「保有視覚」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 22:22 UTC 版)
症例研究において手術前の患者の視覚状態を知ることは回復の程度を測るために必要である。 M・V・ゼンデンは、患者の手術前の視覚状態を保有視覚(または残存視覚、Restsehen)と名づけ、患者の保有視覚を3段階に分類した。明暗だけを感じ、色や形はわからない状態を第1群とし、これに光が来る方向がわかるものを含めた。第2群は、いくつかの色が判り、第3群は、2次元の形がぼんやりわかるときがある、というものである。(下図左) 鳥居修晃はゼンデンの3分類のみでは十分ではないとし、より細分化した分類を提案している(下図右)。 ゼンデンの保有視覚分類 第I群:「明暗」と「光の方向」第II群:「明暗」「光の方向」+ 「色」第III群:「明暗」「光の方向」「色」+「形」(2次元) ' 鳥居の保有視覚分類 第I群:Ia-「明暗」のみ. Ib-「明暗」と「光の方向」第II群:「明暗」「光の方向」+ 「色」第III群:「明暗」「光の方向」「色」 +「図領域の大小,その延長方向」第IV群: 〃 + 「2次元の形」 ' (『先天盲開眼者の視覚世界』p.61図:2-1&図:2-2.一部改変) こういった手術前の視覚状態(保有視覚・残存視覚)は術後の回復過程と関連するとゼンデンや鳥居は指摘している。
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