《相殺》の正しい読み方
「相殺」の正しい読み方
「相殺」は、「そうさい」と読むことが多い。「相」はともかく、「殺」を「さい」と読むことは少ないため、読み方を「そうさつ」と間違ってしまう場合は多い。しかし、「そうさつ」と読むこともあるので、厳密には間違っているわけではない。ただ、「相殺」を「そうさい」と読むか、「そうさつ」と読むかによって、意味が大きく変わってしまう。したがって、状況に合った読み方をするよう注意しなければならない。「相殺」の意味解説
「相殺」を「そうさい」と読む場合、打ち消したり帳消しにしたりするという意味となる。何らかの数字として出ている結果が足し引きによってゼロになったり、人の長所と短所など概念的なものが打ち消し合ったりするなど、色々な状況を表す場合に使用することができる。それに対して、「そうさつ」と読む場合は、「殺し合い」という意味のみである。「相」には「向かい合う」という意味があり、お互い向かい合って殺そうとするということで、「殺し合い」となる。対象には人だけでなく、虫や獣なども含まれるが、命の奪い合いをするという意味は変わらない。なぜ「相殺」と読むのか・理由
「相殺」の「そうさつ」という読み方は、ただの音読みである。そして、「そうさい」も同じ音読みだ。「殺」には元々「さつ」以外に、「削ぐ」「減らす」という意味を持つ「さい」という読み方がある。そのため、何らかのプラスとなっているものを削いだり減らしたりする形で、お互いを打ち消したり帳消しにしたりするという意味を持たせる際には、「相殺」は「そうさい」と読む。「相殺」の類語・用例・例文
「相殺」は数字の打消しが行われた時に使用されることが多く、「せっかくの利益がミスによって相殺されてしまった」「この臨時的な収入は借金の返済分と相殺されるだろう」という風な形となる。そして、数字以外だと、「投げたボールの勢いが向かい風で相殺されてしまう」「彼の成功がチームメイトの失敗と相殺された」といった使い方もできる。また、プラスがマイナスによって削がれた場合だけでなく、マイナスをプラスによって補った時にも、相殺を使用することは可能だ。その際には「劇的な黒字によって赤字を相殺した」「彼のあらゆる欠点は、ひとつの大きな長所によって相殺されている」といった形になる。「そうさつ」と読む場合の例文は、「この容器の中で、虫たちが相殺している」「かつて闘技場では、戦士たちが相殺していた」となる。「相殺」の類義語には「帳尻合わせ」や「埋め合わせ」、「補填」などが挙げられる。「帳尻合わせ」は目標に合わせて、プラス分を減らしたり、マイナス分を補ったりするなど、色々な場面で使用することができる。しかし、「埋め合わせ」や「補填」は、マイナス分を補うという意味合いが強いため、いつでも相殺と置き換えられるわけではない。そして、「そうさつ」と読む場合の類語は、「刃傷沙汰」や「サバイバル」などである。「相殺」の英語用例・例文
「そうさい」と読む場合の「相殺」は、英語だと「offset」「neutralize」といった単語となる。「offset」は勘定の相殺、「neutralize」は中和や無効と、それぞれ異なる意味合いを持つため、使用する場面に合わせる必要がある。例文としては、「The surplus offset the deficit(黒字が赤字を相殺した)」「This drug neutralizes the effects of another drug(この薬は他の薬の効果を相殺する)」といった形になる。「そうさつ」読みの場合は、最適な単語がないため、便宜的に「Kill each other」を使用する。例文では「Samurai on the battlefield is killing each other(戦場の武士たちは相殺している)」となる。《相殺》の正しい読み方
「相殺」の正しい読み方
「相殺」を「そうさつ」と読む人もいるが、一般的に誤った読み方で、「相殺」の正しい読み方は、「そうさつ」ではなく「そうさい」である。「相殺」の意味解説
相殺とは、互いに影響しあって打ち消しあうという意味もあるが、主な意味としては双方が互いに同種の債権を有している場合、双方の債権額の対等部分を消滅させることである。例えば、AがBに対し150万円を貸し、BがAに対し100万円貸している場合、AがBに100万円返済し、BがAに対し150万円返済することになるが、現金でやり取りするのは非効率的である。そこで相殺することによって対等部分の100万円の双方の債権が消滅する。その結果、BはAに対して残額の50万円だけ返済し、AはBに対して返済する必要がなくなる。なぜ「相殺」と読むのか・理由
相殺を「そうさつ」ではなく「そうさい」と読むのは理由がある。相殺の「殺」の字は「さい」と読む場合と、「さつ」と読む場合では意味が異なり、「さい」と読む場合は、「へらす・そぐ」という意味となる。一方「さつ」と読む場合は、「ころす」という意味となる。従って、相殺を「そうさつ」と読むことは、相殺の意味と矛盾することになるので、「そうさい」と読むことが正しい。「相殺」の類語・用例・例文
相殺の類義語として、代表的なものとして「帳消し」や「差引きゼロにする」、「チャラにする」が挙げられる。しかし、これらの言葉は単に債務が全部消滅するが、相殺のように残額が発生する事はない。また「チャラにする」という言葉は非常にカジュアルな言葉なので、ビジネスシーンや目上の人に使う事は厳禁である。相殺の一般的な用例としては、「AのBに対する貸金債権と、BのAに対する貸金債権を相殺する。」等がある。しかし、相殺は互いに債権がなくても、互いに影響しあって打ち消しあうという意味もあり、その用例としては「先月の赤字を、今月の黒字で相殺した。」「彼の第一印象は良かったが、言動によって相殺された。」「大型案件を獲得し、会社の大幅な売り上げ増加に貢献したので、今までのミスは相殺された。」「これで彼との貸し借りは相殺した」「ダイエットのためにスポーツジムで運動したが、その後スイーツを食べたので相殺されてしまった」等である。「相殺」の英語用例・例文
「相殺」の英語はoffsetである。用例としては、What is that offset by(それは何と相殺されますか?)I will offset that with the next payment(私は次回の支払いでそれを相殺します)This will offset the loss(これで損失は相殺される)Her merits more than offset her demerits(彼女の長所は短所を補って(相殺して)あまりうる。)等がある。- 《相殺》の正しい読み方のページへのリンク