『アンリ4世の神格化とマリーの摂政宣言』とは? わかりやすく解説

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『アンリ4世の神格化とマリーの摂政宣言』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:04 UTC 版)

マリー・ド・メディシスの生涯」の記事における「『アンリ4世の神格化とマリーの摂政宣言』」の解説

『アンリ4世の神格化とマリーの摂政宣言』は、『マリー・ド・メディシスの生涯』全作品中でも有名な絵画であり、ルーベンス自らがリュクサンブール宮殿の壁に飾った3点作品のうちの1点である。この作品の主題大きく二つ分かれている。画面左1610年5月14日暗殺されアンリ4世昇天する様子描かれ画面右アンリ4世死去後まもなくフランス摂政就任宣言したマリーとなっている。古代ローマ皇帝のような衣装を身に着け暗殺されアンリ4世を、ユピテルサトゥルヌス神々住処であるオリンポスへといざなっている。ルーベンスあらゆる寓意画と同じく、この2神々が『アンリ4世の神格化とマリーの摂政宣言』に描かれているのには理由がある。ユピテルアンリ4世聖性意味し有限象徴でもあるサトゥルヌスアンリ4世現世での生の終わり示唆している。この作品後世巨匠たちにも大きな影響与えた絵画でもある。たとえば、画面下部苦悩横たわっている武装解除した戦争女神ベローナは、ポスト印象派画家ポール・セザンヌが、10回にわたって模写願い出ている。ルーベンス大胆なまでに古代神話からの寓意作品取り入れたのは、友人である著名な天文学者古美術愛好家ニコラ=クロード・ファブリ・ド・ペーレスク収集した古代コイン大きな役割果たしていたという背景があった。 画面右描かれている、新たにフランス統治者となったマリーは、未亡人相応し厳粛な衣装着用している。マリー凱旋門宮廷人たちに囲まれている。宮廷人たちがマリーにひざまずくなか、擬人化されフランス王国政権象徴であるオーブマリーに差し出している。この情景『マリー・ド・メディシスの生涯』一連の作品中でも、もっとも誇張表現なされているものの一つとなっている。マリーは、アンリ4世暗殺された日に自身摂政就任宣言した公言していたが、ルーベンスはこの作品に、マリーからの依頼だったとはいえアンリ4世暗殺マリー摂政宣言同時に描くことにかなりの抵抗感感じていた。 『アンリ4世の神格化とマリーの摂政宣言』の、とくに画面右側描写同時代芸術家たちの作品から影響受けた可能性がある。イタリア人画家カラヴァッジョが、おそらくローマで描いたロザリオの聖母 (en:Madonna of the Rosary (Caravaggio))』(1607年)の人物造形には、『アンリ4世の神格化とマリーの摂政宣言』右側との高い類似性見られる華麗な衣装身にまとう高座の女性ひざまずいて女性手を差し伸べる群衆、そして寓意性、象徴性帯びた人物像などである。『アンリ4世の神格化とマリーの摂政宣言』では、ミネルヴァプルーデンス神々摂理で、『ロザリオの聖母』では、聖ドミニク聖致命者ピエトロドミニコ会修道士描かれている。さらに、両作品共通する重要なモチーフ」として、他者を導く者、手袋ロザリオ挙げられる。これら描かれている事物全て作品説得力与えとともにルーベンス同時代カラバッジョ抱いていた芸術的敬意見て取れる しかしながら他の芸術家からの影響有無かかわらずルーベンス自身たぐいまれ芸術的才能あふれている作品であると言える

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