「ローマ皇帝」の誕生とは? わかりやすく解説

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「ローマ皇帝」の誕生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 16:53 UTC 版)

アウグストゥス」の記事における「「ローマ皇帝」の誕生」の解説

共和制復帰宣言から3日後の1月16日、かつてユリウス・カエサル副官であったルキウス・ムナティウス・プランクスが、オクタウィアヌスアウグストゥス尊厳者)の称号を贈ることを提案し元老院満場一致で国の全権掌握するよう懇請した[要出典]。オクタウィアヌス数度にわたり辞退した上でこれを承諾し、この日以降正式にインペラトル・カエサル・アウグストゥス (Imperator Caesar Augustus) と名乗るようになった慎重なアウグストゥスことオクタウィアヌスは、すでに政敵がいないにもかかわらず一度権力返還し元老院によって再び譲渡されるという形式をとったのである。これにより共和制は、元老院議員たちには気付かれないうちに(オクタウィアヌス巧妙に偽装しつつ)終焉し、ローマ帝政へと移行した初代ローマ皇帝アウグストゥス誕生である。なお、アウグストゥスに始まる帝政ローマ前期政治体制は、後のディオクレティアヌスに始まる「ドミナートゥス (専制君主制)」と区別してプリンキパトゥス (元首政)」と呼ばれている。 アウグストゥス創始した帝政元首政)は、カエサルのような非常大権獲得といったイレギュラーなものではなくあくまでも従来から存在するレギュラー公職、つまり執政官職とプロコンスル職を兼任するといったものであった。すなわち、臨時職として位置づけられすでに廃止されていた独裁官官職復活させるような直接的なことはせず、また共和制超える新たな地位創設することも行わなかったのであるアウグストゥス自身、「私は権威において万人勝ろうと、権力の点では同僚であった政務官よりすぐれた何かを持つことはない」(『神君アウグストゥスの業績録34)と述べている。しかし、この執政官職やプロコンスル職の兼任こそがローマ帝国全土支配する政治的軍事的根拠となり、あわせてアウグストゥス」の尊称授与といった権威備わったため、この紀元前27年取り決めこそアウグストゥスにとってローマ皇帝権力確立する第一段階となったのであるこのようなことから、紀元前27年アウグストゥス初代ローマ皇帝就任した後世いわれるようになった紀元前27年秋から紀元前24年にかけて西方再編着手紀元前23年ローマ帰還した同年連続して就任していた執政官辞任する代わりに1年限り護民官職権付与され以後例年更新されることになったアウグストゥスはこの護民官職権のうち身体不可侵権については既に保持していたが、法案対す拒否権等、残余権限がこのとき与えられのである。さらに、プロコンスル命令上級プロコンスル命令(インペリウム・プロコンスラレ・マイウス)に強化されたため、元老院属州でも権限施行が可能となり、この結果皇帝権力はより強固なものとなった。これが皇帝権力確立の「第二段階」である。 表面上はともかく実質的には、アウグストゥス終始唯一のローマ統治者であり続けた。そして彼の後継者達もアウグストゥス称号名乗り続ける事により、帝政既成事実化していく。アウグストゥスは、インペラトルカエサルなどとともにローマ皇帝を示す称号一つになっていった。 紀元前22年からは東方再編着手した紀元前19年帰還し執政官命令(インペリウム・コンスラレ)を得た紀元前18年には、ユリウス姦通罪婚外交渉罪法、ユリウス正式婚姻法制定し秩序安定化道徳確立試みた。なお、紀元前12年アグリッパ紀元前8年にマエケナスと相次いで長らく腹心死去した紀元前7年それまでポメリウム内外程度しか区分がなかった首都ローマを、14行政区分割して各区行政上の責任明確にした。

※この「「ローマ皇帝」の誕生」の解説は、「アウグストゥス」の解説の一部です。
「「ローマ皇帝」の誕生」を含む「アウグストゥス」の記事については、「アウグストゥス」の概要を参照ください。

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