必需品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/01 08:40 UTC 版)

経済学において、必需品(ひつじゅひん、necessity good または necessary good)とは、需要の所得弾力性が1未満の財のこと[1]。
概要
必需品は上級財の一種である。必需財は、消費者が所得水準の変化にかかわらず購入する財やサービスであり、そのためこれらの財は所得変化に対して比較的鈍感である[2]。他の上級財と同様、所得が増加すれば需要も増加するが、必需品における増加は所得の増加に対して比例的ではなく、そのため所得が増加するとこれらの財への支出割合は低下する[3]。
食料品の需要の所得弾力性は1未満であることが多く、所得が増加すると食料への支出の絶対額は増加しても、所得に占める食料支出の割合は減少する。これをエンゲルの法則と呼ぶ。したがって食料の需要の所得弾力性は0から1の間にある。
一部の必需品は公共事業体によって生産される。Investopediaによれば、必需品を生産する民間企業の株式はディフェンシブ株として知られている。ディフェンシブ株は、全体の株式市場の状況にかかわらず一定の配当と安定した利益をもたらす株式である[4][5]。
関連項目
出典
- ^ Debabrata, Datta (2017). Managerial Economics. India: Prentice-Hall. ISBN 978-8120352414. OCLC 990641889
- ^ Investopedia Staff (2004年1月11日). “Income Elasticity of Demand” (英語). Investopedia 2018年6月1日閲覧。
- ^ Varian, Hal (1992). “Choice”. Microeconomic Analysis (Third ed.). New York: W.W. Norton. pp. 117. ISBN 0-393-95735-7 . "[...] as the consumer gets more income, he consumes more of both goods but proportionally more of one good (the luxury good) than of the other (the necessary good)."
- ^ “Cyclical Versus Non-Cyclical Stocks”. Investopedia. 2009年3月18日閲覧。
- ^ “Defensive Stock”. Investopedia. 2009年3月18日閲覧。
「必需品」の例文・使い方・用例・文例
- 生きていく最低限の必需品
- 道が悪いためトラックによる生活必需品の配達が遅れた
- 生活必需品
- 磁石は登山者の必需品です
- 日用必需品
- 旅の必需品
- あの赤い布は「袱紗」茶道具を清めるために使う必需品なの。
- 彼女は娘のレッスン代を払うため、必需品をなしですませた。
- 彼には必需品すらない、まして贅沢品はなおさらだ。
- 彼には日常必需品すらない、まして贅沢品はあるわけがない。
- 青いスーツ、白いシャツ、赤いネクタイが男性従業員全員の必需品だ。
- 芸術は贅沢品ではない、必需品だ。
- コンピューターは現在では絶対的な必需品である。
- この種の機械を使う時には、皮の手袋は必需品だね。
- カメラは私の必需品でした。
- アメリカでは自動車は必需品であり贅沢品ではない。
- 雪の多いところでは、灯油は必需品です。
- 露命をつなぐだけの[ぎりぎりの]必需品.
- 彼は貧困のため必需品がほとんどないことにも慣れていた.
- ちょっとした生活必需品.
必需品と同じ種類の言葉
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