「保守的」の意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 09:47 UTC 版)
「保守的」あるいは「伝統的」という語は、文脈によっては、礼拝・神学において保守的あるいは伝統的ではあっても、福音派と呼ばれるグループとは様々な点で見解を異にする者を指す場合に用いられることもあり、プロテスタント内で「保守的」あるいは「伝統的」と評される者がいたとしても、それがそのまま福音派と同義であるわけではない。また、「保守的」と「伝統的」は時に対立概念にもなりうる。 福音派についてしばしば形容される「保守的」とは、多くの場合「伝統的」という意味とは相反して、むしろ礼拝様式などの文化的要素に関しては、従来の教派に見られる伝統性を不純で旧教的なものと見なして否定し、簡素化・現代化する傾向が強い(「保守的」でありながら「非伝統的」)。 米国に拠点を置くルター派の一派であるミズーリ・シノッド(英語版)やウィスコンシン・シノッド(英語版)などは、思想的には保守的で福音派と共通する面が多いが、礼拝様式などの面では改革派の影響を受けたドイツのルター派よりも伝統的であり、福音派のグループとは距離を置いている(「保守的」かつ「伝統的」な例)。 また、広義のプロテスタントとも見なされうる聖公会のうち、「アングロ・カトリック」とも呼ばれるハイ・チャーチでは、ローマ・カトリックから受け継いだ(ともすれば現代のローマ・カトリックよりも古式を残す面すらある)、非常に伝統的な典礼様式を守っているが、神学的あるいは社会的な問題に対する理解においては逆にリベラル傾向である場合もある(「伝統的」でありながら「非保守的」な例)。他方、ハイ・チャーチの対義語でありプロテスタント的な要素が強いロウ・チャーチと呼ばれるグループでは、その逆のケースもある(ロウ・チャーチといえども基本的には「中道の教会」を自認する聖公会の範疇内であり、他のプロテスタント諸教派に比べれば伝統的な面が多い)。
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