《媚薬》の正しい読み方
「媚薬」の正しい読み方
「媚薬」の正しい読み方は「びやく」である。「媚」は音読みでは「び」、訓読みでは「こ(びる)」「こび」「うつく(しい)」と読む。「び」と読む場合は「こびること」や「相手にへつらう」ことを意味すると同時に、「なまめかしい」「色情を起こさせる」様子も意味する。「薬」は音読みは「やく」、訓読みは「くすり」である。「くすり」は「病気やケガに効き目のある物質」を指す。火薬やの農薬のような「化学変化を起こす物質」も「くすり」である。
「媚薬」の意味解説
「媚薬」は、「性欲を催させる薬」「相手を自分に惚れさせる薬」という意味である。一般的には女性のためのフェロモン誘発剤のことであり、女性の性欲を高めたり恋愛感情を起こさせたりする効果があるとされる。狭義では、男性の勃起不全の治療に使われる「催淫剤」のことも指す。主に服用薬だが、塗布や散布用のものもある。マヤ・アステカ文明ではその栄養価の高さから、王族や戦士の間でチョコレートが媚薬として用いられた。中国の媚薬にはイモリの黒焼きなどがある。
なぜ「媚薬」と読むのか・理由
「媚薬」は「色情を起こさせる」という意味の漢字「媚」と「薬」が結びついたもので、音読みするため「びやく」と読む。「媚薬」の類語・用例・例文
「媚薬」の類語には、「惚れ薬」「精力剤」「性欲増強剤」「回春剤」などがある。「媚薬」の用例としては、「たった一人、ウイスキーに酔った一人の青年が、言葉の響を娘にこすりつけるようにして、南洋特産と噂のある媚薬の話をしかけた」がある。これは、岡本かの子の「河明り」の中での使用例である。中島敦の「文字禍」には、「これが不審といえば、不審だったが、ナブ・アヘ・エリバは、それも文字の霊の媚薬のごとき奸猾な魔力のせいと見做した」という用例がある。例文としては「知らないうちに媚薬を使われていたと知ったら、彼女はどう思うだろう」「媚薬には、相手を自分に惚れさせる効果があると聞いたが本当だろうか」などがある。また「甘いものに目がない彼女にとって、チョコレートは媚薬だ」「当時、数学に魅入られた人にはフェルマーの最終定理を証明することが媚薬となり得た」などのように、「媚薬」を魅力的なものにたとえる使い方もできる。
「媚薬」の英語用例・例文
「媚薬」の英語は、「aphrodisiac」「love potion」である。「aphrodisiac」の用例は「Wikipedia日英京都関連文書」より「By the way, it is recorded that Hai Gou Shen (male seal sexual organs), an aphrodisiac, was used in drugs for Ieyasu.」(ちなみに、精力剤である海狗腎は家康の薬の調合に使用されたという記録が残っている)などである。「love potion」の用例には、サーチャーズの「Love Potion Number NINE」という曲がある。歌詞の中で「Sellin' little bottles of Love Potion Number NINE」(小さなボトルに入った『ラブポーションナンバーナイン』を売っている)と歌われている。- 《媚薬》の正しい読み方のページへのリンク