バンコク 情報・通信

バンコク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 01:13 UTC 版)

情報・通信

マスメディア

新聞社

タイの新聞では、タイ・ラットカーウ・ソットデイリー・ニュースなど政治的立場も様々な全国紙を始め、経済紙、スポーツ紙、芸能紙、また英字紙や中国語紙などが本拠を置く。

生活基盤

ライフライン

電信

大量ケーブルの課題

観光客や移住者の増加に合わせ電話やインターネット回線用を急速に増やした結果、電柱には複雑に絡み合った電線の塊が出来上がり、火事や感電などの事故が多発するようになった[31]

交通

バンコクの渋滞

バンコクは世界有数の渋滞都市である。普段は車で10分の距離でも通勤時間帯は50分かかることも日常茶飯事であるという[31]。また狭い道や渋滞は電線の地中化工事などインフラ整備にも影響を及ぼしている[31]

都心部では高架鉄道や地下鉄が開通しているが、タイ国鉄には通勤輸送に活用できる郊外鉄道の路線網が少ない上、都心部の立体交差化の遅れからラッシュ時の列車運行本数が極端に制限されている。 そのため、中流階級以上を中心に乗用車タクシーバス公共交通機関として広く用いられていることが渋滞の一因とされる。

このため、更なる地下鉄や高架鉄道の路線の建設が進められている他、スワンナプーム国際空港との連絡鉄道の建設が進められ、2010年8月23日にエアポート・レール・リンクとして開業した。 また、排気ガス浄化のためにタクシーの定期的な新型車両への代替が義務付けられている。

空路

スワンナプーム国際空港

空港

世界のハブ
バンコクはクアラルンプールシンガポールなど、ヨーロッパ諸国から東南アジア各国やオーストラリアなどへの中継地点として、また、アジアのハブ空港でもある。タイ・エアアジアノック・エアバンコク・エアウェイズなどのタイ国内線やアジア圏内を運航する格安航空会社が乗り入れている。
2つの空港
2006年、スワンナプーム国際空港が、バンコク中心部から32km東方のサムットプラーカーン県バーンプリー郡に開港した。スワンナプーム国際空港はドンムアン国際空港に代わるバンコクの主要空港として、また、アジアハブ空港として、観光国タイの表玄関として世界中から航空路線が集まっている。なお、ドンムアン国際空港も、第2空港として国際線、国内線用に引き続き使用されている。
日本との便
また、日本からは成田国際空港発着便を中心に東京大阪名古屋福岡仙台広島などの主要都市からタイ国際航空(成田、羽田、関西、中部、福岡、新千歳、仙台)や日本航空(成田、羽田、関西、中部)、全日空(成田、羽田)、デルタ航空となどがそれぞれ1日に1便-数便運航している他、台北市香港澳門経由で行くこともできる。

鉄道

BTS(バンコク・スカイトレインサラデーン駅の付近

国鉄

バンコク駅(フワランポーン駅)を起点として、チエンマイパッタヤーをはじめとする国内各地に路線を伸ばしている。また、マレーシアシンガポールラオス方面への国際列車もある。詳細はタイ国有鉄道を参照のこと。
  • バンコク(フワランポーン)駅は、2021年頃に中央駅としての役割を終え、バンコク北部にあるバーンスー中央駅(当時)に機能移転ののち鉄道博物館となる計画が公表されていたが、移転は諸事情により2023年現在も完了していない。

BTS

1999年12月に、バンコク都内の渋滞解消の切り札として高架鉄道 BTS(Bangkok Mass Transit System、通称スカイトレイン)が開業した。北 - 東を走るスクムウィット線と、南 - 西を走るシーロム線から成っており、両線はサイアム駅(サヤーム駅)で交わっている他、郊外鉄道の駅とも接続している。初乗りは15バーツ(一部区間10バーツ)。
2020年に開業した新交通システム

地下鉄

2004年7月3日にはバンコクに初の地下鉄が開通した。バンコク・メトロが経営している。上記のBTSと同じくエアコン完備の上に渋滞の影響を全く受けない上、郊外鉄道のいくつかの駅の他にBTSの路線とも接続しており利便性が高い。都心部を経由して国鉄駅のフワランポーン駅やクルンテープ・アピワット中央駅(地上の旧駅はバーンスー分岐駅とも)を結ぶ環状線のブルーラインと、バンコク北西部とノンタブリー県とを結ぶパープルラインから成っている。

レッドライン

2021年8月2日に無料運行を開始した。国鉄北本線南本線に並行する高架鉄道である。

空港連絡鉄道

2010年8月23日、スワンナプーム国際空港とバンコク中心部のマッカサン駅パヤータイ駅を結ぶ空港連絡鉄道エアポート・レール・リンクが開業した。

バス

バンコク大量輸送公社のノンエアコン・赤バス(日野AK176)

路線バス

バンコク大量輸送公社(BMTA)が運営する[32][注釈 15]。このバスは「エアコン・バス」、「ノンエアコン・バス」、などに分かれ、運賃についても、エアコン・バスは距離によって10 - 23バーツ、ノンエアコン・バスは扇風機なし(赤バス)は7.5バーツ、扇風機つき(白バス)は8.5バーツとなっている。ワンマン化は進んでおらず、バス車両はキャブオーバー型の非ワンマン仕様車が多く使用されている。一部路線では連節バス(エアコンつき)も運行されている。時刻表はなく数多くの本数が走っているが、渋滞の影響を受ける。

BRT

BRT Sathorn Station

Bangkok BRTが2010年5月29日より運行している。区間はSathon(B1)~Ratchapruek(B12)、Sathon駅はバンコク・スカイトレインシーロム線チョーンノンシー駅に、Ratchapruek駅はシーロム線タラートプルー駅に接続している。

中長距離バス

チェンマイパッタヤープーケットチャンタブリーなどの国内主要都市の他、カンボジアやマレーシア、ミャンマーとの国境地域への長距離バスが頻繁に運行されている。 なおこれらの長距離バスにもエアコン装備とノンエアコンの2種類が存在する。

バスターミナル

郊外に3つのバスターミナルがある。

タクシー

トゥクトゥク

タクシーは初乗り35バーツ(タクシーメーター)と経済的な上に、冷房完備である。主にトヨタカローラ日産ティーダ三菱・ランサーなどが使用されており、定期的な新型車両への代替が義務付けられていることから、殆どが現行車種の年式が新しいものを使用している。なお、メーター制でないタクシーであったり、メーターがあっても、旅行者相手の場合や、時間帯、天候によってはメーター使用を拒否され、高めの料金を提示する場合などもあり、どのタクシーであっても、乗車前に行き先を伝え、メーターを使うか確認、もしくは料金交渉をしてから乗車する必要がある。

トゥクトゥク

有名なトゥクトゥクは、安全性の観点と排気ガス規制などの理由から現在新規登録ができなくなっており、これから減少が予想される。なお、最初に値段を交渉して乗る必要がある。

ソンテウ

主に郊外の小道でよく利用されるのが、ピックアップトラックの荷台を改造したソンテウと呼ばれるミニバスや、モーターサイ(いわゆるバイクタクシー)などがある。

航路

プラトゥーナム桟橋付近のセーンセープ運河と運河船

バンコクではチャオプラヤー川が南北を横断しており、これを利用した定期ボートが頻繁に運航されている。 渋滞の心配がなく運河を縫うように船舶路線網が完備されているため、多くの市民や観光客に利用されている。

船舶

ボート
チャオプラヤー川ではチャオプラヤー・エクスプレスと呼ばれる水上交通も利用されている。運賃は5バーツから。
またセーンセープ運河を中心に市営ボートも運営されているほか、トンブリー区ミンブリー区を中心にロング・テイル・ボートが運航されている。

観光

ワット・アルン
ワット・プラケーオ
ワット・ポー

交通の要所である上に観光資源が豊富なこともあり、東南アジア観光の中心地である。マスターカード2016年に公表した統計によると、「世界で最も外国人が訪れる都市」と算定された[33]。また、アメリカの旅行雑誌『トラベル+レジャー』によって、2010年から4年連続で世界一の観光都市と評価されている[34]

寺院や歴史的建造物が多数存在する他、物価も比較的安いことから、カオサン通りなどバックパッカーが集まる一帯もある。他にも、中心部にある「パッポン通り」や「ソイ・カウボーイ」などはバーやクラブが立ち並ぶなどナイトライフが活気を見せている。これらの地域はベトナム戦争当時、レスト・アンド・レクリエーション(戦時休暇)のためにバンコクを訪れたアメリカ軍兵士が多く来たことから急速に発展し、現在も世界各国の多くの観光客をひきつけている。


注釈

  1. ^ [bāèŋ kɔ̀ːk] 聴く[ヘルプ/ファイル]
  2. ^ タイ語: กรุงเทพ[krūŋ tʰêːp] 聴く[ヘルプ/ファイル]
  3. ^ タイ語: กรุงเทพมหานคร[krūŋ tʰêːp mahǎː nákʰɔ̄ːn] ( 音声ファイル)
  4. ^ それまでの正式名称は「クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット」であり、現地のタイ人でも完全に言えないことが多い長い名前であった。
  5. ^ タイ語: บวรรัตนโกสินทร์[bɔɔwɔɔnrattanakoosin]
  6. ^ タイ語: อมรรัตนโกสินทร์[amɔɔnrattanakoosin]
  7. ^ タイ語: นครหลวงกรุงเทพธนบุร
  8. ^ タイ語: กรุงเทพมหานคร 聴く[ヘルプ/ファイル]
  9. ^ タイ語: กรุงเทพฯ 聴く[ヘルプ/ファイル]
  10. ^ タイ語: บางมะกอก
  11. ^ タイ語: บางกอก
  12. ^ オリーブに外見の似たウルシ科樹木、学名: Spondias pinnataシノニム: Spondias mangifera
  13. ^ a b 1985年バンコク都行政組織法、とも訳される
  14. ^ バンコク首都圏庁FC かつてあった都庁のサッカークラブ
  15. ^ また、バンコクのバス事情については「バンコクのバス特集」に詳しい。

出典

  1. ^ クルンテープ(くるんてーぷ)とは”. コトバンク. 2020年3月14日閲覧。
  2. ^ “タイの首都「バンコク」名称変更? 「クルンテープ・マハーナコーン」に”. FNNプライムオンライン (株式会社フジテレビジョン / フジニュースネットワーク). (2022年2月23日). https://www.fnn.jp/articles/-/319944 2022年2月25日閲覧。 
  3. ^ 世界の都市圏人口の順位(2016年4月更新) Demographia 2016年10月29日閲覧。
  4. ^ ICCA releases largest ever statistics report for 2018 - News Archives ICCA Press Releases ICCA”. www.iccaworld.org. 2020年2月15日閲覧。
  5. ^  聴く[ヘルプ/ファイル]
  6. ^ 6 เมษายน - วันจักรี”. Department of Cultural Promotion. 2011年6月16日閲覧。
  7. ^ “ประกาศกระทรวงมหาดไทย เรื่อง ทรงพระกรุณาโปรดเกล้า ฯ ให้เปลี่ยนคำว่าเมืองเรียกว่าจังหวัด” (Thai). Royal Gazette เล่ม ๓๓ (ตอน ๐ ก): หน้า ๕๑-๕๓. (๒๘ พฤษภาคม ๒๔๕๙). http://www.ratchakitcha.soc.go.th/DATA/PDF/2459/A/51.PDF. 
  8. ^ “ประกาศของคณะปฏิวัติ ฉบับที่ ๒๔” (Thai). ราชกิจจานุเบกษา เล่ม ๘๘ (ตอน ๑๔๔ ก): หน้า ๘๑๖-๘๑๙. (๒๑ ธันวาคม ๒๕๑๔). http://www.ratchakitcha.soc.go.th/DATA/PDF/2514/A/144/816.PDF. 
  9. ^ “ประกาศของคณะปฏิวัติ ฉบับที่ ๑๖๘” (タイ語). ราชกิจจานุเบกษา เล่ม ๘๙ (ตอน ๙๓ ก ฉบับพิเศษ): หน้า ๑๘๗-๒๐๑. (๑๗ มิถุนายน ๒๕๑๕). http://www.ratchakitcha.soc.go.th/DATA/PDF/2515/A/190/187.PDF. 
  10. ^ a b 冨田 [1997] p.820
  11. ^ a b 小杉 [2003] p.11
  12. ^ La Loubére [1693] p.4
  13. ^ 基本情報”. 阪急交通社. 2020年5月23日閲覧。
  14. ^ バンコクの気候と服装”. バンコクナビ. 2020年5月23日閲覧。
  15. ^ 30 year Average (1961-1990) - BANGKOK METROPOLIS”. Thai Meteorological Department. 2010年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月19日閲覧。
  16. ^ Climatological Normals of Bangkok”. Hong Kong Observatory. 2010年6月24日閲覧。
  17. ^ Climate Normals for Bangkok”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2013年2月5日閲覧。
  18. ^ タイ王国政府観光庁 [1] 「バンコク都」で検索
  19. ^ 在タイ日本国大使館 [2] バンコク都内の警察署および病院について記載
  20. ^ a b “ด่วน! ใช้ม.44 ให้สุขุมพันธุ์และทีมรองฯพ้นจากตำแหน่ง ตั้งอัศวิน ขวัญเมือง เป็นผู้ว่าฯกทม.”. matichon. (2016年10月18日). http://www.matichon.co.th/news/326122 2016年10月18日閲覧。 
  21. ^ St. Petersburg in figures > International and Interregional Ties
  22. ^ https://archive.is/20120702214127/office.bangkok.go.th/iad/eng/viewpage.php?page_id=38
  23. ^ "Bangkok er ny vennskapsby". Adresseavisen. Retrieved on 29 May 2009.
  24. ^ >Istanbul and Bangkok Become Sister Cities
  25. ^ Sister Cities of Guangzhou”. Guangzhou Foreign Affairs Office. 2011年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年2月10日閲覧。
  26. ^ 海外在留邦人数調査統計 平成30年版 外務省 2020-8-16閲覧
  27. ^ Cities Rank Among the Top 100 Economic Powers in the World Chicago Council on Global Affairs 2016年10月28日閲覧。
  28. ^ タイ統計局による家計調査
  29. ^ Global Financial Centres Index z/yen 2016年10月29日閲覧。
  30. ^ Global Cities 2017 AT Kearney 2017年公表 2017年8月4日閲覧。
  31. ^ a b c d TIMES編集部, ABEMA. “ラッセル・クロウが一石投じたタイの“大量ケーブル”問題 8割が使われず、地中化には「200年かかる」との指摘も | 国際”. ABEMA TIMES. 2021年11月7日閲覧。
  32. ^ 『鉄道ジャーナル』2010年10月号(No.528)p.156-p.157 鉄道ジャーナル社
  33. ^ Bangkok Takes Title in 2016 Mastercard Global Destinations Cities Index Mastercard 2016年10月29日閲覧。
  34. ^ World's Top 10 Cities 2015 Travel + Leisure 2016年10月29日閲覧。






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