凱旋門とは? わかりやすく解説

がいせん‐もん【×凱旋門】

読み方:がいせんもん

凱旋軍隊歓迎するため、または、凱旋記念して作られアーチ門。古代ローマ盛んに建造された。→エトワール凱旋門

[補説] 書名別項。→凱旋門


がいせんもん【凱旋門】


凱旋門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/05 23:04 UTC 版)

エトワール凱旋門
ブランデンブルク門
コンスタンティヌスの凱旋門
「山田の凱旋門」(鹿児島県姶良市
平壌凱旋門

凱旋門(がいせんもん、: Arc de triomphe: Triumphal arch)は、軍事的勝利を讃え、その勝利をもたらした皇帝や将軍、国家元首や軍隊が、凱旋式を行う記念のために作られた。発祥の歴史は古代ローマ時代まで遡る。

中央の大きな門と両脇に小さめの二つの門が設けられる三門形式が多い[1]

建築物としてはナポレオン・ボナパルトフランスパリに作らせたエトワール凱旋門1836年)が有名であるが、これも古代ローマの風習にならったものである。

現存する古代ローマの凱旋門は多数あるが、壊されたり、別の建物の建材になったりしたため、完全な形で残っているものは少ない。その中ではコンスタンティヌスの凱旋門が史跡として貴重である。凱旋「門」となってはいるが、古代ローマでは都市城壁城門とは独立して建てられた記念碑的建造物であった。

古代ローマの凱旋門

コンスタンティヌスの凱旋門

当時、副帝だったコンスタンティヌス帝が、正帝のマクセンティウス帝に対し、312年ミルヴィオ橋の戦いで勝利したことを記念して、315年に作られた凱旋門だと言われている。コロッセオのすぐ側に立てられており、高さは約25m。帝政ローマ時代の凱旋門の中では最も大きいと言われている。装飾などは古い凱旋門などから剥ぎ取って使われたと言われている。フランスのエトワール凱旋門のモデルにもなっている。

日本における凱旋門

日本の凱旋門は、各種祝賀行事の際に建てられていた「緑門(りょくもん)」が起源である。緑門とは、門の前面をスギヒノキなどの若葉で飾り付けられた簡素な門のことである[2]が、日清戦争の終結時に日比谷三越百貨店の前などに大型の凱旋門が作られたことをきっかけにして、一気に大型化の方向に進んだ。

日露戦争の終結時には最高潮を迎え、日本各地にフランスのエトワール凱旋門を意識した大型の門が無数に建設された。こうした動きは、建設ラッシュとも呼べる異様な盛り上がりを見せた。仮設ではあるものの浅草雷門ですら凱旋門化したという。京橋に作られた凱旋門は高さが18mに達したと伝えられている。また凱旋門ではないものの、1903年建造の初代通天閣エッフェル塔とエトワール凱旋門を模して建てられた。

日本の凱旋門の出自が緑門であることから、市街地に作られた凱旋門の多くは一定期間後に取り壊される運命にあった。例えば、雷門の凱旋門も建築1年後に取り壊されている。だが、地方では、そのまま保存された門もあり、2006年現在、静岡県浜松市鹿児島県姶良市などに、数基の凱旋門が現存している。

姶良市の凱旋門は、2003年登録有形文化財に登録されたことを契機に補修工事を受けており、これを記念して、地元の白金酒造が「凱旋門」という焼酎を限定で醸造している。

また、かつてフジテレビジョン河田町にあった当時、東京女子医大病院側にあった正門も、「凱旋門」と呼ばれた。

主な凱旋門

古代の凱旋門

近代の凱旋門

現代の凱旋門

脚注

  1. ^ 戸谷英世・竹山清明『建築物・様式ビジュアルハンドブック』株式会社エクスナレッジ、2009年、147頁。 
  2. ^ 小項目事典,家とインテリアの用語がわかる辞典, デジタル大辞泉,精選版 日本国語大辞典,改訂新版 世界大百科事典,日本大百科全書(ニッポニカ),百科事典マイペディア,ブリタニカ国際大百科事典. “アーチとは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年7月5日閲覧。

関連項目


凱旋門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 08:51 UTC 版)

オランジュのローマ劇場とその周辺及び「凱旋門」」の記事における「凱旋門」の解説

オランジュの凱旋門は、かつてのアグリッパ街道リヨンアルル結んでいた)の途上に、紀元前20年頃に建てられたものである古代劇場現市庁舎のある区画からは少し北に外れた場所にある。 刻まれレリーフの中では、特にガリア人ローマ人戦闘戦利品などが描かれ北面保存状態良好である。

※この「凱旋門」の解説は、「オランジュのローマ劇場とその周辺及び「凱旋門」」の解説の一部です。
「凱旋門」を含む「オランジュのローマ劇場とその周辺及び「凱旋門」」の記事については、「オランジュのローマ劇場とその周辺及び「凱旋門」」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「凱旋門」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

凱旋門

出典:『Wiktionary』 (2021/08/13 23:18 UTC 版)

名詞

凱旋 がいせんもん

  1. 凱旋記念したり、凱旋軍隊讃えるために建てられた門。

発音(?)

が↗いせ↘んもん

「凱旋門」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



凱旋門と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「凱旋門」の関連用語

凱旋門のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



凱旋門のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの凱旋門 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのオランジュのローマ劇場とその周辺及び「凱旋門」 (改訂履歴)、宝塚歌劇団によって舞台化された作品の一覧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの凱旋門 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS