『サンダ対ガイラ』のガイラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 09:46 UTC 版)
「ガイラ」の記事における「『サンダ対ガイラ』のガイラ」の解説
フランケンシュタインの剥離した体細胞が海で成長して緑色の体毛と鱗に覆われた、巨人の一種の分身である。地上で人間に愛情深く育てられたサンダとは違い、深海で誰にも助けられないまま成長した。それゆえに残忍な性格となっており、船を襲うだけでなく大ダコをも屠るうえ、人間のことは捕食対象もしくは敵としか認知していないことから、殲滅を決定した自衛隊のL作戦に遭って重傷を負う。深海育ちゆえに光を嫌い、夜間や曇天の日に上陸し、日が差すと俊敏に東京湾へ逃げ去る。 当初はサンダに仲間として扱われるが、その後は人間を捕食する行為に激怒したサンダから追われる。サンダとの戦いでは負傷しているサンダに容赦なく攻撃を加え、最後はともに海底火山の噴火に呑み込まれる。 スーツアクター:中島春雄 女性を捕食するという、娯楽怪獣映画としては非常にショッキングなシーンがある。海外版では描写が異なる。 中島の発案による両腕を振り上げる描写が特徴である。海を泳ぐシーンではクロールを行っているが、中島はブレストでは勢いが出せなかったためとしている。 羽田空港を襲撃するシーンでは、白い背景で怪獣を撮影し、ネガで黒くなった背景をマスクとして実景と合成する東宝セパレーションという手法を初めて用いている。このシーンが『ゴジラ×メカゴジラ』に流用された際には、合成の揺れがデジタル補正されている。 書籍『大ゴジラ図鑑2』では、キャラクターの共通要素から、ガイラを初代ゴジラのカラー版再挑戦であったものと解釈している。 造形 デザインは成田亨。 頭部造形は利光貞三、胴体は八木勘寿、八木康栄による[要出典]ほか、開米栄三も担当した。 成田亨のデザイン画では「海の怪獣」ということから、体表が鱗状になっている。半魚人のような顔の検討用デザイン画が、他に2枚現存している。 特技監督の円谷英二からの「腐ったコンブやワカメが体中についているように汚くしろ」という要望に基づき、開米は水に強い造花(ホンコンフラワー)を体表に貼り付け、筆で細かく塗装を行った。 この怪獣で初めて中島の顔面石膏型が起こされ、顔に密着した表皮が作られた。顎は演者の口の動きに同期して開閉できるようになっており、中島は水中シーンでも水を吐き出せるのでやりやすかったと述べている。中島は、胴体も型取りされた旨を証言しており、スーツは厚みがあって重かったと語っている。 前作のような特殊メイクではなく着ぐるみとなったことで弾着が用いられ、前作では描かれなかった自衛隊による激しい攻撃を受けるシーンが描写された。山から転げ落ちる場面では、剣道の面を中に入れている。 空港事務職員や外国人歌手を掴み上げるシーンでは、実物大に造形された右腕が使用された。また、海底から洋上の漁船を睨み上げるカットは、水の入った水槽越しに撮影したものである。 台本では灰色の怪物とされていた。
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