岩谷十八夜観音庶民信仰資料とは? わかりやすく解説

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岩谷十八夜観音庶民信仰資料

名称: 岩谷十八夜観音庶民信仰資料
ふりがな いわやじゅうはちやかんのんしょみんしんこうしりょう
種別 信仰用いられるもの
員数 951
指定年月日 1984.05.22(昭和59.05.22)
所有者 日月寺中山町立歴史民俗資料館保管
所有者住所 山形県東村山郡中山町大字金沢
管理団体名: 中山町
備考 トドサマ37点,梓弓22点,数珠36点,筮竹算木23点,剣18点,外法7点,鏡205点,絵馬72点,鰐口・鈴12点,祈願389点,その他130
解説文: わが国には、古くから、庶民依頼こたえて神がかりし、神意託宣する巫女がいた。東北地方奄美・沖縄諸島は、巫女たちによる口寄せ加持祈祷卜占最近まで幅広く行われてきた顕著な地域とされている。山形県村山地方は、こうした巫業盛んだった典型的な地域一つで、オナカマと呼ばれる巫女たちによる巫業を介して庶民信仰濃厚に展開されてきたが、時代推移伴って絶滅瀕しているのが現状である。
 この庶民信仰資料は、オナカマや信者たちから篤く信奉されてきた岩谷十八観音をめぐる関係資料体系的にとりまとめたもので、オナカマの巫業関わるもの、信者から岩谷十八観音奉納されたもの、および前二者密接な関係にある関連資料網羅する内容となっている。
 オナカマたちが巫業実際に使用してきたものには、トドサマ(神おろしや託宣の際に使用)、アズサユミ死霊をおろし口寄せするのに使う)、数珠祈祷卜占用)、剣(祈祷用)、筮竹算木卜占用)および外法箱(諸用具を収め巫業実際に使う)が含まれている。これらのものは、使用者亡くなると酒一升添えて岩谷十八観音堂納められたり、師匠から弟子譲り渡されることもあって一様ではなかった。
 トドサマは竹の棒を使ったものが多く、これに真綿くくりつけたり紅花染め絹布着せたり、またこれが全体的に着ぶくれしていることが地域的特色となっている。また、むくろじムクロジ科喬木)の実をつないで作られているいらたかの数珠には、クマイノシシなど)の牙や骨・角、貝がらたから貝など)、ひすい、古銭などをはさんでおり、いかにも呪術性に富むものといえる。
 岩谷十八観音奉納されたものには、この観音巫女守護神眼病の神として信仰されてきたことから、巫業使用されたもののほか、鏡・絵馬・鰐口祈願などがある。これらのうち、絵馬は、宝暦五年(一七五五)銘のものが最も古く、鏡を取りつけたものや眼病平癒祈願する参詣図柄のものが多く含まれている。なかには享和三年一八〇三)銘の獅子踊り図柄など信仰多様性物語るものが含まれている。また、祈願では、眼病平癒具体的に明記するものが多い。
 その他の関連資料には、オナカマの入巫・成巫や巫業使われ用具岩谷十八観音縁日関係資料など、往時盛況物語資料などおさめられている。
 この資料は、岩谷十八観音をめぐる庶民信仰実態推移即物的理解する上で貴重であるばかりでなく、地域的特色のある巫女信仰用具類集成であることでも重要である。



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