いとこ同士の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 13:56 UTC 版)
「いとこ婚」および「いとこ同士の夫婦一覧」も参照 アメリカ合衆国の州の中にはテキサス州などのように、いとこ同士の性関係自体に対し刑罰規定を設け、犯罪と定めている州もある。結婚に関しては、いとこ婚が無条件に可能なのは19の州及びコロンビア特別区のみであり、双方の配偶者が年齢65歳以上または不能に関する証拠を持つ年齢55歳以上の場合に限って許可しているユタ州など、制限付きで可能なのが6州で、残る25の州ではいとことの結婚は禁止されている(2011年現在)。 中華人民共和国や朝鮮半島などの国家・地域では、いとことの結婚が認められない場合がある。1981年1月1日施行の中華人民共和国の修正婚姻法第7条1号では、傍系では3代即ち4親等までの血族の婚姻を認めていないため、いとこ婚は不可となっている。ただし、推奨はされないが民族性などを省みた上で、傍系血族婚規定について弾力的運用をすることは可能であるとしている。一方、大韓民国では8親等以内の血族との結婚は認められないため、いとこやはとこはおろか、みいとことも結婚が認められないことになっている。 ヨーロッパではいとことの結婚は一応は可能であり、進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンなどがいとこと結婚している。ただカトリックの場合、教会法では原則禁止で、あくまで赦免を与えて特別に許可しているというに過ぎないので、個人の信仰上問題視されることならばありうる。アガサ・クリスティ原作のテレビドラマシリーズ『名探偵ポワロ』の一編「葬儀を終えて」では、葬儀のために集まったいとこが性的関係をもってしまい、深刻に悩む描写がある。 日本ではいとことの結婚は合法であり、例えば歴代総理大臣のうち若槻禮次郎、岸信介・佐藤栄作兄弟、菅直人の妻がいとこである。このうち、最初の3人は養家(父方または母方のおじ・おばの家)を継ぐため親族間の合意の下に婿養子となっており、菅の場合は恋愛結婚を親族に認めさせたものである。近年まで都市部以外ではいとこ婚を歓迎する傾向があり、仲人婚と同様に普通に行われていた。 イスラーム国家でもいとことの結婚は合法であり、慣習上推奨すらされる場合もある。有名なケースでは、イスラーム教の開祖である預言者ムハンマドや、イラクの大統領サッダーム・フセインなどがいとこと結婚している。ムハンマドの従妹で妻のザイナブ・ビント・ジャハシは、神の使徒の親戚という家柄に誇りを持っていた。いとことの結婚の中でも、父方叔父の娘との結婚であるビント・アンム婚は理想と考えられている。宗教上においては、従姉妹と結婚する者は、復活の日に神から罰を受けることがないといわれている。イラク戦争でアメリカ軍に射殺されたサッダームの息子ウダイとクサイは、いとこである第一夫人との子供であった。
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