「大ロマンの復活」シリーズの刊行とは? わかりやすく解説

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「大ロマンの復活」シリーズの刊行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 01:45 UTC 版)

桃源社」の記事における「「大ロマンの復活」シリーズの刊行」の解説

1968年昭和43年8月国枝史郎の『神州纐纈城』を刊行した同作1925年から1926年にかけて『苦楽』に連載されたが未完終わっており、そのため、春陽堂書店日本小説文庫から『神州纐纈城 前篇』として部分的に刊行されただけで、国枝史郎代表作とされながら、それまで完全な形で刊行されことはなかった。同書小田富弥による初出時の挿絵再録した上、真鍋元之解説尾崎秀樹前宣伝得て発売され三島由紀夫から激賞を受けるなど好評博した。 この『神州纐纈城』がきっかけで「怪奇幻想ブーム」が始まったとされているが、八木昇は「結果としてたまたまそうなっただけで、意識的にそういうこと狙って出したわけではありません」と語っている。 続いて同年12月小栗虫太郎の『人外魔境』を、都筑道夫による解説をつけて刊行した1939年から1941年にかけて『新青年』に掲載されシリーズで、小栗生前単行本再録されたことはあるが、一冊にまとめられたのはこれが初めであった八木昇によれば小栗虫太郎作品復刻澁澤龍彦から薦められたもので、『神州纐纈城』の成績良かったら出版するつもりでいたという。 翌1969年3月、三冊目となる国枝史郎蔦葛木曽桟つたかずらきそのかけはし)』を刊行。このあたりから、広告謳い文句として「大ロマン復活」を用い始める。もともとは「恐る恐る出してみて、好かった続けようという程度」で、明確なシリーズとして発行していたわけではなくシリーズ名つけられていなかったが、次第「大ロマンの復活」シリーズ、あるいは「大ロマン・シリーズ」と呼ばれるうになるシリーズ編集基本理念は、「できるかぎりきちんとした形で出して、昔の探偵小説大衆小説こういうのだったんだよということを、いまの読者分かってもらえたらいいだろう」というものだったシリーズでは小栗虫太郎のほぼ全作品刊行した(のちに再編集されて『小栗虫太郎全作品』となる)ほか、海野十三深夜市長』『地球要塞』『火星兵団』、久生十蘭真説鉄仮面』(初単行本化)、牧逸馬世界怪奇実話』(初めシリーズ全作品収録)、野村胡堂奇談クラブ』、蘭郁二郎地底大陸』、香山滋海鰻荘奇談』などを刊行した上述のように「大ロマン復活」は広告上の謳い文句にすぎないため、どこまでがシリーズ含まれるかは曖昧であるが、八木自身は、『神州纐纈城』から小栗虫太郎成層圏魔城』(1971年7月刊)までの「函入り二十何冊か」としている。また、並行して三六判カバー装の「日本ロマンシリーズ」も刊行されており、このシリーズからは白井喬二『怪建築十二段返し』(1970年)、野村胡堂『二万年前』(1970年)、押川春浪『海底軍艦』1970年)、黒岩涙香暗黒星』(1972年)、押川春浪怪人鉄塔』(1972年)などが刊行された。 同時期に講談社から『江戸川乱歩全集』(第1次1969年4月 - 1970年6月)、三一書房から『夢野久作全集』(1969年6月 - 1970年1月)・『久生十蘭全集』(1969年11月 - 1970年6月)などが立て続け出版されたことも手伝いそれまで半ば忘れられ状況にあった戦前探偵小説怪奇幻想小説再評価促すことになった

※この「「大ロマンの復活」シリーズの刊行」の解説は、「桃源社」の解説の一部です。
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