『少年探偵団シリーズ』での明智探偵
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「明智小五郎」の記事における「『少年探偵団シリーズ』での明智探偵」の解説
1936年(昭和11年)に『少年倶楽部』で「少年探偵団シリーズ」が企画された際、小林少年らの後見人として、明智の名が挙がり、江戸川乱歩もこれに応じてその第一作『怪人二十面相』から明智が登場するようになった。 活動拠点も千代田区采女町(架空の地域。采女町は現在の中央区銀座の旧町名。また麹町区と神田区が合同して「千代田区」が出来たのは1947年)の開化アパート2階に変わり、ここで「明智小五郎探偵事務所」を構えている。助手の小林芳雄を団長とする「少年探偵団」や、警視庁の中村警部に力を貸し、数々の難事件を解決する。妻は文代(ふみよ)で、彼女も「探偵としての資質は高い」と文中説明されている。 この「少年探偵団」シリーズに登場する明智は、ほぼ完璧な超人として縦横無比な活躍ぶりを見せる。髪はモジャモジャで容姿端麗。愛煙家。30歳前後の非常に印象の良い背広姿の紳士となっている。作中では推理の結果は常に人前で明かし、行動の描写が中心で、内面の心理描写はほとんどない。 終生のライバルは怪人二十面相で、二十面相の向こうを張る変装の名人であり、互いに変装合戦を繰り返し、裏をかき合う。柔道の達人で、『怪人二十面相』で明智は「柔道三段」の腕前とされている。二十面相は「柔道五段」(『おれは二十面相だ!!』)、または「柔道三段」(『怪人と少年探偵』)と称されているが、『少年探偵団』で明智の柔道技は「二十面相とは段違いの力量だ」と説明されている。また、強靭な意志によって、二十面相と互角の催眠術を操ることができる。劇中では「怪人」である二十面相に対し、「巨人」と称せられている。 一般的にはこのシリーズにおける明智小五郎が、名探偵の代名詞として記憶されている。ポプラ社版の『少年探偵団』シリーズでは、明智の登場しない乱歩の原典を、乱歩以外の代作者が改変したものがあり、明智が敵の罠に堕ちたりと、乱歩の描く超人としての探偵像にそぐわないものもある。 高木彬光の神津恭介、横溝正史の金田一耕助と並んで「日本の三大名探偵」と称される。
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