作動物質との相互作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 05:22 UTC 版)
「アロステリック調節因子」の記事における「作動物質との相互作用」の解説
部分作動物質および完全作動物質の親和性のみを増加させる調節因子は、より低い作動物質濃度でより早く有効性の最大値に到達させる。即ち、用量反応曲線の上り坂と最大値到達点が低濃度にシフトする。 有効性を増強する調節因子は、部分作動物質の最大効力を上昇させる。完全作動物質の場合は既に受容体を完全に活性化しているので、調節因子は最大効力には影響しないが、反応曲線を低濃度側に多少シフトさせる。 作動物質濃度[Ago]に対する受容体反応率(%)のグラフ PAMは、親和性を高める場合は初期の応答曲線(実線)を低濃度側にシフトさせ、また、有効性を高める場合は最大応答を増加させる。破線の曲線は、PAM添加後に取り得る曲線の内の2つの例である。矢印は、曲線のシフトのおおよその方向を示している。 PAM作動物質は、PAMと同様の働きをするが、それ自体が作動物質である。その為、修飾する作動物質の濃度が極めて低くとも反応を引き起こす事が出来る。 PAM阻害物質は、作動物質の親和性を高めてその曲線を低濃度側にシフトさせるが、阻害物質として働く為、最大反応を低下させる。 NAMは、親和性を低下させる場合は応答曲線を高濃度側にシフトさせ、また、有効性を低下させる場合は最大応答を低下させる。PAMと比較すると、NAMの効果は逆となる。 NAM作動物質は、NAMと同様に作用するが、それ自体が作動物質である。その為、調節する作動物質の濃度が低い領域で反応を引き起こす。
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