ご査収
別表記:御査収
「ご査収」とは、ビジネスシーンで「念のため、不備や内容の誤りがないことを確認して、その上で受け取ってください」という意味で用いられる丁寧な表現である。「査収」は「調べて受け取る」という意味である。
「ご査収」は、相手方に書類や資料などを送る際に言い添える定型的表現として用いられる。具体的には「ご査収ください」「ご査収ねがいます」「ご査収の程よろしくお願いいたします」といった言い回しの中で用いられる。
「ご」「査」「収」の意味
「ご査収」の「ご」は名詞につく丁寧表現である。漢字で「御」と書くがひらがな表記で用いられることが多い。査収の「査」には、「調べる」という意味がある。検査、調査、捜査、監査、査察、査閲、といった表現に用いられる。
査収の「収」には、「しまう」「受け取る」「手に入れる」という意味がある。収得、収益、回収、徴収、領収、などの表現に用いられている。
「ご査収ください」と「ご確認ください」の違い
「査収」は「内容をよく調べた上で受け取ること」である。
「確認」は「内容をよく調べてはっきりさせること」である。
「査収」はどちらかといえば「受け取る」という意味合いが大きい。「確認」には「受け取る」という意味合いを特に含まない。そのため、文脈によっては「内容を確認した後の行動(受領するのか、返却するのか、他の者へ回すのか等)」が不明瞭になる可能性がある。
確認した上で先方が受け取る、という流れが既に明確であるなら、「ご査収ください」を「ご確認ください」と置き換えても、何ら問題ない。
「ご査収」と「ご検収」の違い
「ご査収」に意味や使いどころが似た表現としては「ご確認」の他に「ご検収」なども挙げられる。「検収」は、納品物が発注内容通りであるかどうか、品質に問題ないかなどを確認する作業や工程のことである。つまり「検収」は商取引における納品の場面で用いられる表現である。
「査収」は、依頼主の発注物を納品する場合に限らず、単に提案書や参考資料を送付する際、会議資料や履歴書などを送付する際など、単に相手方に対して「受け取ってください」「確認してください」という依頼を丁寧に伝えたい際に幅広く用いられる。
「ご査収」を使った例文・表現例
- 先ほど御見積書を送付致しましたので、ご査収のほどよろしくお願い致します。
- 本日ご覧いただいたファイルを改めて添付致しますので、ご査収下さい。
- 先日お問い合わせ頂いた製品のカタログ資料を郵送致しました。ご査収頂けると幸いです。
- 私の履歴書と職務経歴書を送付致しますので、ご査収のほどよろしくお願い致します。
なお、「ご査収」という表現を用いる場合、通常は「見積書」「請求書」「履歴書」「議事録」「会議資料」「提案資料」「契約書のドラフト」「招待状」「郵送した紙のカタログ」などといった文書類やファイル類に対して用いるのが一般的である。逆に、こちら側が相手方に送付したハガキや手紙、菓子折りや商品などに対して用いられることは一般的ではなく、例えばお歳暮などの「添え状」の文章であれば「ご査収頂ければ幸いです」ではなく「ご笑納いただければ幸いです」などと記載するのが一般的である。
ご査収
「ご査収」とは、よく確認して受け取ることを意味する表現。
「ご査収」とは・「ご査収」の意味
「ご査収」とは、よく調べて確認した上で受け取ることを意味する表現。相手の行為である査収に「ご」を付けている尊敬語であり、「ご査収ください」のように、添付資料の確認を依頼するビジネスメールなどで使用する。確認を依頼する資料としては、企画書や見積書、請求書、契約書などがあり、金額や数量などを相手にも了承してもらう意味で使用する。言い回しとしては「ご確認ください」にも似ているが、漢字に「査(確認する)収(受け取る)」の意味があるため、お金に関わる事項などについて「収受する」「領収する」ことをお願いする意味合いが含まれる。「ご査収」への返信
「ご査収ください」という文書を受け取ったとき、受け取ったことを言い表す返信としては、「拝受しました」「受領しました」「領収しました」「受理しました」のような表現がある。自分の行為について「査収しました」のようには使用しない。
「ご査収」に近い表現
「ご査収」に近い表現に「ご確認ください」がある。「ご査収ください」が「確認の上で受け取ってください」という意味であるのに対して、こちらは確認のみを依頼する表現となる。また目上の人に対しては「ご高覧ください」「お目通しください」のような言い方があるが、こちらも確認のみをお願いする表現で「弊社のパンフレットをお送りいたしますので、ご高覧ください」「会議資料を送付いたしましたので、事前にお目通しのほどお願い申し上げます」のように使用する。さらに「ご検収ください」も似た表現であるが、こちらは資料などではなく実際の商品やサービスを納品して、間違いがないか確認を依頼するときに使用する。
「ご査収」の熟語・言い回し
ご査収のほどよろしくお願いいたしますとは
ご査収のほどよろしくお願いいたしますとは、「よく確認した上で受け取ってください」ということをお願いする表現である。「ご査収願います」よりは丁寧な表現となる。
ご査収のほどよろしくお願い申し上げますとは
ご査収のほどよろしくお願いいたしますとは、「よく調べた上で受け取ってもらう」ことをお願いする表現である。取引先など社外とのやり取りにはこういった表現のほうが望ましい。一方で「ご査収ください」「ご査収願います」などはややくだけており、社内での近しいやり取りに使用するような表現である。
査収くださいとは
査収くださいとは、「よく目を通した上で受領してください」という意味の表現である。ご査収の「ご」が付いていない使い方であることや、査収という固い言葉を使いながらも短くくだけた言い回しになっていることに、状況によっては気持ち悪いという印象を持つ人もいる。
どうぞご査収下さいとは
どうぞご査収下さいとは、「どうか、なにとぞ確認して受け取ってほしい」ということを示す表現である。「どうぞ」は金品を受け取ってもらうときや、来客を案内するときに使用する丁寧な表現であり、単純に契約等において資料を確認してもらいたい意図とはやや違ったニュアンスにもなる。
ぜひご査収くださいとは
ぜひご査収くださいとは、強い語気を込めて「ぜひともよく目を通して領収してください」ということを示す表現である。「ご査収ください」には認識の相違や資料の内容を相手に確認してもらう意味があるので、「ぜひ、何としても」と強調するのは、ずれているケースもある。
ご査収願いますとは
ご査収願いますとは、「確認して受け取ってください」ということを示す表現である。「議事録を作成しましたのでご査収願います」「ご依頼いただいていた見積書を作成しました。恐縮ですが、ご査収願います。」のように使用する。
「ご査収」の使い方・例文
資料を送付して、内容の確認を依頼する際は「以下のリリース資料を添付致しましたので、宜しくご査収願います」「人事異動の件で資料を配布させていただきますので、ご査収賜りますようお願い申し上げます」のように使用する。郵便物について文書を添える際は、「請求書を同封致しましたので、ご査収くださいますようお願い申し上げます」「契約書を同封しておりますので、ご査収の程宜しくお願い致します」「新商品のサンプルを郵送いたしますので、ご査収願います」「景品をお送りさせていただきますので、どうぞご査収くださいませ」のように表現する。
「ご査収」は、先方から依頼のあった内容について資料を送付する場合にもよく用いる。「先日ご依頼いただきました企画内容をまとめました。ご査収の程、よろしくお願い申し上げます」「ご依頼いただいたデータを添付資料にまとめております。ご査収くださいますよう、お願いいたします」のように表現する。
資料などを訂正して再送付する場合は、「訂正しましたデータ一式を送付いたします。ご査収のほどよろしくお願いいたします」「見積書を訂正の上同封しますので、ご査収くださいますようお願い申し上げます」のように使用する。
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