変化する現象。そのような酵素をアロステリック酵素といい、特殊例だと思われていたがむしろ一般的で、反応速度定数が基質・産物依存的に変化する。
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アロステリック効果
(アロステリック調節 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/11 23:45 UTC 版)
アロステリック効果(アロステリックこうか)または協同効果(きょうどうこうか)とは、蛋白質の機能が他の化合物(制御物質、エフェクター)によって調節されることを言う。主に酵素反応に関して用いられる用語であるが、近年、G蛋白質共役受容体 (GPCR) を中心とする受容体蛋白質の活性化制御において、アロステリック効果を示す化学物質 (アロステリックモジュレーター、アロステリック調節因子) の存在が知られるようになってきた。
- 1 アロステリック効果とは
- 2 アロステリック効果の概要
- 3 アロステリック制御
- 4 協奏モデル
- 5 エフェクターのタイプ
アロステリック調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 07:54 UTC 版)
「ラクトースオペロン」の記事における「アロステリック調節」の解説
負の制御を担うlac リプレッサーはアロステリック調節 allosteric regulation を受け、一部のβ-ガラクトシドが結合することでオペレーターから離れる。その一つのアロラクトース allolactose はラクトースの異性体で、ラクトースのグルコースとガラクトースの結合がβ-1,4結合に対して、β-1,6結合である。ラクトースの異性化によって生じる。ほかにもイソプロピルチオガラクトシド isopropylthiogalactoside:IPTG なども誘導物質である。これらはリプレッサーの大きいドメインの中央部に結合し、構造変化を引き起こす。2つの単量体の各DNA結合ドメインによる結びつきが変化し、2つが同時に結合できなくなってしまう。これにより、オペレーターへの親和性は著しく下がる。 lac リプレッサー存在下でlacZYA は抑制されているが、負の制御は完全ではない。低い濃度ではあるがβ-ガラクトシダーゼとラクトースパーミアーゼは常に細胞内に存在する。細胞あたりのlacリプレッサーLacIは10個だけであり、#lac リプレッサーで紹介した優秀な探索法があるとはいえ、オペレーターを発見するまでの短い間に1回だけ転写されてしまうためだ。このごく低頻度の転写をエスケープ合成 escape synthesis という。さらに、オペロンが転写されればされるほどその数は増すうえに。負の制御の解除は雪だるま式に進む。 ラクトースオペロンのmRNAが現れてから最初の酵素分子が完成するまでには2分の時間が要る。各量が最高値に達するのにも差はあり、mRNA出現からラクトースオペロン由来の酵素合成には時間的隔たりがあるといえる。このため、誘導物質が取り除かれるとmRNAは速やかに分解されるが、それで酵素の合成は直ちに止まってしまう。しかし、β-ガラクトシダーゼは残るので、酵素活性は誘導時のレベルのまま長く続く。
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アロステリック調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 05:34 UTC 版)
P2X受容体のATPに対する感度は細胞外のpHや重金属(亜鉛やカルシウム)の存在に強い影響を受ける。例えば、P2X1受容体、P2X3受容体、P2X4受容体のATP感受性は細胞外pHが7未満では弱く、P2X2受容体の感受性は著しく亢進する。その一方、亜鉛イオンはP2X2、P2X3、P2X4のATP誘導性イオン流を増強し、P2X1については阻害する。pHや重金属イオンのP2X受容体へのアロステリック効果は、細胞外ドメインのヒスチジン側鎖が授与している。P2X4受容体は他のP2X受容体とは対照的に、大環状ラクトンであるイベルメクチンに大きく影響される。イベルメクチンはATP存在時のP2X4チャネル開口の確率を上昇させて、ATP誘導性イオン流を増強し、脂質二重膜の内側から膜貫通ドメインに相互作用している様に見える。
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