まったく【全く】
読み方:まったく
1 完全にその状態になっているさま。すっかり。「—新しい企画」「回復の希望は—絶たれた」
2 打消しの語を伴って、完全な否定の意を表す。決して。全然。「彼は事件とは—関係がない」「—話にならない」
3 ある事実・判断を強調する気持ちを表す。本当に。実に。「今日は—寒い」「—けしからん話だ」「—君の言う通りだよ」
4 (「まったくだ」「まったくです」などの形で)話し言葉で、相手の言葉を受けて、それを強く肯定または否定する意を表す。「『腹が立つといったら、殴りたい気分だよ』『—だね』(肯定)」「『旅行の準備はできたかね』『—ですよ』(否定)」
5 (「まったくの」の形で)話題になっていることについて、その通りの、文字通りの、嘘偽りなしなどの意を表す。「抜けているといったら、—の抜け作さ」「料理については—の素人だ」
まったく
まったく
出典:『Wiktionary』 (2021/12/10 14:33 UTC 版)
語源
副詞
- すっかり。完全に。
- (打消しの表現と呼応し、打消しの度合いを強調)少しも、全然、まるで。
- (評価について消極的表現と呼応し、消極の度合いを強調)全然。
- まったくだめだ。
- (評価の方向性と無関係にその度合いを強調)たいへん、全然。実に。本当に。間違いなく。
- めの前もくらむやうに急ぎました。あんまり急ぎすぎたのでそれはながくつゞきませんでした。雪がまったくひどくなって来た方も行く方もまるで見えず二人のからだもまっ白になりました。そして楢夫が泣いていきなり一郎にしがみつきました。(宮沢賢治 『ひかりの素足』)
- 彼の横顔を恍惚(ほれぼれ)と遙(はるか)に見入りたりしが、遂(つひ)に思堪(おもひた)へざらんやうに呻(うめ)き出(いだ)せり。「好(い)い、好い、全く好い! 馬士(まご)にも衣裳(いしよう)と謂(い)ふけれど、美(うつくし)いのは衣裳には及ばんね。物それ自(みづか)らが美いのだもの、着物などはどうでも可(い)い、実は何も着てをらんでも可い」(尾崎紅葉『金色夜叉』1897年)
- それはまったく素晴らしいことです。
- まったく、よくやってくれたよ。(認めたくは無いが、現実として起こっているニュアンス)
用法
- 強調の用法としては、「全然」「まるで」「てんで」同様、打消しの表現に伴うものが正しいものとされる、それに引き続き消極表現に関する用法がしばしば見られるようになり、それが、単なる強調の表現となる。後者によるほど、誤用との印象をもたれがちとなる。ただし、「まったく」の場合、「実に」の意味で用いられる場合は、元来、打消し表現と無関係である。
関連語
感動詞
語源
類義語
「まったく」の例文・使い方・用例・文例
- まったくばかげたこと
- 君の考えはまったくばかげている
- まったく君の言うとおりだ
- 私たちの出会いはまったくの偶然でした
- あなたとまったく同意見です
- あなたの判断にまったく賛成です
- 君がいなければ僕はまったく独りぼっちになってしまう
- この国は以前に私が住んでいた国とはまったく違う
- 理解することと信じることはまったく別のことだ
- それはまったく別のことだ
- 彼は教授らしいところがまったくない
- 彼らの考え方はまったくかけ離れている
- まったくのたわごと
- スージーはウエートレスとしてはまったくだめだった
- 君がこの授業に合格するかどうかについては,まったく,あなたの実績と試験の点による
- その数学の問題にはまったく途方に暮れた
- お金が関与すると,状況はまったく違ってくる
- 戦争がどれほどひどいものか私にはまったく想像もできない
- まったくの偶然で
- 明日は雨ということでしたよね.まったくひどいですね
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