《威嚇す》の正しい読み方
「威嚇す」の正しい読み方
「威嚇す」の正しい読み方は「おどす」であり、「いかくす」は誤った読み方である。本来は熟語の「威嚇」のみで「いかく」と読むが、日本の小説家・谷崎潤一郎が自身の作品の中で、当て字として「威嚇す(おどす)」「威嚇かす(おどかす)」などと読ませたのが初めとされる。「威嚇す」の意味解説
「威嚇す」の意味は、当て字に使われた「威嚇」と、読み方の「おどす」の両方の意味を併せ持つと考えられる。「威嚇」とは、「攻撃するふりをしたり、威力を示したりして相手をおどすこと」であり、「おどす」は「相手を恐れさせる」「脅迫する」といった意味であるため、「威嚇す」は「相手に威力を見せて恐怖を感じさせ、脅迫する・いうことを聞かせる」といった、元の「おどす」をより強調した意味合いになる。なぜ「威嚇す」と読むのか・理由
本来は「威嚇」のみで「いかく」であり、「おどす」とは読まない。「威嚇」に「~する」を付けて「威嚇する(いかくする)」という表現は可能だが、「す」一文字を付けても「いかくす」という言葉は無く、読みとしては誤りである。「威嚇す」は前述したように、作家の谷崎潤一郎が作品の中で使用した当て字であり、「威力を示しておどす」意味の「威嚇」に「す」を付けることによって、言葉の意味を強調させながら「おどす」と読ませる、谷崎独自の表現方法である。「威嚇す」の類語・用例・例文
類語としては、「威喝」「恫喝」などが挙げられる。「威嚇す」の用例は以下のようなものになるが、当て字のため表記としては一般的ではなく、公の場などでは使用するべきではない。小説などの、書き手の個性のアピールや一般的な言葉の意味を超えた表現が必要な場合に用いるのが適切である。・「男が声を荒げて相手を威嚇すのを見て、見ているこちらまで恐ろしくなった」・「銃を見せて威嚇すのは最後の手段だ」・「あいつは少し生意気だから、ためしに一度威嚇すのも悪くはない」・「そのくらいにして見せないととても彼女を 威嚇かすことは出来まいと思ったので、」※谷崎潤一郎『痴人の愛』より「威嚇す」の英語用例・例文
「威嚇す」は当て字のため、ここでは「威嚇する」「おす」の英語表現を使用例とともに記載する。表現は複数あり、伝えたいニュアンスによって語彙を選ぶ必要がある。・「menacingly」…「He waved a pistol menacingly at us.(彼は威嚇するように我々に向けてピストルを振り回した)」・「browbeat」…「browbeat someone into submission(脅して言うことを聞かせる・服従させる)」・「terrorize」…「terrorize someone into shutting up(恐怖で脅して黙らせる)」・「threaten」…「If you threaten me, I’ll inform the police.(あなたが私を脅すつもりなら、警察に通報します)」・「intimidate」…「He was intimidated into silence.(彼は暴力的な脅しにより黙ってしまった)」- 《威嚇す》の正しい読み方のページへのリンク