敵対カーディナル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 14:27 UTC 版)
「エンド オブ エタニティ」の記事における「敵対カーディナル」の解説
自身の感情に重きを置き、主人公たちと衝突するカーディナルたち。教皇フリーダが逝去する前は一枚岩だったが、彼女が世を去ってからは次第に分裂を始めていた。しかし、教皇から最も信頼の厚かったロエンの危機を察知し、その忠義にしたがってガリジャーノン、アントリオンはロエン側に突き、主人公たちと敵対する。唯一、ヴェロニクだけは戦闘に参加しない。 ロエン(Rowen) 声 - 藤原啓治 43歳。教皇亡き後の事実上カーディナル組織の指導者。普段は物静かで真面目な性格の男性だが、戦闘の際は別人のように豹変し、ゼファーと同様に饒舌になる。 20年前、教皇の死後、自分の前に現れたサリヴァンからバーゼルの真実(人の生と死を管理するゼニスの存在)を知ったロエンは、機械によって管理される不条理な死を克服するために、サリヴァンの研究の後ろ盾となる。そして、大義のもとに実験にて20人の無垢な子供を犠牲にした。しかし、物語後半にて最後の実験体であるリーンベルが生存していることを知り、推し量ることのできない力=奇跡によってゼニスの管理を外れることができるのかもしれないことを知ってしまう。 もし奇跡が存在し、それにより運命から逃れられるのであれば、実験体となって死んだ19人の死はロエンが忌む「無意味な死」となってしまう。その気づきと同時にサリヴァンは失踪し、自分は利用されていたことを知る。クォーツが壊れるように設定しておいたリーンベルが、なぜクォーツが壊れることなく生きているのかを問いただすためサリヴァンを探し出す。 クォーツが砕けずリーンベルが生きていたのは、ゼニスのシステムの内にある「奇跡」によるものだとサリヴァンは語る。実験自体は成功していると述べ、「奇跡」の存在は想定外だと述べた。それを聞いたロエンは、本当に奇跡があるのなら見せてくれと言い、サリヴァンを銃殺。彼が死ねば自動的にリーンベルのクォーツは砕けるが、それでも「奇跡」が起こり死ななければその存在を信じることができる、と。 その後、大聖堂へ戻ったロエンはフリーダの肖像画の前で自身の胸の内を語る。サリヴァンが最後に「奇跡」の可能性を示してしまったことを信じるわけには行かない。フリーダが生き返るという奇跡を信じて、それが叶ったとしても20人も子供を殺した自分が彼女と一緒になるわけにはいかない。主人公たちと最後まで戦い、自分が死んだとしてもリーンベルが生きているのならば「フリーダが生き返るという奇跡」を信じて死ぬことができる。逆に自分が勝てば、ゼニスを管理し不条理な死を克服する。どちらに転んでも自分に幸せはなく、もう引き返すことはできない、と。 最後の決戦の舞台、大聖堂最奥にてロエンはリーンベルたちと対峙。彼女から「後悔していませんか?」と訪ねられるが、ロエンは「償いたい」という思いを隠し、「後悔などしていない」と告げた。 立ち去ろうとするリーンベルの背中に銃口を向け、半ば無理やり戦闘を引き起こさせる。敗北した後はゼファーの凶弾によって倒れるが、直後に「聖刻」が現れて一命を取り留めた。ロエンの言う「奇跡」はフリーダではなく、彼自身に降りかかったのだ。そして聖刻はフリーダの肖像画に刻まれていた。 自らの身に降りかかった奇跡を感じ入り、呆然と肖像画を見上げるロエン。彼を残し、ゼファーたちはヴァシュロンに連れられて大聖堂を去っていった。 直後に、ガリジャーノンとアントリオンにも聖刻が刻まれ、戦いの終わりを告げるかのように無数の花びらが大聖堂を包み込むように舞っていた。 その後、ロエンはサリヴァンから渡された「ゼニスに干渉するための指輪(元々はフリーダから託されたもの)」をフリーダの棺へと置き、自ら進むべき道を見出した。 戦闘では、黄金と白銀の銃をそれぞれ手に持って参加する。二挺拳銃の使い手。後述のガリジャーノンとアントリオンを組み合わせたような戦術を用いる。 天国への階段を上るかのように飛翔し、上空から銃撃。銃撃で崩落を起こして攻撃。更には、半円を描くように地面を銃撃して爆発を発生させて攻撃を仕掛けてくる。 移動速度が速く、攻撃手段も中距離のものが多く、先手を取られやすい。IA後に追いつかれ反撃を受けることも多い。近距離では武道の型の様な動きを見せながら連続射撃を行う。 私兵に「R-コマンドー」を持ち、強靭な装甲車ライドストーム・キャノンや強力なホーミングミサイルを搭載した空襲ヘリコプター「バハムート」といった兵器を有する。また、兵器だけではなく兵士自身の戦闘技術も高く、エターシルを訪れたヴァシュロンを「予想通りに苦戦」させ、ゼファーを「予想以上に苦戦」させた。 ヴェロニク(Veronique) 声 - 山崎和佳奈 25歳。数少ない女性カーディナル。何らかの形でロエンの計画に協力しているらしい。 ロエンに絶対の信用をよせ、サポートしている女性。同じようにロエンも彼女を信頼しており、愛する教皇を失った彼の心の支えとなっていた。人前では主従をまもっているが、2人きりの時はロエンに対して敬語を使わず、年の離れた友人のように接している。 終盤間近にロエンから「君がいてくれてよかった」と告げられ、教皇フリーダを失ったロエンの心の支えになっていたことが明かされる。 彼女だけは戦闘に参加せず、最後の決戦前に祈りを捧げていた。女性カーディナルのバーバレラとは人気を二分しており、「ヴェロニク派」「バーバレラ派」に分かれている(リーンベル派はない模様)。 コミックス版ではバーバレラと4コマ漫画に登場しており、普通の女性のように仲良く買い物をするシーンが描かれている。 ガリジャーノン(Garigliano) 声 - 若本規夫 45歳。ロエン、アントリオンと同じく教皇フリーダに信奉する人間で、カーディナルの中でもNO.2と呼ばれる大物。カーディナル統率者であるロエンを自身の大将と認めており、最終決戦の際にはアントリオンと共にロエン側に着いた。 彼の邸宅には様々な(独創的な)芸術品・美術品が置かれているというが、私室には一本道の通路しかなく、どこか寂しい光景。合図一つで部屋に明かりがつく。その先に彼用の椅子が置かれている。この椅子は最終決戦の広間にも持ち出されている。 芸術家としてだけではなく、分解屋としても一流の技術を持つ。が、奇人変人の多いカーディナルの中では、ゼファーから「ガリ最強じゃね?」と言われるくらいの凄まじさ。 独特の芸術センスの持ち主で、特徴的な髪型をしている。同じく特徴的な装束をまとう「カテドラル」という私兵を持つ。いずれもガリジャーノンに心酔し、独特の審美眼を持っている。また、モンスターも飼い慣らしており、独特でありならも神々しさを感じさせる装甲をまとわせている。人形の森では彼が作ったと思しき武装マネキンが襲ってきたりする。 額縁を通してモノを見る癖があり、「なんじゃこりゃあ」に代表される独特の言い回しを使うなど、これらの理由からロエンには偏執狂呼ばわりされている。あるシーンでは二度彼の名を口にするのだが、どちらもわざわざ「偏執狂のガリジャーノン」と呼んでいる。 なお、ガリジャーノンが額縁を持って物を見るのは「美しいところだけが見える」という理由から。彼自身、「花も人も、本物を見ることができないのが、この世界だ!!」と言っている。リーンベルのことを「慈愛の女神」と呼び、戦闘中のみゼファーのことを「死神」と呼んでいた。 最終決戦の際には同志ロエンの危機を感じ取り、ラストダンジョンの一番手としてヴァシュロンたちと敵対する。大聖堂の広間で一行を迎え撃ち、激戦の末に敗北した。最後に、リーンベルに「君はどうやってその自分を手に入れた?」と問い、「自分の信じるままに生きてみただけです」と答えられる。その生き方こそ、彼が信望した教皇フリーダの理想とするものだった。そして、それはガリジャーノンのイマジネーションをはるかに凌駕する理想でもあった。 ゼニスよって彼のクォーツは砕かれることなく、戦いの終焉と共に聖刻が現れ、アントリオンと共に復活を果たす。 戦闘では額縁を構え、まるで絵画を描くように銃を動かし、額縁から銃口を突き出して連続射撃を行う。また、天井や窓枠を銃撃で破壊して崩落を引き起こしての攻撃を仕掛けてくる。 スタンした際には、わざわざ奇抜なポーズをとって銅像のような格好になっている。 その他『PROJECT X ZONE2』にも登場している。アイテムを修理するためにリーンベルたちと合流し協力する。 アントリオン(Antourion) 声 - 佐藤正治 70歳。年老いて尚勤勉で、「知の探究者」と称されている。中世の騎士を思わせる装束をまとう「ジャッジ」という私兵を持つ。いずれも忠義に厚く、神に使えるカーディナルを絶対者と見ている。 彼の邸宅は書庫のようになっており、ゆったりと回転する本棚が置かれている。ガリジャーノンとは対照的に私室は広く、机の上には燭台が置かれ、内装も中世の屋敷を思わせる荘厳さがある。 過去に遺跡(ルキア)の調査のためにヴィクトー、ヴァシュロンが所属していた部隊を送るも、そこにいたレベッカに部隊が襲撃されヴァシュロンを除く部隊全員を死亡させてしまった汚点がある。その件以来ロエンからは冷遇されており、ヴァシュロンからも嫌われている(しかし、ロエンはアントリオンと距離が開いてしまったことを悔いていた)。 しかしながら、アントリオンはヴァシュロンの何にも縛られない生き方に好感をもっている。死に瀕しているにも関わらず生き延びた人間の前に現れる不可思議な刻印を「聖刻」と名付けたのも彼であり、そのことに関する調査をヴァシュロンに依頼したこともある。 最後の決闘の際、ガリジャーノンと共にロエン側につき、ラストダンジョンの二番手としてヴァシュロンたちと交戦する。自分もビクトーも、そしてテレサもヴァシュロンの生き方に好感を抱いていた。だからこそ、ヴァシュロンは自らの手で討たねばならないと考え、激戦を繰り広げた。敗北を喫した後は、ヴァシュロンの強さの根源を悟る。ヴァシュロンは「あんたの友人ビクトー仕込みさ」と誇らしげに答えるが、アントリオンは否定。彼の何者にもとらわれず、権力や暴力に屈さない生き様こそヴァシュロンが本来持っていた素質であり、自分やビクトーを超えるに至ったのだと死に際に語った。 ガリジャーノンと同じくクォーツが砕かれることなく復活を果たし、身をもって聖刻の存在を体感することになる。 知の探究者と呼ばれるだけあり、ゼファーとリーンベルの過去も知っている模様。また、ゼニスの正体についても知っており、ロエンの行っていることを何度も咎め説得しようとしていた。 かつては強豪として知られており、その実力は年老いても衰えることはなかった(ただし、一部の使用人を除いてメイドたちからは全然信じられていない)。戦闘では身の丈を軽く越す長大な銃剣を手に参加する。戦法は、ヴァシュロンの師ビクトーと好敵手だったことから、主人公たちと同様に空中殺法を披露する。 爆発が発生するほどの破壊力を持つ銃弾を使用。高々と飛翔して銃撃を仕掛けるその姿は、まるで爆撃機を想起させる。近接での射撃も行うが、何より恐ろしいのは対称の足元に対する銃撃。地面が爆破され、膨大な威力の衝撃波を受けてしまう。また、銃剣を使っての近接攻撃も行う。 『PROJECT X ZONE』シリーズには登場していないが、彼との戦闘BGMが収録されている。 ラガーフェルド(Lagerfeld) 声 - 園部好徳 44歳。大変敬虔なリデール教の信者で生真面目な性格。常に丸いつばのついた帽子にサングラスを身に着けている。普段の髪型はオールバック。 ロエンとは古くから友人の間柄。クランク神学校の管轄を担当、事件の目撃者でもある。 約2年前、検死官として罪人ゼファーの処刑を見守るが、どうやっても彼が死ぬことはなかった。死刑を執行したヴァシュロンも驚愕を隠せず、2人は「神がゼファーを許した」と解釈するしかなく、ゼファーは無罪として解放された(世間的には処刑されたことになっている)。 それから2年後、彼は事件の背景を調べ続け、ゼファーに対する憎悪をたぎらせ続けていた。全身を銃弾で打ち抜かれた子供、爆発で身元確認ができないほどの傷を負った子供、いずれもゼファーに殺された子供たちであり、被害者の母親は彼を許すと言った。だがしかし、ラガーフェルドはゼファーを許すことができず、彼の処刑を決意。神に歯向かうことを自覚し、カーディナルの地位を捨て、死んだ子供たちとゼファーの墓標を用意して決戦に臨む。 ゼファーをレイニーブリッジに呼び出し、一騎討ちを挑むも敗北。止めを刺される寸前に、ゼファーの持つ経典に隠された事実を告げる。当時のゼファーが少女から手渡された経典の最後のページには、一枚の紙片(写真なのか手紙なのか不明)が挟まれており、それを見たゼファーは妹の存在を知る。驚愕するゼファーの一瞬の隙をつき、錫杖の当身で彼を昏倒させる。そして止めを刺す寸前で駆けつけたリーンベルの銃撃によって射殺された。 戦闘では短めの錫杖と拳銃、そして異能を武器に参加する。正面や側面からの攻撃に対してはテレポートで回避し、背後に回りこんでカウンター攻撃を行う。しかも、IA中にテレポートした場合は、IAが終了するまで姿を現さない。一騎討ちで戦うため、ファーストエイドキットを持つ余裕がなく、育て方次第では酷い苦戦を強いられる。 中距離では銃撃、もしくは無数の光の剣を呼び出して一切に発射する。上述のペーター(ピーター)同様に不思議な力を持つ。
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