「俘虜送還国民運動に対する提言」とは? わかりやすく解説

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「俘虜送還国民運動に対する提言」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 03:20 UTC 版)

蜷川新」の記事における「「俘虜送還国民運動に対する提言」」の解説

蜷川雑誌経済往来1952年8月号に掲載した「俘虜送還国民運動に対する提言」等でソ連中共による俘虜長期抑留合法であるとして擁護し抑留者の日本への早期帰還求め各種運動批判する論説展開した。このことに係る蜷川論拠とそれに対す反論以下のとおりハーグ陸戦条約第20条に「平和克復の後は、成るべく速に、俘虜その本国に帰還せしむべし」とあり、蜷川は「平和克復」を講和条約双方政府によって批准された後と定義し俘虜送還国民運動については「日本人未だ和成らず降伏時中に過ぎなかった時代に、敵国向かって俘虜送還叫び建てたことは、国際法無視であったことは誠に明白である。いづれの敵国も、日本人不法要求応ず義務はなかったのである」「俘虜問題は、昔から、国際法によって、処理されているものである。その国際法離れて一方の国の人のみが、何を叫んだところで、その声は先方には通じないのである。声のみは先方聞こえた所で、それは取り容れないのである日本人は、その点についての慎重な態度持することが、若しも日本人に、文明人の自信があるならば、必要なのである七年以来日本の政府は、少しも、その重点について、注意を払っていなかった。(俘虜送還訴え国民の声報じる日本の新聞は、毫もこの文明意識有していなかった。」などと断じている。これに対し若槻泰雄は「もともと捕虜送還交戦はしないという慣習は、それが再び戦力として使用されるのを防ぐためであり、ハーグ条約捕虜送還に関する規定もその国際的慣習基礎になっているのだから、『平和克復の後』という文言も、実質的に戦争行為終了した後、解釈するのが自然だ。まして日本ポツダム宣言全ての軍隊解体されており、捕虜送還したところで、それが再び戦力化する恐れあり得ないから、蜷川解釈は全くの牽強付会というしかない」と反論している。 ポツダム宣言第9条を「日本の軍隊は、完全にその武装解除された後には、その過程帰還することを、許される。但し、平和な且つ生産的な生活を送る機会が来たことを条件とする」と訳し、「日本軍人は、完全に武装解除の後は、俘虜とされる。そうして、平和産業従事する機会得たならば、自己の家庭帰還することを許されるというだけのことである」とした。これに対し稲垣武は9条の英語の原文は"The Japanese military forces, after being completely disarmed, shall be permitted to return to their homes with the opportunity to lead peaceful and productive lives."であり、with以下は絶対的限定条件指示するものではなく、「日本国軍隊は完全に武装化解除されたる後各自家庭復帰し平和的生産的の生活を営むの機会得しめらるべし」と訳すべきところを蜷川意図的に"誤訳"したものだとしている。 更に蜷川は、「唯だソ連中共領土内に留まつている日本人限り日本送還せよ』と日本人が叫ぶことは、どういう理由依るのであるか、西伯利亜から帰還した日本人は、沢山にある。それらの人々は、その生活は、中流生活であり普通であった正直に談っている。その労働は、規則正しく行われた、と談っている。そのことを、書いて発行している人さえもいる。それであるから中共ソ連限り人間並み取扱受けずにいると考えることは、全く事実無視謬見である。そのような謬見に迷つていることは、その人のために、不名誉である」と断じている。

※この「「俘虜送還国民運動に対する提言」」の解説は、「蜷川新」の解説の一部です。
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