「開眼直後」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 22:22 UTC 版)
開眼後に起き得る問題 #動物実験節にもある通り開眼初期には、眼球振盪(しんとう)のため固視ができなかったり追視ができないケースがある。原田政美は中心固視の機能が形成されていない状態」とし、ゼンデンは、失明期間に眼の中に入る光の量が極度に少なかったことにより、錐体細胞(明所視・色彩視)の密度が高い中心窩周辺(黄斑部)に比べその外側の網膜機能が衰退して視野が狭くなっているとした。 開眼直後の視覚状態 保有視覚I群、II群の先天盲被術者が開眼直後にものの形を見分けた例はないに等しい。特に明暗弁(光覚弁-明と暗の違いの感知)のみのI群では開眼直後は「光がまぶしい」「明るすぎて目がくらむようだ」「光が目に張りついているような感じ」といった報告しかない。ゼンデンはこういった状態を「単なる光受容の段階」あるいは「純粋視覚の段階」とした。 開眼以後、適切な指導や学習課題の設定がないか失敗すると、手術が成功して眼が開いても"盲人の生活に戻ってしまう”(D.O.Hebb,1949)という事態が起きる(Ackroyd et ai.,1974; Senden,1932)ことも指摘されている。こういった事態では開眼者の心理学的ファクターも考察の対象となる。
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