『少年濡れやすく恋成りがたし[神戸編]』
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1996年、ASUKAノベルス、角川書店 「少年濡れやすく恋成りがたし(神戸編)」 『少年濡れやすく恋成りがたし』のスピンオフ作品(小説ASUKA1996年10月号)あらすじ 1986年。西宮翼朗、高校三年18歳、並木水人高校三年19歳の時の出来事。 神戸の暴力団「竜亜会」構成員となった水人は、次期「竜亜会」三代目組長を継ぐ翼朗の側にいるよう言い渡されていた。 翼朗は教育係の宝田に、自分のよりどころである絵画に関する物を全て捨てられた。時期を同じくして、翼朗は秘密にしていた東京の画廊からの返事を受け取る。翼朗とそれを追った水人は、「竜亜会」から逃げ、東京へ行く。 しかし、東京で翼朗たちは額の傷跡のせいで、偶然出会ったヤクザ・柿崎に正体がバレてしまう。柿崎は二人を引き離してみたいと思った。だが気まぐれで翼朗たちを解放した。 登場人物 西宮翼朗(にしみや よくろう) 我儘で癇癪持ちの少年。額に水人に付けられた傷跡がある。父親の後を継ぎ、「竜亜会」三代目組長になるという現実から逃避するために絵画を描いていた。しかし周囲から止められ、東京へ逃げ出す。しかし東京の画廊では、画家としての将来は保証されなかった。自暴自棄になったが、水人に「命を預ける」と言われ、自分も今死んだことにし、「水人の命は自分が、自分の命は水人が拾いあった」ことで強さを身につける。「水人が『もう死んでもいい』と言うまで生きる」と運命を受け入れた。 その直後、水人と共に柿崎にさらわれ、覚醒剤を打たれた。それでも翼朗は「水人は自分のものだから、連れて行かないでくれ」と懇願した。解放され、宝田たちに救われたのち、「竜亜会」三代目組長になる貫禄を見せた。 並木水人(なみき みずと) 母を亡くし「竜亜会」に引き取られたばかりの少年。冷静で包容力がある。額に翼朗に付けられた傷跡がある。翼朗と離れられず、一緒に東京へ行く。翼朗の体臭を花のような匂いだと感じる。自殺願望のある翼朗の思い通りに、首を絞めて殺そうとしたが、翼朗が心中を望んだのでやめた。翼朗を可哀想に思い、それが愛しさに変わっていた。翼朗に命を預け、命の交換をした。 柿崎にさらわれ、宝田たちに救われた後、生涯翼朗のために生きる覚悟を持った。 宝田等(たからだ ひとし) 二代目組長代行。翼朗を「竜亜会」三代目組長に育て上げる役割を担う。水人には「お前は翼朗の友人でも兄弟でも家来でもない」と言い渡している。 展子(てんこ) 翼朗の家庭教師で宝田の愛人。三代目を襲名する前の翼朗の様子をうかがう。 西宮正蔵(にしみや しょうぞう) 「竜亜会」二代目組長。翼朗の父親。心臓に病を抱える。 佐伯(さえき) 銀座のギャラリー「津吹」のオーナー。翼朗の画力では、将来成功するとは保証できないと断言し、翼朗の絵画への希望を断ち切った。 柿崎 辰巳(かきざき たつみ) 「竜亜会」系暴力団、三寿会の幹部。東京で翼朗たちを偶然見つける。二人をとらえ、翼朗に覚醒剤を打ち、水人には翼朗の命の代わりに、自分の手下になるよう要求する。だが気まぐれに翼朗たちを解放した。 ヒロ 柿崎の子分の構成員。翼朗たちを尾行する。 星野(ほしの) 柿崎の協力者のヤクザ。 「空は美しく僕は悲しく」 『少年濡れやすく恋成りがたし』とは無関係(小説ASUKA1995年VOL.2)
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