お伊勢講とは? わかりやすく解説

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お伊勢講

読み方:おいせこう

名詞伊勢講」に、接頭辞「お」がついたもの。
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お伊勢講

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 00:40 UTC 版)

お蔭参り」の記事における「お伊勢講」の解説

しかし、制度上は誰でも伊勢神宮参詣の旅に行くことは可能だったとはいえ当時庶民にとっては伊勢までの旅費は相当な負担であった日常生活ではそれだけ大金用意するのは困難である。そこで生み出されたのが「お伊勢講」という仕組みである。「講」の所属者定期的に集まってお金出し合い、それらを合計して代表者旅費とする。誰が代表者になるかは「くじ引き」で決められる仕組みだが、当たった者は次回からくじを引く権利失われたり、数回一度は講員全員参詣する総参りが行われるなど、「講」の所属者全員いつかは参詣できるように各講ごとに配慮されていたようである。くじ引き結果選ばれた者は「講」の代表者として伊勢旅立つことになる。旅の時期は、農閑期利用される。なお、「講」の代表者道中安全のため二、三程度の組で行くのが通常であった。 なお、近世における伊勢講は、村役人取り仕切り伊勢参宮のための積立費用支出公的な支出記した帳面記されるなど、参宮目指す者の個人的な寄り合いというよりも、全村性格有するものであり、伊勢講は、氏神に次ぐ重要な祭礼位置付けられていた。 出発にあたっては、ほら貝吹き回すなどして村中告知され、「でたち」「おみおくり」などと呼ばれる盛大な見送り儀式が行われる。また、同一地域複数伊勢講存在する場合担当する御師が同じである場合が多いので、混雑避けるために参拝時期ずらしていた。参拝者道中観光しつつ、伊勢では代参者として皆の事を祈り土産として御祓い新品種の農作物の種、松阪京都織物などの伊勢近隣道中名産品最新物産軽くてかさばらず、壊れないものがよく買われた)を購入する無事に帰ると、「坂迎え」などと呼ばれる帰還祝いが行われ、帰還者自宅には帰らずに、まず他家にて旅装束解き神札土産物配布してから自宅帰る「はばきぬき」と呼ばれる習慣広く見られた。江戸時代の人々貧しくとも一生に一度旅行できたのは、この「講」の仕組みによるところが大きい。 「伊勢講」の史料初見は、山科教言日記教言卿記』の応永14年1407年)条に「神明講伊勢講異称)」とあるものであり、嘉吉元年1443年)の徳政令では、神明講徳政令適応受けない記されていることから、室町時代にはある程度広い階層伊勢講広がっていたことが推定されるが、この時期には伊勢講分布畿内とどまっていた。伊勢講は、地侍層の受容農民にも浸透し始めたが、初期段階の講では、地侍層が講親となって農民加入強要し農民にだけ懸金を課してそれを収奪することが見られた。室町時代中期ごろに入ると、農民経済力向上した畿内経済的先進地区などで、農民主体の講が見られはじめ、これらの地域からは中小農民層の参詣見られるうになる。さらに江戸時代に入ると、郷村制発達により伊勢講成立基盤一般化し全国的に伊勢講普及した江戸時代には、伊勢参宮とは無関係の講にも伊勢講名付けられたり、商業組合の名前に伊勢講名付けられたりするなど伊勢講広く社会浸透し、単に伊勢参宮目的とするのみならず共同体における親睦団体化する例も多く見受けられ平時においては神社氏子協同体としても作用していた。なお戦後は講を賭博行為みなしたGHQにより解散させられた(無尽講参照)。しかし、地域によっては現在でも活動続けている伊勢講もある。伊勢神宮参拝数年一度行うのみとして、簡素な宴席のみを毎年行う習慣残存している地域もある。 「お伊勢講」が無かった地域では、周囲からの餞別せんべつ)が旅行費の大半占めていた。

※この「お伊勢講」の解説は、「お蔭参り」の解説の一部です。
「お伊勢講」を含む「お蔭参り」の記事については、「お蔭参り」の概要を参照ください。

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